植物科学:オーキシンシグナル伝達の新たな層 | Just One of Those Things

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前回に引き続き、2019年度の15号目のネイチャーのハイライトより。
 

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植物科学:オーキシンシグナル伝達の新たな層
Nature 568, 7751
2019年4月11日


オーキシンは植物の成長や発生に関わる典型的なホルモンであり、細胞間でのオーキシン濃度の差異が、発生の結果に違いをもたらす。TIR1/AFB受容体に基づく経路を介したオーキシンシグナル伝達はよく調べられているが、T Xuたちは今回、それと並行に働く新たなオーキシン応答経路について報告している。彼らは茎の発生を調べ、植物の頂端フックにおいて、高レベルのオーキシンが細胞表面でTMK1と呼ばれる受容体様キナーゼの切断をもたらすことを発見した。切り離されたTMK1のカルボキシ末端は、細胞質ゾルを通って核に移行し、そこで2つの非カノニカルなオーキシン応答性転写抑制因子であるIAA32とIAA34をリン酸化する。意外にも、これらの抑制因子は安定化され、その結果として成長の阻害が引き起こされた。彼らは、TMK1シグナル伝達経路とTIR1/AFBシグナル伝達経路が並行して働くことで、細胞オーキシン濃度の違いを明確に解釈することが可能になり、複雑な発生結果が生じると考えている。


LETTER p.240
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本論文においては、日本語版本誌では、「植物科学:TMK1を介したオーキシンシグナル伝達は頂端フックでの偏差成長を調節する」と題されています。

 

直訳しますと・・・

 

TMK1を介したオーキシンシグナル伝達は、頂端フックの異なる成長を調節します
 

となり、Abstractを直訳しますと・・・

 

植物ホルモンのオーキシンは、植物の成長と発達のほぼすべての側面で重要な役割を果たしています。オーキシンの濃度は組織によって異なり、異なる発達の結果を仲介し、オーキシンの機能的多様性に貢献します。ただし、これらの活動の根底にあるメカニズムはよくわかっていません。ここでは、輸送阻害剤応答1(TIR1)および他のオーキシン受容体F-box(AFB)ファミリータンパク質(TIR1 / AFB受容体)[1,2]に基づいて、標準的なオーキシン経路と並行して作用するオーキシンシグナル伝達メカニズムを特定します。頂端フック発達中の異なる成長を媒介する細胞オーキシンのレベル。このシグナル伝達メカニズムは、頂端フックの凹面側で機能し、膜貫通型キナーゼ1(TMK1)のオーキシンを介したC末端切断を伴います。 TMK1の細胞質ゾルおよび核に移行したC末端は、オーキシンまたはインドール-3-酢酸(Aux / IAA)ファミリーの2つの非標準的な転写リプレッサー(IAA32およびIAA34)と特異的に相互作用してリン酸化し、それによってARF転写因子を調節します。カノニカル経路におけるAux / IAA転写リプレッサーの分解とは対照的に、新たに同定されたメカニズムは、非カノニカルIAA32およびIAA34転写リプレッサーを安定化して、遺伝子発現を調節し、最終的に成長を阻害します。オーキシン-TMK1シグナル伝達経路は細胞表面で発生し、高レベルのオーキシンによってトリガーされ、TIR1 / AFBシグナル伝達経路と部分的に重複する転写因子のセットを共有します。これにより、細胞オーキシンのさまざまな濃度の明確な解釈が可能になり、したがって、この用途の広いシグナル伝達分子が複雑な発生結果を仲介できるようになります。
 

となります。

 

フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。

 

Full Text:LETTER p.240

TMK1-mediated auxin signalling regulates differential growth of the apical hook

 

Data availabilityによりますと・・・

 

この研究の結果を裏付けるデータは、論文とその補足情報に記載されています。図3c、dに関連するRNAシーケンスの生データは、Gene ExpressionOmnibusでアクセッション番号GSE111716で入手できます。図1および2のソースデータ(ゲルおよびグラフ)。 1、3、4および拡張データ図。 1–6、8–10が紙に付属しています。
 

 

究極に溜まりに溜まりまくっているネイチャー、次回は、「ウイルス学:HIV-1感染が寛解した第2の症例」を取り上げます。

 

 

前記事に新型コロナウイルスの変異株についての論文を追記で取り上げていますので、ご参考程度にご覧くださいませ。

 

※現在耳鼻科の方はだいぶ回復していたのですが、今度はニャンコの方の左手の膿の治療が思わしくない状態で様子見していたのが回復し、私の方がうっかりと綿棒で耳が悪化してしまいました。共に通院をしており、医師に従って治療に専念しています。今度は主人がダウンしてしまいました。

※体調を確保しながらなので、更新等が滞ることもあるかと思いますので、申し訳ないと思っております。主治医の指示に従っておりますので、ご安心くださいませ。まずは取り急ぎに取り上げます。

政宗(いぬのきもち・ねこのきもちのデータベース)つついては、体調を観ながら随時、最終更新日から取り上げています。癒し&知識の増強にお役立てくださいませ。