前回に引き続き、2019年度のネイチャー18号目のハイライトより。
今回は、『材料科学：高温で強いバルク金属ガラス』についてです。
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材料科学：高温で強いバルク金属ガラス
Nature 569, 7754
2019年5月2日
今回、高温で高い強度が維持されるとともに、熱的ガラス形成能も高い新しいバルク金属ガラス群が報告されている。このバルク金属ガラス群は、単純で迅速なコンビナトリアル手法を用い、組成ライブラリー全体にわたって電気抵抗をマッピングし、ガラス形成能と抵抗率を相関付けることによって特定された。得られた新材料群は、高いガラス転移温度、耐酸化性、機械的特性を生かして、高温や過酷な環境条件下で使用する微小な歯車などの小型部品に用いられる可能性がある。
LETTER p.99
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本論文は、日本語版本誌では「材料科学：コンビナトリアル手法によって開発された高温バルク金属ガラス
」と題されています。
直訳しますと・・・
コンビナトリアル手法により開発された高温バルク金属ガラス
となり、Abstractを直訳しますと・・・
1960 年の発見以来 (1)、さまざまな元素に基づいた金属ガラスが開発されてきました(2)。しかし、ガラス形成組成の理論的予測は困難であり、特定の特性を持つ合金の発見は、これまで主に試行錯誤の結果でした(3,4,5,6,7,8)。バルク金属ガラスは、従来の構造用合金を超える強度と弾性を示すことができます(9,10,11)が、これらのガラスの機械的特性はガラス転移温度に大きく依存します。ガラス転移に近づく温度では、バルクの金属ガラスは塑性流動を受け、準静的強度が大幅に低下します。ガラス転移温度が 1,000 ケルビンを超えるバルク金属ガラスが開発されましたが、過冷却液体領域 (ガラス転移温度と結晶化温度の間) が狭く、熱可塑性成形性がほとんどないため、実用性が制限されます。ここでは、最大 1,162 ケルビンのガラス転移温度と、ほとんどの既存の金属ガラスよりも広い 136 ケルビンの過冷却液体領域を持つ、イリジウム/ニッケル/タンタル金属ガラス (およびホウ素を含むその他のガラス) の設計について報告します(12)。当社の Ir–Ni–Ta–(B) ガラスは、既存の合金と比較して高温で高い強度を示します: 1,000 ケルビンで 3.7 ギガパスカル(9,13)。それらのガラス形成能力は、3 mm の重要な鋳造厚さによって特徴付けられます。これは、高温または過酷な環境での用途向けの小規模コンポーネントが、熱可塑性成形によって容易に得られることを示唆しています(14)。目的の合金を特定するために、以前に報告されたガラス形成能力と電気抵抗の間の相関関係を利用して、単純化された組み合わせアプローチ (6、7、8) を使用しました。この方法は非破壊的であり、サンプルの同じライブラリーで一連の物理的特性のその後のテストを行うことができます。高強度、高温バルク金属ガラスの同定によって例示される私たちの設計および発見アプローチの実用性は、エキサイティングな特性を持つ他のガラス状合金の発見を可能にする良い前兆です。
となります。
フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。
Full Text：LETTER p.99
High-temperature bulk metallic glasses developed by combinatorial methods
Data availabilityによりますと・・・
著者は、この研究の結果を裏付けるデータが論文に含まれており、合理的な要求に応じて対応する著者から入手できることを宣言します。
究極に溜まりに溜まりまくっているネイチャー。次回は、「生命の起源：前生物的代謝回路」を取り上げます。あまりに溜まりに溜まりまくっているので、今後は余裕がある時に取り上げるようにします。
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※政宗（いぬのきもち・ねこのきもちのデータベース）については、体調をみながら随時、最終更新日から取り上げています。癒し＆知識の増強にお役立てくださいませ。
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