複雑怪奇な母娘の落とし方 | お気楽ごくらく日記

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白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

先日の台風で被害に遭われた方々には、心からお見舞い申し上げます。

和歌山、と言うか私の住んでいる地域も午後1時30分頃から3時頃にかけて猛烈な風と雨でした。

ただ上陸した田辺よりも北側の地域(どちらかと言うと和歌山市の方が近いです。)に住んでるため、TVとかでやってる程は雨も風も、台風にしては酷く無かったです。

 

さてさて、今回の話はコミックス39巻の巻末マンガの、私の勝手な続き妄想となっております。

まだコミックス買っていなくて、ネタバレはちょっと・・・と言うお嬢様方はここで回れ右する事をお勧めます。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

某月某日。

そろそろ次の日になろうかと言う時間に、都内にある知る人ぞ知るバーに一人の背の高い男が訪れた。

キャップを目深に被った彼は一言二言バーテンと言葉を交わすと、店の奥で一人グラスを傾けている中年男性の所に行った。

 

「お待たせしてしまって申し訳ございません。」

と頭を下げると、中年男性は気にするなとばかりに手を振った。

注文を聞きに来たバーテンに蓮が適当に注文すると、ようやく中年男性が口を開いた。

 

「日本で今最も忙しい芸能人である君をわざわざこんな所に呼び出して悪かったね。」

 

「いえ、お気になさらずに。それにしてもいい店ですね。隠れ家的な感じで。」

 

「だろう?一人になりたい時はいつもここを利用してるのさ。」

 

「今日はどんなご用件」

 

「まぁ、そう慌てなくてもいいだろう。ここの酒はどれも美味いから、まずは堪能してからでも遅くはないだろう。」

 

面識も何もない、弁護士を名乗るこの男性からいきなり携帯に電話がかかって来た時は心底驚いた。

そして同時に、誰かに訴えられるほどの事を自分は仕出かしたのだろうか?と不安に駆られた。

 

「話と言うのは、複雑によじれて絡みまくった知恵の輪みたいな小難しい女性とその娘さんの事でね。」

 

「それって、もしかして最上さん達の事ですか?」

 

「もしかしなくてもそうだよ。」

 

「単刀直入に言おう。僕は困難で難解な母親の方に学生時代から懸想していてね。こっちに振り向かそうと画策してるんだが、一向に気付く気配がなくてね。」

 

「は・・・・・はぁ(それが、どうして俺に関わってくるんだ?)」

 

「”将を射んと欲すれば先ず馬を射よ”と言うだろう?だから、本人にこれ以上アプローチを続けるよりもお嬢さんのほうを先に攻略した方が早いと考えたわけさ。」

 

(だから、どこをどうしたら俺が出て来るんだ????)

 

「で、お嬢さんの事を少々調べてみたら、男の影・・・・・君が見え隠れしたもんでね。まずは君の思いが成就するように手伝おうかと」

 

「お気持ちは有り難いですけど、最上さんは自分の力で落としたいですから謹んで遠慮いたします。」

 

「まぁ、そう固い事言わずに。芸能界一良い男の称号を持ってるのにキョーコちゃんを未だに落とせていないじゃないか。」

 

藤道に一番痛い所を突かれた蓮は、うっと言葉に詰まった。

 

「それとも何か勝算はあるのかな?なければ僕と手を組んだ方が早いと思うけどね。ああ、それから僕が最上に想いを寄せている事はキョーコちゃん気付いてるからね。」

 

(最上さ~ん!!どうして俺の気持ちにはこれっぽっちも気付いてくれないのに、人の恋心には気付くんだ!!)

蓮が内心頭を抱えていると、藤道は言葉を続けた。

 

「キョーコちゃんは、マゾで下衆な変態が専売特許の僕に近づいて欲しくは無さそうだけどね。」

 

くっくっく、と哂う藤道を見て蓮は心底思った。

 

(将来、この男性だけは自分の『義父』にはなって欲しくはないな。)

 

《おわり》

 

「敦賀珍百景」の『はかどる食欲』を見て、きっとこのオニギリはキョーコさんお手製よね、きっと。とか、『嫌いじゃない作業(やつ)』では、きっと結婚したら料理はともかく家事を積極的に手伝うだろうなぁ、とか色々妄想垂れ流しでしたが、纏まった話にはならず。

小説の方の描きおろしのイラストでご飯が何杯でも行けそうになったのは内緒です(笑)