ケ・セラセラ 2日目・午後14:00・中編 | お気楽ごくらく日記

お気楽ごくらく日記

白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

完全パラレルです~。ロリ○ン蓮さんは、嫌だ~と言う方は、Uターンお願いします。


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


奏江たちが蓮達にキョーコとショータローの関係を説明してる時、キョーコは鼻歌を歌いながら駐車場を掃除していた。


その様子を二人の男子中学生が良からぬ企みを秘めた目で、隠れて伺っていた。


そしてさらに、蓮がそんな3人の様子を影から見ていた。


キョーコが掃いていると柔らかくて温かい感触をふくらはぎに感じ、下を向くと一匹の白い猫がキョーコの足に擦り寄って来ていた。


「わぁ、可愛い。」掃除をいったん中断して、猫を撫でようとすると、猫は”ニャア~”と鳴いてするりと逃げた。

一定の距離を開けてその猫とキョーコは見つめあった。


(あっ!!掃除!)自分が今何をしていたのかを思い出したキョーコは側の壁に立てかけてあった箒を手に取ろうとした時、再び猫が近寄ってきて、今度はキョーコに大人しく頭を撫でられていた。


しばらく猫と戯れたキョーコは、「バイバイ。またね。」と声をかけて、掃除を再開しようとした時だった。背後で、プッと噴出す声が聞こえたかと思うと、「ネコ相手に、何喋ってんだよ、恥ずかしい奴!!」


その聞き慣れた声にキョーコは笑顔で、「ショーちゃん!!ショーちゃんも外の仕事なの?」と訊いたが、相手はそれには答えなかった。


「丁度いいや。キョーコ、お前、金貸せ。」


「えっ?ショーちゃん、そんな事言って、この前も問題集を買うからお金を貸せって言ってきたでしょ?私もう、お金ないよ?」困ったようにキョーコは断ったが、相手は質が悪かった。


「あああ?俺の言う事に逆らう気かよ?今日は、村雨(コイツ)と参考書を選びに行くんだからよ。」参考書を買う気なんぞ、さらさらなさそうな口調で、そう嘯いた。


「そんなことだったら、家に帰って女将さんから貰ったらいいじゃない。」キョーコは正論を吐いたが、そんなことが通用する人間ではなかった。


「なあ、そんな固い事、言わずに頼むよ、最上ちゃん。参考書買いに行こうぜって、言ったの、ついさっきなんだよ。」松太郎の後ろからもう一人の男子中学生も、一緒になって、キョーコにたかり始めた。


「村雨君。でも・・・・・・本当にもう今月のお小遣いもう無いの。」困ったようにキョーコは訴えた。


「じゃあ、貯金を下ろしゃいいじゃん!!」どこまでも、相手の事を慮る事のないショータローは完全にキョーコから金を巻き上げることしか頭にない様である。


「でも」と尚も渋るキョーコに、短気なショーは切れた。


「お前は四の五のいわ・・・ってえ」、キョーコの手首を掴もうとその瞬間、そこに突然入ってきた闖入者に腕を捻り上げられた。


「ってええな!!おっさん、何しやがる!!」ショータローは噛み付いたが、


「女の子一人に、男が二人がかりでカツアゲして、恥ずかしくないのか!!」と一喝されてしまった。


「て・・・んちょうさん」突然現れた蓮に目を白黒しているキョーコに、


「最上さん大丈夫?」蓮はキョーコを背中に庇いながら優しく尋ねた。


コクリとキョーコが頷いたのを確認してから、蓮は再びショータローたちに向き合った。


「いいんだよ!!コイツは俺の物なんだから、どうしようが、おっさん、あんたには関係ねえんだよ!!」


「最上さんが君の物?バカバカしい。最上さんは最上さん自身の物だ。他の誰でもなくな。」


口調は淡々としていたが、蓮の纏う静かな怒りのオーラにショータローと普段はヤンキーで近隣の荒れてる中学生からも恐れられている村雨は圧倒されていた。そこへ、


「おい!!中坊ども!!いつまでタオルの洗濯に時間かかってんだ!!」と第三者の声が聞こえてきた。


「黒崎さん。」蓮が声を上げた。


「今のは、俺も一部始終見てたからな。もう学校に連絡済みだ。」そう言って、ショータローたちが行ってる美容室のオーナー兼美容師の黒崎潮が姿を現した。


鋭い眼光といい、容姿は美容師と言うよりもチンピラのような風貌である。


その後も、何とかしようとショータロー達は悪足掻きを試みたが、到底大人には敵わなかった。


しばらくすると、1台の車が駐車場に止まり、ジャージ姿の男が降りてきた。その人物を見て、「「ゲッ!!」」と心底嫌そうな顔をショータロー達がしたのを蓮は見逃さなかった。


「うちの悪たれ共が大変ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。美園中学の生徒指導をしております安南と申します。」蓮と黒崎に、その教師は深々と頭を下げた。


そして、つかつかショータローたちに近寄ると、情け容赦なく拳骨を二人に見舞った。


「「痛ってぇ。何すんだよ!!体罰じゃねえか!!」」二人揃って同じ言葉を吐き出したが、その教師は一向に気にも止めなかった。


「体罰?お前らみたいなのは一回位痛い目を見たらいいんだ。今のが体罰なら、お前らがさっき、最上にしてたのは恐喝だろうが。」そこまで言った時、もう一人車から降りてきた。


「ああ、新開先生。すみませんな。時間がかかって。」


「いえ、いいですよ。これから、二人を警察に突き出すのに安南先生お一人では大変でしょうからね。」


新開と言う教師がさらりと言った言葉にショータローと村雨は顔を真っ青にした。それに気付いた新開が、


「なんだ?中学生だったら、警察に突き出されることはないと思ってたのか?ふざけるな!!」そう言って、暴れるショータローと村雨を無理やり車に乗せると、今度はキョーコの方を振り返ると、


「そういうことだから、最上さんも一緒に警察に来てくれるかな?事情聴取に。」


安南と新開が車に乗り込む前、黒崎と蓮は、証拠品として自分たちのスマホを預けた。二人共、スマホに今のやり取りを録音したり、録画したりしていたのだ。


そして、キョーコは蓮の車で警察に向かうことになった。


《つづく》


黒崎氏を教師にするかどうかでギリギリまで悩みました。不良たちに恐れられてる、生徒指導教諭。ピッタリなんですけどねえ。

諦めたのは、黒崎氏をそこに据えた時、担当する教科が思いつかなかったからです。


安南氏は、なんとなく体育教師が似合ってる感じがしたので、二人の立ち位置をチェンジしました。


くりくりが今現在使ってるのはフツーの携帯なので、スマホの機能、今一よく分かってません。


数年前、職場の近くの美容室に女子中学生が職業体験学習に来てましたが、暇そうに日がな一日外の洗濯機で洗濯してました。


で、同僚と、「確かに美容室だと、中学生が出来ることって、あまりないよね。お客さんが帰った後、散らばった髪の毛を掃除するのとタオルを洗濯するくらいしか。」と話したのを覚えたます。


それ以降、その美容室に生徒が来た気配はありません(^o^;)