猫のケガ・事故・病気のときの緊急対策 | Just One of Those Things

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もしものときの為の、ねこのきもち編。

 

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猫のケガ・事故・病気のときの緊急対策
2019年2月25日(月) 17:35配信 ねこのきもちWeb編集室

誤食や熱中症など内科的症状や、骨折や出血など外科的症状。またワクチンでのアレルギー反応など、愛猫に降り注ぐリスクはさまざま。愛猫が危機に面したとき飼い主さんができる応急手当てや緊急連絡先など、未然に把握して。
※重要!!  猫の状態によっては、すぐ動物病院へ連れていく必要も。まずは電話して、獣医さんの指示を仰いで。

■誤食したときの手当てのポイント
 
・何を、どれくらい食べたかを可能な限り確認
・動物病院に指示を仰ぐ
・引っ張ったり、吐かせようとしない
 
誤食したものが、猫にとって毒性のあるものかどうかにより、緊急度が異なります。何をどれくらい食べたかを可能な限り確認し、動物病院に電話をして指示を仰いで。緊急受診するか、自宅で様子を見るかの判断をしてもらいます。
 
毒性があるもの(人用の薬、殺虫・駆虫剤、ネギ類、チョコレートなど)を誤食した場合は、緊急受診を。毒性のないものの場合、便と一緒に排出されればいいですが、腸内で詰まると開腹手術が必要です。自宅で様子を見る場合も、何度も吐くなど猫の体調に異変が起きたら、すぐに電話を。
 
また、誤食したものの一部が猫の口から出ていても、その先がどこにあるか確認できない場合は、引っ張ったり、吐かせようとしたりしないで。飲食も厳禁です。受診の際は、誤食したものや残りを持参しましょう。猫が吐いている場合は、吐いたものも持参します。
 
■落下したときの手当のポイント
 
・呼吸状態や全身の状態を確認
・動かさないようにして受診を
 
猫は着地が得意なので、大ケガをすることは少ないですが、状況や環境によっては、骨折をしたり、内臓を傷つけていることもあります。落下直後、まずは出血していないか、意識はあるか、立ち上がれるか、苦しそうに呼吸をしていないか、痛がっていないかなどを確認します。少しでも異常がみられる場合は、すぐに動物病院に電話をして、受診の緊急度について指示を仰ぎましょう。何もないように見えても、その後数日間は観察して。
 
また、受診する際は、バスタオルなどにくるみ、キャリーケースに入れて。内臓が傷ついたり骨折している可能性があるので、なるべく動かさないように。ただし、猫がパニックになって暴れていたら、無理をせず落ち着くまで少し待ちましょう。
 
■こんな時は緊急受診
 
・意識がない、苦しそうに呼吸をしている… 頭や胸、内臓に大きなダメージを受けている可能性あり。
・3階以上の高さから落下した… 見えないところにダメージを受けている可能性あり。
 
■骨折したときの手当てのポイント
 
・痛がる部分に極力触らないこと
・添え木などはしない
 
痛みがある箇所を不用意に触ると、猫は興奮のため、その人に噛み付き、歯を食いしばるので危険です。猫の骨折は応急手当てというよりも、いかに痛む箇所に触らないようにして、動物病院に運ぶかがポイントになります。人の骨折の手当てで行う添え木も不要。明らかに骨折とわかる箇所以外も、触るとビクッとするところには痛みがある可能性があるので、そうした箇所は触らないようにしましょう。
 
痛がる箇所を触らないように、タオルでくるみ、キャリーケースなどに入れ、猫がその中でいちばんラクな姿勢を保てるようにして、動物病院へ。
 
(1)痛がる部分を触らないようにタオルでくるんで… 骨折箇所を動かさないようにくるむ。息ができるようにすき間をつくって。
 
(2)キャリーケースや箱などに入れて動物病院へ… 猫は耳のあたりに何かが被さっていると比較的静かなので、タオルは耳までかけて。
呼吸していないときの手当てのポイント
 
