ケ・セラセラ 3日目・2 | お気楽ごくらく日記

お気楽ごくらく日記

白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

今回も過去と現在が入り混じって、大変読みにくい回となっています。


《》は過去の会話   「」は現在の会話です。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


蓮のその言葉を聞いた時、キョーコはそう言えばと思い出した。。


蓮を初めて見た時、蓮を妖精だと思ったけれど、それもつかの間、蓮の苦しそうな顔に気付いたのだ。


普通の子供なら、恐らく気付かなかっただろう。けれど、キョーコは普通じゃなかったのだ。1年の大半を血縁関係が全くないショータローの家に預けられ、そこで疎ましく思われるのが嫌で、何より自分の居場所を確保したくて常に人の顔色を見る癖が身についてしまっていたのだ。


だから、キョーコは必死に頭を働かせ、どうしたらこの目の前の妖精を元気付けることが出来る物かと一生懸命考え、はた!と思いついた。


《妖精さん、元気を出して?一緒にこのおにぎりを食べよう?》とカバンの中からお弁当を出すと、懸命に自分で握ったおにぎりを差し出した。


最初こそ、蓮は目をまん丸くして驚いた様子だったけれど、やがて《ありがとう。》とキョーコからそれを受け取り、美味しそうに食べ始めた。


「君はね、俺の苦しそうな表情を見てお握りをくれたんだ。最初とてもびっくりしたけど、あの時、君が差し出してくれたお握り、それまで食べたどんな食べ物よりもとても美味しかったよ。」蓮は懐かしむ様に言った。


「私、あの時、元気づける方法があれしか思いつかなかったんです。常々、しっかりご飯を食べなければ、元気が出ないと思っていたもので・・・。」


「うん。確かにあの時も、君はそう言ってたよね。俺の母親は、とても独創的な味付けの料理を作る人でね。ちょっと、万人受けはしない物ばかりを作るものだから、俺も自然と少食になっていったんだ。」


「それに加えて、何かと父と比べられる事が多くてね。勉強もスポーツも父の息子なら出来て当たり前。出来なければ、”父の息子のくせに”と陰口を叩かれてね。だから次第に、息が上手く出来なくなっていったんだ。そんな時なんだよ。君に出会ったのは。俺よりもずっと年下なのに、我慢強くて、何事にも一生懸命な君を見ていると、自分の器の小ささに歯痒い思いもしたけれど。

何より、君は知らなかった事もあるんだろうけど、俺の事を”敦賀グループの御曹司”と言う目で見なかった。それがどれ程、、俺の事を勇気づけたか知らないだろう?

岐路に立たされた時、君と過ごした時間がさり気なく俺の背中を押してくれて、俺は迷わず進みたい方向に進むことが出来たんだ。」


キョーコは蓮から思いもよらぬ告白をされて言葉も出なかった。自分にとってもあの大切な思い出は、目の前のこの人物にとっても同じように大切な物だと聞かされて、キョーコは何だか嬉しくなってしまった。


「残念なことに、君と出会って間もなく俺は留学のために渡米してしまったんだけどね。それでも、君との思い出を忘れた事は片時もなかったよ。

最上キョーコちゃん。あの時は、君が俺を助けてくれたんだ。だから、今度は俺に君を助けさせて?」

蓮が真剣な表情でそう告げると、



「はい。よろしくお願いしますね?じゃあ、店長さんとは兄妹ですね。」キョーコは恥ずかしそうにしながらもそう言った。


「うん。俺も今住んでるマンションを引き払って、家に戻るからね。」


「はい。えっと、呼び方は、お兄ちゃん?蓮お兄ちゃん?」キョーコが上目遣いでそう言うと、蓮はテーブルの下で両の手を強く握りしめ、無表情になった。


キョーコはこの時、蓮の機嫌を悪くするような事を何か言ったのかもと内心ヒヤヒヤしていた。

真実が明らかになるのは、もう少しのお話。


《つづく》


どんだけ、引っ張れば気が済むんだ、私m(_ _ )m


キョーコに上目遣いで「蓮お兄ちゃん。」と言われた日には、蓮のなけなしの理性のヒモがブチ切れると思うんですが・・・


兄から恋人に昇格するまでの道のりは果てしなく遠いぞよ、蓮さん。(書いた自分が言うな!!)


お次は、ショータロー凹凹話です。