ケ・セラセラ 2日目・夕方 時間外2 | お気楽ごくらく日記

お気楽ごくらく日記

白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

「子供に八つ当たりと責任転嫁するなんて、お里が知れるというものだよ。」

その男性はショータローと村雨の両親を睨み付けて冷ややかに言い放った。


血気が盛んな村雨の父親が「何だと?も」と怒鳴りつけようとしたところに


「ちょ・・・あ、すみません。お止めしたんですが・・・」と隣接する職員室から若い教員が飛び込んで来た。」


「ああ、大丈夫だ。私がお呼びしたのだからね。」と校長の椹が柔らかくその職員に伝えると、その職員は一礼して戻って行った。


男性は、目を丸くしているキョーコのもとに行くと、「よく一人で耐えたね。」と言って、キョーコの頭をくしゃくしゃと撫で回した。


「えっ?ど・・・・うして、敦賀グループの敦賀周平社長がこんな所に?」


「おやおや、こんなに若いお嬢さんが私のことを知ってくれているとは嬉しい限りだ。」

ショータローの両親と村雨の両親に向けていた厳しい視線を一転して、その人物は矢面に立たされていたキョーコに優しい眼差しを向けた。


「え?だって、ニュースや新聞で社長さんのご尊顔を拝見しない日はありませんし。」とキョーコが戸惑いながらもそう告げると、周平は、ますます嬉しそうな顔をした。


敦賀グループとは、IT関連や福祉、出版、エレクトロニクスなど幅広く、もっと言えば、軍事以外の事業はほぼ全て手がけている、日本が世界に誇る大企業である。


「ほうほう、中学生で新聞やニュースを見ているとは、ますます感心な事だ。」


松乃園の常連客の中には政経済界の重鎮も多くいるため、中学生ながらに手伝いをしているキョーコは、常に新聞やニュース、そして経済誌などにも常に目を通していた。


「息子がね、君の事を助けて欲しいと連絡してきてね。」


「息子…さん?」キョーコは、そんな大企業の御曹司と顔見知りだったかしら?と首を傾げていると、周平はあっさり答えた。


「息子はね、今”雑貨屋LME"の店長をしているんだ。」


「ええええええ?」驚きのあまり、キョーコは思わず大声を上げてしまい、コホンと言う咳払いで我に戻り真っ赤になりながら、ストンと座り直した。


”敦賀”なんてそうそうある苗字じゃない。少し考えれば分る事なのにとキョーコは反省した。

その一方で、大企業の御曹司が雇われてるとはいえ、なぜ街中で雑貨屋を営んでいるのだろうという疑問も付きまとった。


「訳があってね。社会勉強も兼ねて今は家を出ているんだよ。ここからが本題だ。お嬢さん、今お世話になってる松乃園を出て家に来ないかい?部屋は有り余ってるし、私も妻も、もちろん息子も君を大歓迎するよ。」パチンとウィンクして言われた言葉に、キョーコは戸惑った。


「敦賀はん!!何勝手なことを仰ってますのや。キョーコちゃんはうちにいてもらわんと困りますよって。」


「貴女が困る?おかしな事を仰る。あなたたちに気兼ねして旅館を手伝っている彼女をいいように利用してるだけでしょう。」淡々とクーは話した。

実は、蓮から電話を受けてすぐに信頼の置ける興信所に頼んでキョーコの現在の環境を短時間で探り当てていたのである。母親である冴菜のことも。


図星を指されたショータローの母親は羞恥と怒りで顔を真っ赤にさせながら、「勝手にヒトの家庭環境を調べるなんて・・・」怒りで言葉が続かないようである。


クーはそんなショータローの母親を無視し、キョーコに再度向き直り、真摯に言葉を続けた。

「今のままだと、これからも君は金銭だけじゃなく、精神的にも苦痛を味あわされ続けられるのが目に見えてるからね。それに、こんな時だと言うのに君の母親は姿を見せてもいない。それにも私は疑問を覚えるね。それに、蓮から聞いたんだが、君は昔息子を助けてくれたようだね。私たちは息子の恩人の君を助けたいと思っている。」


「最上さん、あなたが不破君の家でお手伝い以上の仕事をしていることは私たち教師も知ってることなんですよ。」そう主任の飯塚が告げると、他の教師たちも黙って頷いた。


「そのことに関しては、実は児童相談所に連絡し、しばし静観しましょうという話になっていたのよ。どうやら、貴女はお手伝いをしていると言う意識しかなかったようですからね。そこに、今日敦賀さんから連絡があって、校長の判断でここに来てもらったんです。」そう飯塚は説明した。


「君の人生を左右することだから、ゆっくり考えてみて欲しい。」周平はそう締めくくった。


キョーコが上がる頭がないぐらいお世話になっている二人に後ろ足で砂をかけるような真似をしても良いものだろうか。そう迷い悩んでいると、

それまで黙っていたショータローの父親の声がした。

「キョーコ。俺らには何も遠慮せんでもええ。敦賀さんの言う通りや。家にいたら、またあのアホンダラがお前に迷惑かけるのは目に見えとる。常にお前の側に俺らがいるのは無理な話やしな。こいつもな、今は逆切れしてヒステリックになってるけど、ほんまはお前が可愛いてたまらんのや。キョーコ、お前のためにも俺らとは距離を置いた方がええやろ。」


唇を噛んで俯いていたキョーコは顔を上げると、まっすぐに周平を見ると

「すみません。お言葉に甘えてもいいでしょうか?」と訊いたのだった。



《つづく》


多分、次で終わりです。終わらせたいなあ。後、後日談的な物が1話それで完結かな?


周平さんなら、姓は保津さんじゃないの?と言う声が聞こえてきそうですが、ここでは敦賀さんにしました。

保津姓だと、蓮とジュリさんの語呂が悪すぎるんです~。


ほづ れん・・・・・何か、保津連合組合(意味不明)の略称みたいな感じ。


ほづ くおん・・・・・そんなに違和感はありませんが、蓮を本名にしたかったので。


ジュリエナ ほづ

ジュリエナ つるが・・・どっちも似たりよったり?な感じかなあ。ジュリさんはヒズリがピッタリ来るかも。


なので、クーさんには、敦賀周平になっていただきました~。