・動物病院に電話して指示を仰ぐ
 
交通事故や落下など一刻を争うときは、すぐに動物病院に電話をして指示を仰ぎながら応急処置をします。いきなり動物病院へ行って休診だったり先生が不在だったりして、処置が遅れることがないようにしましょう。
 
まず、呼吸をしているか、心臓は動いているかを確認。呼吸していないと心停止の可能性が高く、獣医さんから胸部マッサージを指示されることがあります。心停止の時間が短ければ、適切な胸部マッサージで心臓が再び動き始め、命が助かるケースが実際にあります。
 
■呼吸と心臓の動きの確認法
 
(1)おなかの上下動で呼吸を確認
(2)おなかの振動で心臓の動きを確認
 
前足の肘が当たるあたりが振動しているかを見て心臓の動きを確認。次に肋骨が終わるあたりのおなかを見たり、触ったりして呼吸を確認。

■胸部マッサージのしかた
 
(1)舌を引っ張り出し頭を反らせて気道確保… 横向きに寝かせ、手で舌を引っ張り出し、頭をやや反らせるようにして、首をのばして気道を確保。
 
(2)心臓の上に両手を重ねて押す… 1秒間に3回のペースで、3~4秒押しては呼吸が戻ったか確認。これを10~15分は続ける。押すときのコツは、下側の手の指先に力をかける感じで。また、柔らかいゴムボールを半分につぶすくらいの強さで押す。
 
また、両手で心臓を挟むように押してもOK。回数や時間は上に同じ。可能ならマッサージを行いながら動物病院へ向かって。
 
■ひどく出血したときの手当てのポイント
 
・消毒薬などは付けない
・出血がひどいときは圧迫止血を

猫同士のケンカや鉄線などに引っかけてできる傷は、出血がひどく、皮下まで達しているので、皮膚の表面に塗る消毒薬などは効果が低いようです。裂けた皮膚を重ねるようにして、指で強く押さえて止血します。できなければ、とにかく動物病院へ。また、傷をなめようとする場合は下の写真のようにエリザベスカラーを付けて。
 
・指の腹で5~10分押さえる… 指がしびれるくらいに強く押さえる。血が止まったら傷テープや粘着包帯などで留める。
・止血が難しければタオルでくるんで… 深い傷で押さえるのも難しい場合、タオルでくるんで動物病院へ。
 
■やけどしたときの手当てのポイント
 
・すぐ冷水(4~10℃)で冷やす
 
まずは動物病院に電話して指示を仰いで。猫は毛で覆われているため、やけどのダメージがどれくらい皮膚深くまで達しているかわかりづらいもの。見た目には何も異常がなくても、数日後に毛ごと皮膚が落ちることもあります。大したことがないように思えるやけどでも、よく冷やしたあとで動物病院で受診しておくと安心です。
 
■全身やけどの場合
 
皮膚に冷水が届くように毛をかき分けしばらく冷やす。暴れるなら洗濯ネットなどに入れ、冷水シャワーを当て続けたり、桶や浴槽の水に全身をつける。しばらく冷やしたら、ぬれタオルで冷やしながら動物病院へ。
 
■足先のやけどの場合
 
足先に負ったひどいやけどは治療が難しく、猫自身がなめて治りにくくなることが。治療が遅れると切断の可能性もあるデリケートな部位なので、冷やしたらすぐ動物病院を受診すること。
 
■溺れたときの手当てのポイント
 
・意識がなく水を飲んでいそうなときは気管内の水を出す
・呼吸が止まっていたら胸部マッサージ
 
浴槽などで溺れた場合、すみやかに救出して、気管内に入った水を吐き出させることが肝心です。猫を逆さにして振り、そのあと平手で背中を叩きます。たいていこれで水を吐き出します。もし呼吸が止まっているようなら、舌を引っ張って気道を確保し、胸部マッサージを行います。
 
