神経科学: 頸髄介在ニューロンは外傷後の呼吸を回復させる | Just One of Those Things

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前回に引き続き、2018年度の43号目のネイチャーのハイライトより。

 

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神経科学: 頸髄介在ニューロンは外傷後の呼吸を回復させる
Nature 562, 7727
2018年10月18日   

頸髄を損傷すると、しばしば呼吸障害を起こすが、それがなぜ起きるのか、どうしたら正常化できるのかについての神経機構は分かっていない。一群の頸髄介在ニューロンが、横隔神経運動ニューロンの調節を介して横隔神経運動出力と横隔膜機能を制御し得ることがこれまでに明らかになっており、今回M Fehlingsは、こうしたニューロン小集団を標的にすることが、外傷性損傷によって呼吸不全が起こった後に呼吸を回復させるための機能的戦略となる可能性を示している。

Letter p.419
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脊髄介在ニューロン - 脳科学辞典

ヒト頸髄介在ニューロン系への前庭入力の収束

横隔神経(おうかくしんけい)とは - コトバンク

おまけ:J-STAGE - 横隔神経運動ニューロンは糖尿病性ニューロパチーにより障害される

 

本論文においては、日本語版の本誌では「神経科学:脊髄損傷後に呼吸を支える頸髄興奮性ニューロン群」と題されています。

 

フルテキストを直訳しますと・・・

 

頸部興奮性ニューロンは脊髄損傷後に呼吸を持続する
 

となり、Abstractを直訳しますと・・・
 

機能不全呼吸は、頸髄の外傷性損傷後の罹患率と死亡率の主な原因であり[1,2]、しばしば補助換気を必要とするため、呼吸を回復するための戦略を開発する必要性を強調しています。主な吸息筋を制御する横隔神経運動ニューロンにシナプスを形成する頸部介在ニューロンは、横隔膜運動出力および横隔膜機能を調節することができる[3,4,5]。ここでは、脊髄損傷のさまざまなモデルにおける薬理遺伝学と呼吸生理学アッセイの組み合わせを使用して、我々は中部頸部興奮介在ニューロンが非外傷性頸髄損傷マウスの呼吸維持に不可欠であり、また重要外傷性脊髄損傷後の呼吸回復を促進する。これらの介在ニューロンは通常の条件下での呼吸には必要ではないが、無傷の動物におけるそれらの刺激は吸気の振幅を増強する。脊髄損傷直後に、頸部興奮性介在ニューロンの薬理遺伝学的刺激は呼吸運動機能を回復させる。全体として、我々の結果は、神経細胞亜集団を標的とすることにより中枢神経系外傷後の呼吸を回復するための戦略を実証している。

 

となります。

 

フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。

 

Full Text:Letter p.419

Cervical excitatory neurons sustain breathing after spinal cord injury

 

 

溜まりに溜まったネイチャー。次回は、「がん: マウス基底細胞がんの抵抗性機構」を取り上げます。Smoothened阻害剤に関連するものです。

 

 

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