「ハイパーカミオカンデ」建設へ概算要求 文部科学省 | Just One of Those Things

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文部科学省は、ノーベル賞につながる成果をあげた素粒子観測施設「スーパーカミオカンデ」の後継となる、次世代の施設「ハイパーカミオカンデ」を新たに岐阜県に建設する方針を固め、来年度予算の概算要求に、検出器の開発費など十数億円を盛り込むことを決めました。
 

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「ハイパーカミオカンデ」建設へ概算要求 文部科学省
2019年8月21日 12時15分 NHK
 
©NHK

文部科学省は、ノーベル賞につながる成果をあげた素粒子観測施設「スーパーカミオカンデ」の後継となる、次世代の施設「ハイパーカミオカンデ」を新たに岐阜県に建設する方針を固め、来年度予算の概算要求に、検出器の開発費など十数億円を盛り込むことを決めました。

「ハイパーカミオカンデ」は、「宇宙ニュートリノ」の一種の観測に世界で初めて成功した「カミオカンデ」と、「ニュートリノ振動」と呼ばれる現象を初めて捉えた「スーパーカミオカンデ」という、2度のノーベル賞につながった観測施設の後継となる施設です。
 
岐阜県飛騨市の地下650メートルに、直径70メートル余り、深さ60メートルの巨大な水槽を作り、高感度の検出器で宇宙から来る素粒子の一種であるニュートリノなどを観測する計画です。
 
建設費の総額は670億円余りと見積もられていて、今年度は建設の意義などを検討する調査費が計上されていましたが、文部科学省は来年度から計画に着手する方針を固め、新たな検出器の開発や製造費用など十数億円を来年度予算の概算要求に盛り込むことを決めました。
 
本格的な稼働の目標は2020年代の後半で、ニュートリノの反対の性質をもつ反ニュートリノや、原子核を構成する陽子が壊れる現象である陽子崩壊などの観測により、宇宙が誕生した謎に迫る高い成果が期待されています。

■ハイパーカミオカンデに期待される成果

「ハイパーカミオカンデ」は、小柴昌俊さんがノーベル賞を受賞した「宇宙ニュートリノ」の一種の観測に世界で初めて成功した「カミオカンデ」と、梶田隆章さんがノーベル賞を受賞した「ニュートリノ振動」と呼ばれる現象を初めて観測した「スーパーカミオカンデ」に続く施設です。
 
「ハイパーカミオカンデ」は、岐阜県飛騨市神岡町にある山の地下650メートルに設置され、施設は、直径74メートル、深さ60メートルと巨大な水槽に、高感度の検出器をおよそ4万個を設置して、「ニュートリノ」が水と反応して発生する「チェレンコフ光」と呼ばれる弱い光を検出します。
 
「ニュートリノ」は、最も基本的な粒子である素粒子の一つで、地球上の1センチ四方の狭い範囲に、太陽から、1秒間に660億個降り注いでいます。
 
しかし、直径が1ミリの1000兆分の1以下と極めて小さく、どんな物質でもすり抜けてしまうため観測が非常に困難でしたが、「カミオカンデ」と「スーパーカミオカンデ」はその難しいニュートリノ観測で高い成果をあげてきました。
 
「ハイパーカミオカンデ」では「スーパーカミオカンデ」のおよそ10倍のデータが得られるため、「ニュートリノ」とともに、「ニュートリノ」の反対の性質をもつ「反ニュートリノ」を数多く観測することで性質のわずかな違いを見つけ出し、宇宙誕生直後に物質ができた謎を解明することができる可能性があるとされています。
 
また、これまで誰も観測したことのない、原子核を構成する陽子が壊れる陽子崩壊という現象を捉えることができれば、現在の物理学の「標準理論」を超える理論とされている「大統一理論」が証明される可能性があるなど、極めて高い成果が期待されています。
 
文部科学省は来年度から計画に着手したいとしていて、2026年度の実験開始を目指しています。
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カミオカンデ - Wikipedia