(1)両手で腰を持って逆さにして5、6回上下に振る… 足を持って振ると脱臼の危険があるので、腰を持って振ること。
 
(2)そのあと平手で背中をパンパンと10回ほど叩く… 片手で腰を持ち、もう一方の手で背中を、続けて勢いよく強い拍手くらいに叩く。この動作を口から水が出なくなるまで繰り返す。猫に意識がなければ、自分の体にもっと近付けるように肘で抱えたほうが叩きやすい。
 
■感電したときの手当てのポイント
 
・呼吸が荒く、鼻水やよだれを垂らしていたらすぐに動物病院へ
 
家電製品のコードをかじるなど、家庭での感電は口の周りを軽くやけどする程度。とくに手当てをしなくても心配はいりません。ただし感電のショックから興奮状態となり、肺や気管内に血液中の水分があふれる肺水腫になることもあります。下のイラストのような状態が見られたら、動物病院へ連れていきましょう。
 
■呼吸が荒く、鼻水やよだれを垂らしていたら
 
感電の興奮状態に続いてぐったり座り、鼻水やよだれを垂らし、舌を出して荒い呼吸をしていたら、肺水腫の可能性が。

■車にひかれたときの手当のポイント
 
・全身を確認し、動物病院に連絡
・なるべく動かさないようにキャリーケースへ
 
どのような状態でひかれたかにもよりますが、大きなダメージを受け、命に関わる可能性があります。見た目に明らかな異変がある場合は、すぐに動物病院に電話をして緊急受診を。見た目に異変がない場合も、早めに受診しましょう。
 
事故直後、まずは飼い主さんの気持ちを落ち着かせて、猫の全身の状態(脈・呼吸・出血の程度など)をしっかり確認。動物病院に電話をかけ、なるべく詳しく伝えて指示を仰ぎます。
 
また、内臓破裂や骨折の可能性があります。動かすとさらに傷める恐れがあるので、なるべく動かさないように注意を。開口部の狭いキャリーケースしかない場合は、段ボール箱などを使って。
 
■こんな時は緊急受診
 
・意識がない… 頭や胸にダメージを受けていたり、内臓から大量に出血している可能性あり。
・苦しそうに呼吸をしている… 肺や心臓にダメージを受けていたり、ほかの内臓から大量に出血している可能性あり。
 
■けいれんを起こしたときの手当のポイント
 
・猫がケガをしないよう、周囲のものを片付ける
・可能であれば時間を計り、動画撮影を
 
けいれんは、“てんかん”のほか、肝臓病や腎臓病が原因で起こる場合もあります。けいれん中はできる限り落ち着いて猫の様子を観察し、治ったら動物病院に電話を。万一、1分以上たっても治らない場合は、緊急受診しましょう。
 
もし猫が高所でけいれんを始めたら、落ちてケガをしないように、床に下ろして。床でけいれんを始めたら、ぶつかってケガをしないように周囲のものを片付けましょう。
 
また、「けいれんが続いた時間の長さ」は、診察のうえでとても重要な情報です。でも、飼い主さんの感覚では長く感じてしまいがち。できれば時計を見て正確な時間を測って。また、スマートフォンなどで動画撮影できれば、けいれんの様子が正確に伝えられます。
 
■こんなときは緊急受診
 
・1分以上たっても治らない… けいれんが1分以上続く場合、かなり危険な状態の可能性あり。
 
■熱中症になったときの手当のポイント
 
・意識があれば部屋を涼しくし、意識がなければ体を冷やして
・体を冷やしすぎないように注意
 
熱中症は意識があるかないかによって処置の方法が変わります。猫が呼びかけに応えるか、自分の力で動けるかどうかで意識の有無を確認しましょう。猫の意識がある場合、部屋の窓を開けたりエアコンをつけたりして部屋を涼しくして。さらに濡らしたタオルを猫の体を覆うように掛け、冷たい水を飲ませましょう。それでも症状が改善されなければ動物病院へ。意識がない場合、ほとんどは命に関わるほどの危険な状態です。シャワーを使ったり保冷剤を使ったりして、とにかく猫の体を冷やして。その後動物病院に電話して指示を仰ぎましょう。
 
