前回に引き続き、2018年度の42号目のネイチャーのハイライトより。
天文学: ここにもあそこにも、至る所にあるライマンα放射
Nature 562, 7726
2018年10月11日
ライマンα放射は、温かいガスをなぞるように存在しており、こうしたガスは、光で見える銀河の範囲をはるかに超えて広がっている可能性がある。今回L Wisotzkiたちは、 ライマンα放射が赤方偏移3〜6に存在する銀河を取り巻いて遍在し、ほぼ全天を覆うほどであることを見いだしている。
Letter p.229
本論文においては、日本語版の本誌では「天文学:高赤方偏移の銀河周辺ではライマンα放射がほぼ全天を覆っている」と取り上げられています。
フルテキストを直訳しますと・・・
ほとんど全天は、高赤方偏移銀河の周りのライマンα放出によって覆われている
となり、Abstractを直訳しますと・・・
銀河は、銀河系間の媒体からの流入と銀河風からの流出によって供給される、大部分が水素のガスの大きな貯留層に囲まれています。輝くまれな背景クエーサーの視線に沿った吸収線測定は、この銀河系周辺の媒質が銀河に見られる星の光をはるかに超えて広がっていることを示していますが、その空間分布についてはほとんどわかっていません。 121.6ナノメートルの波長での原子状水素のLyman-α遷移は、特にスペクトル線が地上から観測できるようになる約1.6を超える宇宙論的赤方偏移で、銀河の中や周りの暖かい(約10^4ケルビン)ガスの重要なトレーサーです。ライマンα放射を介して宇宙の水素を追跡することは観測天体物理学の長年の目標でした[1,2,3]、しかし、空間的に広がった放射の極端に低い表面輝度は手ごわい障害です。高赤方偏移銀河周辺の水素からの偏在する拡張Lyman-α放出の発見によって、銀河系周辺環境への新しい窓口が最近開かれました[4,5]。このような測定は、この放出の微弱さのため、以前は特に好ましいシステム[6、7、8]、または大規模な統計平均の使用[9、10]に制限されていました。ここでは、3から6の赤方偏移で微弱銀河を囲む低表面輝度のライマンα放射の観測を報告します。我々は、投影された空の範囲が100パーセントに近づくことを見つけます。対応する入射率(任意の視線が貫通するLyman-αエミッターの平均数)は、1をはるかに超えており、遠方のクエーサーのスペクトルで頻繁に検出される高カラム密度吸収体の入射率とほぼ同じです[11,12]。 [13、14]。この類似性は、これらの赤方偏移におけるほとんどの銀河系周囲の原子状水素が現在放出物中に検出されていることを示唆している。
となります。
フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。
Full Text:Letter p.229
Nearly all the sky is covered by Lyman-α emission around high-redshift galaxies
Data availabilityを見ますと・・・
本稿で論じたHUDFの観測は、プログラムID 094.A-0289、095.A-0010、096.A-0045および096.A-の下でラ・シラパラナル天文台のヨーロッパ南天天文台(ESO)望遠鏡を使って行われました。 0045。対応するデータは、ESOアーカイブ(http://archive.eso.org/cms.html)にあります。 HDFSのデータはMUSE試運転観測中に取得されたもので、http://muse-vlt.eu/science/hdfs-v1-0/で入手できます。
とありますので、必要な方はご覧くださいませ。
究極に溜まりに溜まったネイチャー。次回は、「計算機科学: 滑空を学習する」を取り上げます。
※ブログ活動が大変遅れております。申し訳ございません。