ケ・セラセラ 3日目・1 | お気楽ごくらく日記

お気楽ごくらく日記

白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。


今回から、回想とごっちゃ混ぜになって、大変ややこしい回になってます。すみませんm(_ _ )m

《》は、蓮とキョーコが子供の時の会話です。

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敦賀家にお世話に引き取られることをキョーコが決めた翌朝。


「モー子さん、千織ちゃん、昨日はありがとう。」


奏江と千織をLMEに行く途中で見かけたキョーコは、おはようと挨拶をしてからそうお礼を言った。

実は、キョーコの事を案じていた奏江と千織はクラブが終わった後、話し合いの場には居られなかったが、教師たちに直談判して話し合いが終わるまでずっと職員室で待っていたのだ。


「も~、別にいいわよ、あれぐらい。」奏江はそっけなく言ったが、微かに頬が赤く染まっていた。


「そうそう。友達でしょ?私たち。」千織も何でもない事のように言った。


二人のその返事にキョーコは胸の中が暖かくなり、涙が零れ落ちそうになった。


それから3人は他愛もない話をしながらLMEに向かった。


「「「おはようございます。」」」


「最上さん、昨日はごめんな。」店に着くなり、キョーコは光に謝られた。光もキョーコが、かつあげされてる現場を目撃していて、蓮に変わって警察と学校に連絡を入れていたのだ。


「外の掃除、俺が頼んだばかりに。」そう言って落ち込む光をキョーコは首を横に振ってそんな事はないと否定した。


「外の掃除も、お仕事のうちですから。手の空いていた私がするのは当然です。石橋さん、そんなにご自分を責めないで下さい。」キョーコは微笑みながらそう言った。


それでも光はすまなさそうな顔をしながらも、「そう言ってもらえたら・・・」そう言って、本来の人懐っこい笑顔を見せた。


それからキョーコは蓮に向かって深々と頭を下げた。

「あの、店長さん、昨日はご迷惑をお掛けしました。それと、色々ありがとうございます。」


「昨日のことは最上さんのせいじゃないから、そんなに気にしないで。それから父親が学校に乗り込んで行ったらしいんだけど・・・・」蓮がバツの悪そうな顔でそう言うと、


「はい。実は、一緒に住もうと申し出てくれたんです。」とキョーコはかぶりを振った。もう一つ踏み込んで聞きたい事があったのだが、周りの目があり、キョーコが躊躇していると、


そんなキョーコを見て蓮は、「奥で話をしようか?」と提案をすると、キョーコは戸惑いながらも頷いた。


「社さん、石橋さん。ちょっと最上さんと大切な話をするので、彼女たちを頼みます。」と言うと、社達は黙って了承のサインを出した。


事務室に入ると、蓮はキョーコに座るように促した。


「さて、最上さん、何から聞きたい?」蓮は単刀直入に切り出した。


「あの、”恩人”ってなんですか?」キョーコは昨日から引っ掛かっていた事を聞いた。


蓮は、「昔ね、俺と君は一度出会ってるんだよ。」蓮は懐かしそうに語りだした。


「え?」


「ある日、手にグシャグシャにしたテストを握りしめて目に一杯の涙を溜めた女の子とね、この近くの河原で出会ったんだ。」


キョーコは目を大きく見開いた。その話は今まで誰にもした事がなかったからだ。一番の親友の奏江や千織にさえ。奏江達を信頼できないと言う訳ではなく、キョーコにとって、その思い出は宝箱に仕舞って置きたいぐらいとても綺麗で大切な物だったので、誰かに話すのを躊躇っていた。


そのテストで、キョーコは100点こそ取れなかったものの、クラスで誰も解けなかった問題がキョーコだけが解けていて、学校の先生に褒められたのだ。

だから、いつも自分の方を振り向いてくれない母親の冴菜にも、褒められるのだと信じて疑わずにキョーコはそのテストを見せた。


ところが、冴菜の反応はキョーコの期待を大きく裏切ったものだった。100点でなければ意味が無いと、憎々しげな顔をして嬉々としてテストを見せるキョーコの手を振り払ったのだ。


キョーコは一人で泣ける場所を探し歩いて見つけたのが、近所に流れる川だった。そこでキョーコは整った顔立ちの年上の男の子・・・というかお兄さんと出会った。


「『お兄ちゃん、妖精の国の王子様?』って言われた時は驚いたけどね。」蓮はクスクス笑いながら思い出話を語った。


「だっ・・・て、あの時、本当に妖精の国の王子様に見えたんです。」キョーコは拗ねたようにそう答えた。


《妖精のお兄ちゃん、初めまして。私ね、キョーコって言うの。》それまで、泣いていたキョーコはキラキラした瞳で蓮を見上げた。


当時、すでに190cm近く身長があった蓮はキョーコと視線を合わせようと屈み込み、

《俺は、蓮と言うんだ。宜しくね、キョーコちゃん。》にっこり微笑んだ。


その蓮の笑顔に釣られるようにキョーコも笑顔になった。


そして、キョーコの手に握られたテストが気になった蓮は、《キョーコちゃん、それは? 》と訊ねると、たちまちキョーコはシュンとなってしまい、蓮は慌てた。


《この問題ね、クラスで私しか解けなかったんだけど、100点取れなかったの。それで、お母さんに見せよう・・・》そこでキョーコは言葉に詰まり、ふえええんと泣きだした。


泣きだしたキョーコに蓮は焦りながらも、《そのテスト見せて?》と言うと、キョーコはコクンと頷くとそれを手渡した。


《90点って、すごいね。キョーコちゃん。どれだけキョーコちゃんが勉強を頑張ってるのかこれを見るだけでも分かるよ。》


初めて出会った蓮に、冴菜に言って貰いたかった言葉を言ってもらい、キョーコはとても嬉しくなった。

その後、蓮はキョーコが間違った問題を丁寧に教えると、キョーコは先程以上に瞳をキラキラさせ、

《妖精さんは、お勉強もとっても出来るのね。学校や塾の先生よりも分かりやすかったわ。》と先程以上にニコニコ顔で蓮に語りかけた。



「泣いたり笑ったり、感情豊かなその女の子に、それまで憂鬱だった気分を払拭された気分になったよ。」


《つづく》


嘘つきペーターならぬ、嘘つきくりくりでございます。本編、今回で終わるつもりが終わりませんでした。すみません~(平謝下~。)


下書きせずに書いてるから、こういう事態をしょっちゅう引き起こしてまする~(T▽T;)


もう少しお付き合いくださいませ。


| 壁 |д・)辣腕編集者も裸足で逃げる、Mさん、いませんね。うん。ここから逃亡を図ろう。