気付かない人は気づかないまま、その影響を受けることとなるでしょう。科学オタクの主婦が一人でこねくっております、危機管理シリーズ。地球温暖化対策データ編。
先日の「ニュース7」で報道された内容が、修正されて「NHK News Web」に国連事務総長の報道と共に上がっていたので、取り上げます。
「【追記:捏ねた】国連事務総長 サイクロン直撃の被災地で温暖化対策訴え」より。
国連事務総長「地球と人類に危険」温暖化対策の緊急性訴える
2019年7月13日 22時22分 NHK
国連のグテーレス事務総長は、サイクロンで大きな被害を受けたアフリカ南部のモザンビークを訪問して、温暖化対策の緊急性を国際社会に訴えました。その背景には、このままでは温暖化の流れが後戻りできなくなるという強い危機感があります。
スウェーデンなどの科学者のグループの発表によりますと、世界の平均気温が現在よりもおよそ1度以上高くなると北極や南極の氷や永久凍土などに閉じ込められていた二酸化炭素が大気中に大量に放出されるとしています。
■今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~| 経済産業省 資源エネルギー庁
■パリ協定の概要(仮訳) - 環境省へようこそ!(PDF)
で・・・。1℃上昇で、急速に温暖化が進み4℃に関する論文や報告されたデータが見当たりません。勿論、英文でさがしまくりました、が、ありません。発表した科学者のチーム名や名前だけでもあれば、まだ見つかる可能性が出てくるのですが・・・。
そこで、既存するデータより。
これまでの話ですが・・・。下記の論文は、ネイチャーの常連さんだった、気候変動の研究をしている中国の研究者の論文です。
Global Temperature Increase of 1 Degree Caused Sea Level Rise of 6 Meters
新しい分析では、過去300万年にわたる極氷床の融解とそれに続く海面上昇の影響を調べています。この論文は、氷床の融解、海面変動、大気中の二酸化炭素レベルの関係についての30年間の研究を要約しています。その最も驚くべき結論は、過去数回で海面が6メートル(20フィート)上昇したことです。この上昇は、わずか1?2℃の世界平均気温の上昇によって促進されました。
現在の大気中の二酸化炭素レベルは、海面が6メートル上昇した300万年前に存在すると推定されていたものと同等であることを発見するのは難しいかもしれません。
「しかし、それは永遠にかかるわけではありません。変革が今始まっていることを私たちが見ているという証拠があります。」
OSUのPeter Clarkとこの研究の他の共著者は、今日のCO2レベルは300万年前と同じであると述べ、「我々はすでにある程度の海面上昇を約束している」と結論付けた。現在、これがどの程度になるのかまだわかりません。
CO2の大気中濃度がまだ上昇しているので、我々は着実に未知の領域に向かっています。過去の予測は、大気中により多くのCO2を注ぐことによるノックオン効果を正確に予測するのに十分ではないかもしれません。海面上昇の影響が完全に及ぶまでには、何世紀、何千年もかかる場合があります。
ここで心配になるのは、これまでに経験したことがないほど氷山が枯渇することだけではなく、特に世界中の何百万人もの人々が住んでいる沿岸地域での下流への影響です。フロリダ州やルイジアナ州の一部など、米国の低地や、1,440万人の住民がいる低地に住んでいるダッカなど、海面上昇の影響を大きく受ける場所があります。東京とシンガポールも海面上昇の影響を受けやすいとされています。
「上昇する海洋の影響は、高潮、浸食および浸水のため、海面上昇の全体量よりもさらに大きい」とCarlsonは述べた。 「影響は非常に大きい可能性があります。」
4℃になると、どうなるのかについてのデータですが、いつのデータか示されていないのでいつごろのものかわかりませんが、予測されているデータが古いので、2001年あたりものもかもしれません。
Impacts of a 4°C global warming: 1. A 4°C world
4℃の地球温暖化の影響
気候変動がすべてに影響を与えることは明らかなことです。その解決策は効果的なリスク管理にあり、私たちのすべての仕事、すべての私たちの考えを保証することは、温暖化が産業革命前のレベルを4℃上回っている世界の脅威を念頭に置いて設計されています。
世界銀行グループの大統領は、その報告書の序文において非常に明確である:地球の気温が4℃上昇したことの調査結果は実に壊滅的なものである。
・沿岸都市の浸水
・食料生産のリスクが高まり、潜在的に栄養失調率が高くなる可能性があります。多くの乾燥地域はより乾燥し、湿潤地域はより濡れる。
・多くの地域、特に熱帯地方では前例のない熱波。
・多くの地域で水不足が大幅に悪化した。
・高強度の熱帯低気圧の頻度の増加。
・サンゴ礁システムを含む生物多様性の不可逆的な損失。
世界銀行は、これらのシナリオを取り巻く不確実性や、異なる学者や研究がリスクの程度について意見が一致しないことをよく認識していますが、そのようなシナリオを破棄できないという事実は現在の気候変動政策の強化を正当化するのに十分です。
これが、レポートの世界的な結論が、予測される4℃の温暖化が単に起こることを許されてはならないということであるという理由です - 熱は下げられなければなりません。それを実現できるのは、初期の、協力的な、国際的な行動だけです。
現状において研究でわかっていることは、その被害が多岐にわたることで、現在でも多岐にわたって影響が出ているので、報道を見渡すだけでもある程度予測はできるかと思います。
地球温暖化の進行で実際はどのようになるのかについては、スーパーコンピューターにできる限りのすべてのデータを入れ込んでシミュレーションしなければ、妥当な予測はできないかと思います。
今現在でもあちらこちらで異常気象や被害が出ていますが、地球温暖化が進行していく中で多方にわたり影響を出しながら、であるので、気付かない人は気づかないまま影響を受けることとなるでしょう。
一言で地球温暖化といっても、現象は流体的なものですから、世界中一律暑くなるわけではないので、気象の知識や、地球環境の循環システムなどの基礎知識がない場合、地球温暖化がどんなものか正しく理解できないのです。
深刻になって気が付いたときには、時すでに遅しでしょうが・・・。
国連事務総長といえば、気候変動への対応について、日本の途上国支援に期待しているそうです。
国連事務総長 気候変動への対応 日本の途上国支援に期待
2019年7月13日 18時40分 NHK
国連のグテーレス事務総長は来月、日本政府が国連などとともに横浜で開催するTICAD=アフリカ開発会議に出席するとしたうえで、気候変動の影響を受けやすい途上国に対する日本のさらなる支援に強い期待を表明しました。
そもそも地球環境の循環システムを担っていた森林を伐採し続けたのだから、今度は森林を作っていくしかないですね・・・。とはいえ、植物にも温暖効果の吸収力の上限があると、過去にネイチャーに報告が出ているので、多岐にわたる対策が必要になってくるかと思います。
■「パリ協定発効 日本の課題は?」(時論公論.- NHK 解説アーカイブス)
※多忙窮まりに窮まって、今からの巡回になりますので、従来の更新が遅れます。申し訳ございません。取り急ぎ1つだけ取り上げました。残りは、巡回後に・・・。