免疫学:SIXファミリーのタンパク質は、炎症とアポトーシスで非カノニカルNF-κB経路の活性化を | Just One of Those Things

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前回に引き続き、2019年度の15号目のネイチャーのハイライトより。
 

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免疫学:SIXファミリーのタンパク質は、炎症とアポトーシスで非カノニカルNF-κB経路の活性化を抑制する
Nature 568, 7751
2019年4月11日


非カノニカルNF-κB経路は、二次リンパ器官の発達、リンパ球の機能や病原体感染に対する免疫に必要とされ、また、さまざまながんで、NF-κBを標的とする化学療法が引き起こす細胞死にも重要な役割を果たしている。しかしその重要性にもかかわらず、免疫や細胞死における非カノニカルNF-κBシグナル伝達を調節する分子機序は明らかになっていなかった。今回N Altoたちは、非カノニカルNF-κB経路の活性化に重要なキナーゼNIKによって、転写調節因子のSIX(sine oculus homeobox)ファミリーに属するSIX1とSIX2が再活性化されると、NF-κBのプロモーターへのRNAポリメラーゼの誘引が阻害されて非カノニカルNF-κB遺伝子の発現が抑制されることを明らかにしている。従って、これらは負のフィードバック調節因子として働いていることになる。NIK–SIXシグナル伝達軸の存在が突き止められ、それが生理的条件下と病的状態の両方で炎症関連遺伝子や細胞死関連遺伝子の発現の微調整に果たす役割が解明されたことは、免疫学、微生物学、シグナル伝達やがんの研究者たちの関心を集めそうだ。


LETTER p.249

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本論文においては、日本語版本誌では、「免疫学:NIK–SIXシグナル伝達軸は非カノニカルなNF-κBを標的として抑制することにより炎症を制御する」と題されています。

 

フルテキストを直訳しますと・・・

 

NIK–SIXシグナル伝達軸は、非カノニカルNF-κBの標的サイレンシングによって炎症を制御します
 

となり、Abstractを直訳しますと・・・

 

非標準的なNF-κBシグナル伝達カスケードは、哺乳類のリンパ系器官形成、B細胞の成熟、破骨細胞の分化、および炎症に不可欠です[1,2]。このシステムの機能不全は、免疫障害や癌などの人間の病気に関連しています[3,4,5,6]。 NF-κB誘導キナーゼ(NIK、MAP3K14としても知られる)の発現は、非標準的なNF-κB経路の活性化における律速段階です[2,7]が、転写応答が調節されるメカニズムはほとんどわかっていません。ここでは、正弦波ホメオボックス(SIX)ホモログファミリー転写因子SIX1およびSIX2が非標準的なNF-κBシグナル伝達カスケードの不可欠なコンポーネントであることを示します。発達的に沈黙したSIXタンパク質は、ユビキチンプロテアソーム経路のNIKを介した抑制によって分化したマクロファージで再活性化されます。その結果、SIX1とSIX2は炎症性遺伝子プロモーターのサブセットを標的とし、負のフィードバック回路で転写因子RELAとRELBのトランス活性化機能を直接阻害します。宿主免疫におけるSIXタンパク質の生理学的に極めて重要な役割をサポートするために、ヒトSIX1導入遺伝子は炎症を抑制し、エンドトキシンショックからのマウスの回復を促進しました。さらに、SIX1およびSIX2は、RAS / P53駆動の非小細胞肺癌をSMAC模倣化学療法剤(非標準的なNF-κB経路の小分子活性化因子)によって誘発される炎症性細胞死から保護しました。私たちの調査結果は、生理学的および病理学的条件下で炎症性遺伝子発現プログラムを微調整するNIK–SIXシグナル伝達軸を特定します。
 

となります。

 

フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。

 

Full Text:LETTER p.249

A NIK–SIX signalling axis controls inflammation by targeted silencing of non-canonical NF-κB

 

Data availabilityによりますと・・・

 

調査結果を裏付けるこの調査中に生成されたすべてのデータは、原稿またはそのソースデータと補足情報に含まれています。すべての資料は、合理的な要求に応じて著者から入手できます。図4fおよび拡張データ図4fに関連するRNA-seqデータ。 2b、4gはNCBIのGene Expression Omnibus(GEO)に寄託されています(アクセッションコード:GSE126535)
 

 

2019年度の15号目のネイチャーのハイライトはこれにてすべて取り上げました。次回より16号目に入ります。

 

究極に溜まりに溜まっているネイチャー。本来なら本数を多く上げないといけないのですが、検討中です。次回は、「Cover Story:時間を巻き戻す:死後4時間たった脳で細胞機能が回復」を取り上げます。
 

※体調を確保しながらなので、更新等が滞ることもあるかと思いますので、申し訳ないと思っております。主治医の指示に従っておりますので、ご安心くださいませ。まずは取り急ぎに取り上げます。

政宗(いぬのきもち・ねこのきもちのデータベース)つついては、体調をみながら随時、最終更新日から取り上げています。癒し&知識の増強にお役立てくださいませ。