10月15日、魚返明未トリオを聴きたくて、高田馬場にある老舗ジャズスポット《イントロ》へ行った。
昭和のかほりがするちょっとレトロな雰囲気が老舗の重みを感じさせる。非常にウェルカムな店主・茂串邦明さんに話しかけ自己紹介すると、
「ネフェルティティ?セシル・テイラーのあのフォンタナ・レーベルの・・・」
「そうですそうです。さすがよくご存知ですね!」
40年以上前からジャズ一筋に生きているだけあって、知識及び反応がスゴイ。
棚の奥の方から、この『Intro the40th Anniversary』を取り出し、プレゼントしてくれた。
40年の歴史の中で出会った数多くの人々とのあたたかいつながりが記されている。
そして、同時に40周年記念アルバム《GOD’S NEXT LIFE》というアルトサックス奏者・ゴット井上さんを中心としたイントロ店内での演奏収録CDもいただいた。
茂串邦明さんは『Bop Be』と『Take the A Train』でかっこよくドラムを叩いている。
今度行った時には、ネフェル・トートバックとネフェルハンカチをプレゼントしよう!
さて、魚返明未さんのピアノである。
彼は作曲科出身だけあってとても素敵な曲を書く。
今回は、最新CD《はしごを抱きしめる》の収録曲を中心に演奏した。
ピアノを弾くときの表情を見るのも楽しみの一つだ。
バラッド曲では目を瞑り甘い表情で優しく囁くように弾き(実際に話しかけている)、スウィンギ~な曲では椅子から腰を浮かせ、眼と口をぎっと開けすごい形相で88の鍵盤全てをガンガン弾きまくる。
また、彼は曲の中に没頭して身体の中の情念を絞り出すような表情でピアノに向かい、祈りを捧げるような恰好で弾く。
『はしごを抱きしめる』という曲では、幻想的でイマジネイティブな美しいメロディーを紡ぎ出すが、『ピアノを抱きしめる』という方が似合っているような・・・。
あまりに熱中して弾くので耳から首にかけて汗がにじみ、そして滴り落ちていく。彼はピアノに恋してるんじゃあないかなあ・・・、取りつかれたように弾く。
楠井五月さんのウッドベース。
一音一音にたましいが籠っている。太くてでかい音に痺れまくる。
バッキングではポール・チェンバースのようにゴリゴリと、ベースソロではスコット・ラファロのように超絶技巧で・・・。
『アラバマに星落ちて』では、深い深い低音に感動した。
そして、石若駿さんのドラムス。
半端ないリズム感!さすが、世界のヒノテルが惚れ込んだだけある爆発的破壊的エネルギー満載の若い飛沫が飛んでくる。
ご存知ですか?エルヴィン・ジョーンのドラムとリチャード・デイヴィスのウッドベースが織り成す《ヘヴィーサウンド》。
この二人は、なんだかそんな感じだ。
石若駿さんは、12月8日に《ボーイズ》のメンバーとしてネフェルにやってくる。
今から超楽しみだ。
彼ら三人によるピアノトリオ《はしごを抱きしめる》(2018年6月収録)
魚返明未さんのオール・オリジナル曲
イントロのマスターとミュジシャンと一緒に記念撮影、パチリ!
この日のお客さんの中に、先日下北沢アポロで演奏を聴かせていただいたベーシスト伊地知大輔さんがいらして、一緒に記念写真、パチリ!