前回に引き続き、2019年度のネイチャー18号目のハイライトより。
今回は、『神経科学：「クラブドラッグ」で社会的臨界期が再開する』についてです。
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神経科学：「クラブドラッグ」で社会的臨界期が再開する
Nature 569, 7754
2019年5月2日
特定の神経回路の発達には重要な発生上の時間枠があり、これを調節する機構を探るこれまでの研究のほとんどは、感覚系に焦点を合わせてきたが、いわゆる「臨界期」は社会的行動でも存在する。今回G Dölenたちは、マウスにおいて社会的報酬学習に重要な臨界期の維持を特定し、その特徴付けを行った。これには側坐核でのオキシトシン受容体シグナル伝達が関与している。この臨界期は発達中に終了してしまうが、成体マウスにクラブドラッグのMDMAを１回投与するだけで再開させることができる。MDMAはオキシトシン受容体シグナル伝達を漸増させて、この回路の可塑性を誘発した。
LETTER p.116
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本論文は、日本語版本誌では「神経科学：MDMAによる社会的報酬学習臨界期のオキシトシン依存的再開」と題されています。
直訳しますと・・・
MDMAによる社会的報酬学習臨界期のオキシトシン依存性の再開
となり、Abstractを直訳しますと・・・
臨界期とは、適切な回路構成と学習に必要な特定の環境刺激に対して神経系が明確に敏感になる発達期です。臨界期の機構的特徴付けにより、発達初期における豊富な脳の可塑性と、脳が成熟するにつれてこれらのメカニズムに課せられる制約の重要な役割が明らかになりました[1]。病気の状態では、臨界期の閉鎖により、最適な状態が回復した場合でも、脳の適応能力が制限されます。したがって、重要な期間を再開する操作の識別は、翻訳神経科学の優先事項となっています[2]。ここでは、側坐核におけるオキシトシン媒介シナプス可塑性（長期抑制）の発達調節が、社会的報酬学習の臨界期を確立するという証拠を提供します。さらに、(+/-)-3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン (MDMA) の単回投与が、社会的報酬学習の臨界期を再開し、オキシトシン依存性長期うつ病の化生アップレギュレーションにつながることを示しています。この臨界期の MDMA 誘発性再開には、側坐核のオキシトシン受容体の活性化が必要であり、側坐核のオキシトシン末端の刺激によって再現されます。これらの調査結果は、社会的障害によって特徴付けられる神経発達疾患や、社会的影響に反応する、または社会的損傷の結果である障害の病因を理解する上で重要な意味を持ちます[3]。
となります。
フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。
Full Text：LETTER p.116
Oxytocin-dependent reopening of a social reward learning critical period with MDMA
Data availabilityによりますと・・・
pAAV-CAG-FonChronos-TdTomato コンストラクトは Addgene に寄託されています (アクセッション番号 105834)。オキシトシン 2A-Flp 最適化ノックイン マウス、およびデータ セットは、要求に応じて対応する著者から入手できます。
Acknowledgementsによりますと・・・
Dölen 研究室のメンバーである I. Wickersham と J. Cohen のコメントに感謝し、M. Pucak と NINDS Multiphoton Imaging Core (国立衛生研究所の助成金 NS050274 によってサポートされています) の取得と共焦点画像の解釈の支援に感謝します。 OT-NP 抗体は、H. Gainer から贈られたものです。 MDMA は、国立薬物乱用研究所 (NIDA) と R. Doblin、サイケデリック研究のための学際的協会 (MAPS) からの贈り物でした。この作品は、Kinship Foundation、Hartwell Foundation、Klingenstein-Simons Foundation、および NIH 5 R56 MH115177-0 (G.D.) およびニューヨーク幹細胞財団-Robertson Award、NIH Director's Pioneer Award 1DP1NS087724 および NIH 1R01NS075421 (E.B. ）。
究極に溜まりに溜まりまくっているネイチャー。次回は、『発生生物学：腸を復活させる』を取り上げます。あまりに溜まりに溜まりまくっているので、今後は余裕がある時に取り上げるようにします。
※体調を確保しながらなので、更新等が滞ることもあるかと思いますので、申し訳ないと思っております。主治医の指示に従っておりますので、ご安心くださいませ。まずは取り急ぎに取り上げます。
※政宗（いぬのきもち・ねこのきもちのデータベース）については、体調をみながら随時、最終更新日から取り上げています。癒し＆知識の増強にお役立てくださいませ。
※主治医の指示に従って、休むべき時は休んでおりますが、取り急ぎの取り上げです。情報収集もありますので、次回の更新も大変遅れるかもしれません。巡回等が大変遅れておりますが申し訳ございません。
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※現在、新居への諸々のごたごたと、我が家のニャンコのゴンの治療や、私の持病と耳瘻孔の治療や通院でブログ活動が停滞しております。ご心配をおかけしておりすみません。治療に今しばらく時間がかかると思います。申し訳ございません。
※現在元保護ニャンコのゴンの体調悪化の通院処方箋投与等看病あって重複しておりますので活動が停滞しております。
現在は活動しにくい状況ですのでお許しくださいませ。