ただし、意識の有無を確認せずに体を冷やしすぎてしまうと、血行が悪くなり、体から熱を逃しにくくなることが。さらにひどくなると低体温症になることもあります。体を冷やす時は、必ず意識の有無を確認して。
 
■体に何かが刺さったときの手当のポイント
 
・大量に出血する恐れがあるので、無理に抜かずに受診
 
何かが体に刺さってしまった場合、抜くと同時に大量に出血する恐れがあるため、なるべく抜かないほうが安全です。長いものが刺さった場合は、ハサミなどで切れるなら、短く切ってから受診するのがベスト。
ワクチンでアレルギーが出たときの手当のポイント
 
・「変だな」と思ったらすぐに、ワクチンを打った動物病院で診てもらって
 
どの猫にアレルギーが出るかは、獣医師にもわかりません。ワクチン接種後は「もしかしたら異変が出るかも」という気持ちで猫の様子をよく観察することが大切です。素早く対応するため、ワクチンは診療終了時刻の間際ではなく、早めの時間帯に接種するのが○。
 
■舌を切ったときの手当のポイント
 
・家の中では圧迫できないので、動物病院で処置を
 
首輪が原因で、下や唇を切るケースはときどき見られます。少し切った程度なら家で様子を見てもいいですが、ある程度出血しているなら、すぐに受診を。口のケガは家では圧迫止血ができないので、動物病院で麻酔をかけて処置します。
 
■脱走したときの対処のポイント
 
(1)キャリーケース、フードなどを用意する
 
猫を安全に保護して連れ帰るために、必要なものを持参して。飼い主さんは、興奮した猫に引っかかれる恐れがあるため、長袖を着用するのがベター。
 
(2)猫が潜みがちな場所を捜す
 
外に出たことのない猫は、たいてい暗くて狭い場所(車の下・茂み・物置の下など)に潜んでじっとしているもの。猫がいつも食事をする時間帯や人通りが減る夕方以降は、猫が出て来やすくなる傾向あり。
・もし発見できなかったら…
 
●2~3時間後に捜す
●近所の人に聞いて回る
●行政機関に連絡をする
※保護された猫が一時的に収容される施設は、地域によって異なるので確認しましょう。
 
(3)猫を見つけたら安全に保護する
 
脱走した猫は精神的に不安定です。飼い主さんとはいえ、大声を出したり急いで駆け寄ると、恐怖心から逃げることも。猫を追いかけたりせずに、フードでおびき寄せてからバスタオルをかぶせて捕獲し、キャリーケースに入れましょう。
 
(4)帰宅後は全身をチェックする
 
ノラ猫と接触し、ウイルスや寄生虫をうつされている可能性があります。複数飼いの場合、同居猫と一緒にせず、保護したらそのまま動物病院に行くのがベター。もしくは別室に隔離し、翌日受診しましょう。
 
■脱走後のチェックポイント
 
□ ケガをしていないか
□ 歩き方がおかしくないか
□ 体をしきりにかいていないか
□ ウンチやオシッコに変化はないか
□ 食べる量は減っていないか
※該当するものがある場合は動物病院へ。
 
夜間などの緊急時はどこに連絡したらいいのか、かかりつけの獣医師に確認しておく
 
ふだんからかかりつけの動物病院に、診療時間外に何かが起こった場合はどうすればいいかを相談しておきましょう。また、自宅から通える範囲に夜間救急に対応している動物病院があるかどうかをインターネットや電話帳でしらべておくといいでしょう。調べた情報は、いざというときにすぐに使えるよう、目に付くところに貼っておきましょう。
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