スーパーカミオカンデ 公式ホームページ

実験概要:ハイパーカミオカンデ

 

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「ハイパーカミオカンデ」建設へ 素粒子ニュートリノ観測装置
2019年08月22日 06時44分 公開 IT madia
 
 文部科学省は21日、素粒子ニュートリノを捉えて宇宙誕生の謎の解明を目指す次世代観測装置「ハイパーカミオカンデ」を岐阜県飛騨市神岡町に建設する方針を固めた。来年度予算の概算要求に事業費を盛り込み、2026年度末までの完成を目指す。
 
 ハイパーカミオカンデは小柴昌俊・東京大特別栄誉教授、梶田隆章・東大宇宙線研究所所長の2度のノーベル賞受賞につながる成果を挙げた「カミオカンデ」「スーパーカミオカンデ」の後継装置で、3度目のノーベル賞が期待されている。
 
 675億円に及ぶ巨額の建設費が課題とされたが、工法の見直しなどで数十億円を削減できる見通しとなったことから、文科省はノーベル賞級の成果を狙うための費用としては適切と判断した。
 
 地下に深さ約70メートル、直径約70メートルの巨大な水槽を建設し、20年間にわたりニュートリノを観測。「CP対称性の破れ」と呼ばれる物理現象がニュートリノでも起きることを突き止め、宇宙や物質の誕生の謎を解明する計画だ。
 
 また、水槽に満たされた大量の水も観測対象で、水分子に含まれる原子核を構成する陽子が、ごくまれに崩壊する「陽子崩壊」の世界初検出も目指す。
 
 ニュートリノ研究は日本のお家芸とされてきたが、ライバルの米国チームは既に17年夏から次世代装置の建設を始めており、このままでは先を越されかねない。このため国内の研究者から早期建設を求める声が上がっていた。
 
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1908/22/news058.html
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ハイパーカミオカンデ建設へ ノーベル賞級の観測目指す
合田禄 2019年8月22日16時30分
朝日新聞デジタル
 
 二つのノーベル物理学賞につながった素粒子観測施設の後継となる「ハイパーカミオカンデ」を文部科学省が建設する方針を固め、来年度予算の概算要求に建設費を盛り込む。最も基本的な物質である陽子が壊れる現象の観測を目指す。陽子崩壊を発見すれば、ノーベル賞は確実とされる。
 
 ハイパーカミオカンデは、東京大宇宙線研究所が岐阜県飛驒市の山中に建設したカミオカンデとスーパーカミオカンデに続く3代目。巨大な水槽にスーパーカミオカンデの約5倍の26万トンの純水をため、超高感度の光センサーで、物質がぶつかったり壊れたりした痕跡を観測する。2027年の本格稼働を目指す。
 
 建設に7年間かけ、総額約650億円。このうち日本が約8割を負担し、残りは計画に参加を予定している国などが出す。文科省は昨年、今年度予算に調査費5千万円を計上していた。
 
 陽子崩壊は理論的に予言されているが、観測例はない。この世の物質が永遠でなく、いつか消えてなくなってしまう可能性を示す。このほか、素粒子のニュートリノと、その反対の性質を持つ反ニュートリノとの違いも詳しく検証する。
 
 ニュートリノ研究では、カミオカンデによる観測で02年に小柴昌俊・東大特別栄誉教授が、スーパーカミオカンデで15年に梶田隆章・東大宇宙線研所長が、それぞれノーベル物理学賞を受けた。(合田禄)
 
https://digital.asahi.com/articles/ASM8Q41NGM8QULBJ00C.html?rm=361
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ニュートリノとニュートリノ振動:ハイパーカミオカンデ

 

ニュートリノの説明は、小柴教授の説明が一番わかりやすいかと思います。かつて放送大学の講義がありましたが、DVDに落として大切に保存しています。

 

次は、究極に溜まりに溜まったネイチャーを取り上げます。

 

 

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