免疫学:繊維化を指揮する | Just One of Those Things

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前回に引き続き、2019年度の8号目のネイチャーのハイライトより。
 

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免疫学:繊維化を指揮する
Nature 566, 7744
2019年2月21日

繊維芽細胞は、炎症の促進と繊維化の促進という、機能的に相反する2つの作用を持つ。今回A Rammingたちは、繊維化促進応答を統合する転写因子を明らかにしている。彼らは、ETSファミリーに属する転写因子PU.1が、繊維化を促進する繊維芽細胞では発現が増加しているが、休止状態や炎症性の繊維芽細胞では発現されていないことを示した。さらに、複数の疾患モデルでPU.1を阻害すると、繊維化促進性の繊維芽細胞が休止状態へと再プログラム化されて繊維症が改善することも分かった。

Article p.344
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Fibroblast - Wikipedia(英文)
 
本論文においては、日本語版本誌においては、「免疫学:PU.1が繊維芽細胞の二極化と組織の繊維化を制御する」と題されています。
 
フルテキストを直訳しますと・・・
 
PU.1は線維芽細胞の分極と組織線維化を制御します
 
となり、Abstractを直訳しますと・・・
 
線維芽細胞は、臓器の形態形成、組織の恒常性および免疫応答において多面的な役割を持つ多型細胞です。線維性疾患では、線維芽細胞は豊富な量の細胞外マトリックスを合成し、瘢痕化と臓器不全を引き起こします。対照的に、関節炎における線維芽細胞の顕著な特徴は、メタロプロテイナーゼおよび分解酵素の放出、およびその後の組織破壊のための細胞外マトリックスの分解です。これらの機能的に対立する線維芽細胞の線維化促進および炎症誘発性の表現型を駆動するメカニズムは不明のままです。ここでは、転写因子PU.1をpro-fibrotic遺伝子発現プログラムの必須調節因子として特定します。通常PU.1の発現を制御する転写メカニズムと転写後メカニズムの相互作用は、さまざまな線維性疾患で混乱し、PU.1の上方制御、線維症関連遺伝子セットの誘導、細胞外マトリックスの表現型スイッチを引き起こします。線維化促進性線維芽細胞の産生。対照的に、PU.1の薬理学的および遺伝的不活性化は、線維性ネットワークを破壊し、線維性線維芽細胞の休止線維芽細胞への再プログラミングを可能にし、いくつかの器官の線維症の退行をもたらします。
 
となります。
 
フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。
 
Full Text:Article p.344
 
Data availabilityによりますと・・・
 
この研究で使用されたRNA-seqデータは、Gene Expression Omnibus(GEO)に登録番号GSE122334で登録されています。 ChIP-seq実験のシーケンスデータは、BioProject PRJNA480591の下にある国立生物工学情報センター(NCBI)データベースに提出されています。プロジェクトには、SUB4300598、SUB4300595、SUB4300592、SUB4300591、SUB4300589、SUB4300587、SUB4300586、SUB4300583、およびSUB4300579のバイオサンプルが含まれています。 FASTQデータは、アクセッション番号SRP168244でNCBI Sequence Read Archive(SRA)にアップロードされました。
 
Change historyによれば・・・
 
2019年3月27日図のソースデータファイルは元々間違った順序で公開されていましたが、現在修正されています。
 
 
究極に溜まりに溜まったネイチャー。次回は、「惑星科学:海王星の新たな内衛星ヒッポカンプ」を取り上げます。
 
 
※我が家のにゃんこや主人が風邪で風邪をこじらせているためのお世話等で、巡回等が大変遅れるかもしれません。その時は申し訳ございません。
 
 
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