AI 早期肺がん94%見分ける CT画像から 米研究グループ | Just One of Those Things

Just One of Those Things

Let's call the whole thing off

科学オタクの主婦が科学物のデータを集めて取り上げております、科学もの報道データ編。
 

ネイチャーの姉妹誌に発表された論文についての報道です。

 

----------------------------------------------------------
AI 早期肺がん94%見分ける CT画像から 米研究グループ
2019年5月21日 10時28分 NHK
 
 

 
AI=人工知能に、CT画像での肺がんの特徴を学習させたところ、90%を超える正確さで早期の肺がんを見分けることができたと、大手IT企業、グーグルなどの研究グループが発表し、将来、医師の診断に生かせる可能性があるとして注目されています。
 
グーグルやスタンフォード大学などの研究グループは、AIがCT画像から肺がんを見つけられるか調べた結果を20日、アメリカの医学雑誌「ネイチャー・メディシン」に発表しました。
 
研究グループはまず、4万2000枚余りの肺のCT画像を使ってAIに肺がんの特徴を学習させました。
 
そのうえで6700枚余りのCT画像をAIに解析させた結果、がんを見落とすケースやがんではないものを誤ってがんと判断するケースが少なく、早期の肺がんを94%の正確さで見つけたということです。
 
専門の医師と比べると、経過を示す複数の画像を解析した場合では同じ程度の正確さでしたが、経過がわからない1枚の画像からでは、医師よりもやや高い正確さをみせたということです。
 
肺がんは日本やアメリカなど各国で最も多くの人が亡くなるがんで、早期に正確に診断することが課題となっていて、将来この分野でAIが生かせる可能性があると注目されています。
----------------------------------------------------------

 

この論文は、最新号のハイライトに取り上げられていました。

 

----------------------------------------------------------
AIで肺がんをより早く見つける
Nature Medicine
2019年5月21日
Lung cancer identified earlier with AI
https://www.natureasia.com/ja-jp/nm/pr-highlights/12952
 
人工知能(AI)の枠組みによって、胸部CTスキャン(コンピューター断層撮影)から悪性の肺小結節を、熟練の放射線科医に匹敵するかそれ以上の精度で検出できることを報告する論文が、今週掲載される。この深層学習モデルに基づいた自動化画像評価システムができれば、肺がんの早期診断の精度が高まり、臨床介入に役立つ情報が得られる可能性がある。
 
肺がんは、米国のがん関連死の原因としては最も多く、2018年の死亡者数は推定16万人に上る。米国と欧州での大規模な臨床試験から、胸部検査によってがんを発見し、死亡率を下げられることが明らかになった。しかし、胸部検査は誤診率が高く、実施に制約があることに加え、他の臨床的要因もあり、結局、多くの肺がんは治療の難しい進行した段階で見つかることになる。
 
Daniel Tseたちの研究グループは今回、肺小結節の悪性度をヒトが関わらなくても判定できる深層学習モデルを開発し、このモデルを4万2290枚のCTスキャン画像を使って訓練した。その結果、このAIシステムにより、6716のテストケースで微小な悪性肺小結節を94%の精度で検出できることが明らかになった。以前のCT画像が得られない場合には、このモデルの方が6人の放射線科医の誰よりも成績が良く、以前の画像がある場合でも放射線科医と同等の成績だった。
 
Tseたちは、今回の知見は大規模な患者集団で臨床的に評価する必要があると注意を促しつつ、このモデルは肺がん患者の管理や予後の改善に役立つかもしれないとも述べている。
 
英語の原文
 

本論文を直訳しますと・・・

 

低線量胸部コンピュータ断層撮影における三次元深層学習を用いたエンドツーエンド肺癌スクリーニング
 

となり、Abstractを直訳しますと・・・

 

2018年には推定160,000人が死亡しているため、米国では肺がんが最も一般的ながん死亡の原因です[1]。低線量コンピューター断層撮影を使用した肺がん検診は死亡率を20〜43%低下させることが示されており、現在米国の検診ガイドラインに含まれています[1,2,3,4,5,6]。既存の課題には、学年間のバラツキ、そして高い偽陽性率と偽陰性率が含まれています[7,8,9,10]。私たちは、肺がんのリスクを予測するために、患者の現在および過去のコンピューター断層撮影のボリュームを使用するディープラーニングアルゴリズムを提案します。私たちのモデルは、6,716の全国肺がん検診試験症例で最先端の性能(曲線下面積94.4%)を達成し、1,139症例の独立した臨床検証セットで同様に実行されます。私たちは二つの読者研究を行った。以前のコンピュータ断層撮影イメージングが利用できなかったとき、我々のモデルは偽陽性で11%、偽陰性で5%の絶対減少で6人の放射線科医全員を上回った。以前のコンピュータ断層撮影画像化が利用可能であったところでは、モデル性能は同じ放射線科医と同等であった。これにより、コンピュータ支援と自動化によってスクリーニングプロセスを最適化する機会が生まれます。大多数の患者はスクリーニングされていないままであるが、我々は、世界中で肺がんスクリーニングの正確性、一貫性および採用を高めるためのディープラーニングモデルの可能性を示す。
 

となります。

 

詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。

 

Data availabilityによりますと・・・

 

この調査では、公に利用可能な3つのデータセットを使用しました。LUNA:https://luna16.grand-challenge.org/data/; LIDC:https://wiki.cancerimagingarchive.net/display/Public/LIDC-IDRI; NLST:https://biometry.nci.nih.gov/cdas/learn/nlst/images/
Northwestern Medicineのデータセットは、現在の研究のライセンスに基づいて使用されており、一般には利用できません。
 

 

次に、究極に溜まりに溜まったネイチャーを取り上げます。

 

 

ペタしてね