免疫学:心房性ナトリウム利尿ペプチドはサイトカイン放出症候群を防ぐ | Just One of Those Things

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前回に引き続き、2018年度の51号目のネイチャーのハイライトより。
 

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免疫学:心房性ナトリウム利尿ペプチドはサイトカイン放出症候群を防ぐ
Nature 564, 7735
2018年12月13日

サイトカイン放出症候群(CRS)は過剰活性化した免疫応答の1つで、病原体に対してだけでなく、腫瘍溶解性ウイルス・細菌や改変したT細胞などの免疫調節療法に対しても起こり、重大な毒性を生じることがある。著者たちは今回、抗炎症タンパク質の1つである心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が、腫瘍溶解性細菌やCAR-T細胞などのさまざまな治療法や敗血症により誘発されるCRSを防ぎ得ることを見いだしている。ANPは、マクロファージによるカテコールアミン合成を阻害することでCRSを防ぎ、治療の効果も損なわれないことから、この経路は免疫調節治療の有害な副作用を防ぐための治療標的候補であることが示唆される。

Letter p.273
News & Views p.194
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この論文はネイチャーのニュースにも取り上げられました。
 
日本語版本誌では、「免疫療法:アドレナリンがサイトカインストームを促進する」と題され、見出しにおいては、「体の抗腫瘍応答を高める試みは、サイトカインストームと呼ばれる有害な免疫応答の引き金になることがある。今回得られたこれに関与する機構に関する新たな知見は、この問題を防ぐのに役立つ可能性がある。」と取り上げられました。
 
フルテキストを直訳しますと・・・
 
免疫療法中にアドレナリンはサイトカインの嵐を引き起こす
 
となり、見出しを直訳しますと・・・
 
体の抗腫瘍免疫反応を促進しようとすると、サイトカインストームと呼ばれる有害な炎症反応を引き起こす可能性があります。関与するメカニズムへの新しい洞察はこの問題を防ぐのを助けるかもしれません。
 

となります。

 

フルテキストは下記です。

 

Full Text:News & Views p.194

Adrenaline fuels a cytokine storm during immunotherapy

 

本論文においては、日本語版本誌では、「免疫学:自己増幅的なカテコールアミンのループの阻止はサイトカイン放出症候群を軽減する」と題されています。

 

フルテキストを直訳しますと・・・

 

自己増幅カテコールアミンループの破壊はサイトカイン放出症候群を軽減する
 

となり、Abstractを直訳しますと・・・

 

サイトカイン放出症候群(CRS)は、癌や自己免疫疾患の治療に使用されるいくつかの新しい免疫療法の致命的な合併症です[1,2,3,4,5]。ここでは、心房性ナトリウム利尿ペプチドが循環カテコールアミンのレベルを低下させることによってそのような薬剤によって誘発されたCRSからマウスを保護することができることを報告する。カテコールアミンは、マクロファージ内の自己増幅ループを介して、腫瘍溶解性細菌およびリポ多糖から生じる免疫調節を調整することが見出された。チロシンヒドロキシラーゼの骨髄特異的欠失はこの回路を阻害した。 T細胞活性化治療剤によって誘導されるサイトカイン放出はまた、カテコールアミンサージを伴い、そしてカテコールアミン合成の阻害はインビトロおよびマウスにおけるサイトカイン放出を減少させた。メチロシンによる薬理学的カテコールアミン遮断は、感染症および腫瘍溶解性細菌、T細胞標的化抗体およびCAR-T細胞を含む様々な生物療法剤から生じる致命的なCRSの合併症からマウスを保護した。我々の研究は、治療反応を損なうことなく特定の遮断薬によって調節され得るサイトカイン放出の必須成分としてカテコールアミンを同定する。
 

となります。

 

フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。

 

Full Text:Letter p.273

Disruption of a self-amplifying catecholamine loop reduces cytokine release syndrome

 

Data availabilityによりますと・・・

 

ソースデータは、図4および5に提供される。図1a、2c、3c、4c、5bおよび拡張データ。図1a、2a、b、3a、b、5a、6a、7a、7d、9hおよび10d。この研究中に生成された残りのデータセットは、妥当な要求に応じて対応する著者から入手可能です。 C.ノビイ株のような独特の材料は、対応する著者への要求に応じて入手可能である。この研究で使用されたトランスジェニックマウスモデルおよびマウスCART構築物は、最初の出版者を通して入手可能にされている。
 

 

究極に溜まりに溜まったネイチャー。次回は、「ウイルス学:レトロウイルスDNAをサイレンシングする」を取り上げます。
 

 

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