ゲノム編集のサルからクローン誕生 中国の研究機関が発表 | Just One of Those Things

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科学オタクの主婦が危機感から一人でこねまくっております、危機管理シリーズ。データ編。

 

私は科学オタクなので・・・。至って科学的視点から追及していこうと考えています。ここ数日、多忙窮まっていたので、今の頃となりました。

 

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ゲノム編集のサルからクローン誕生 中国の研究機関が発表
2019年1月25日 0時03分 NHK
 

「ゲノム編集」と呼ばれる最新の技術を使って、生まれつき病気のサルを人工的につくったうえで、その体の細胞を使ってクローンを誕生させたと、中国の研究機関が発表しました。
 
中国科学院の神経科学研究所が23日、ウェブサイトで公表した内容によりますと、研究チームは、はじめに生物の「体内時計」の基になる遺伝子を「ゲノム編集」によって、受精卵の段階で働かないようにしたサルを誕生させました。
 
このサルには、睡眠時間の減少や不安やうつといった症状の増加などがみられたということです。そして、そのサルの皮膚の細胞から核を取り出して、事前に核を取り除いた卵子の細胞の中に入れて、全く同じ遺伝情報を持つクローンを5匹誕生させたということです。
 
「ゲノム編集」で操作した受精卵から生まれたサルをもとにクローンが作られたのは、世界で初めてとみられます。
 
この研究機関は去年1月に、サルの体の細胞を使ってクローンを作ったと発表していて、研究チームは「今回の成果は新しい薬の開発に役立つ」としています。
 
中国ではヒトの受精卵で「ゲノム編集」を行い、双子が生まれていたことが今週、明らかになったばかりで、生命倫理に関わる新しい技術を、ヒトだけではなく、霊長類も含めて、それぞれどのようなルールのもとで研究に応用していくべきか改めて議論を呼びそうです。
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まず1つ。世界的に有名な有力科学誌では、20年前に倫理や福祉を優遇するように議論されているにかかわらず、これに欠落していること。

 

2つ目。それらの症状を研究するにおいては、ショウジョウバエやマウスで可能であり、わざわざゲノム編集してサルのクローンを作る必要はない。

 

3つ目。新薬の開発には、まずメカニズムを知るにショウジョウバエから入り、そしてマウスとなるべきで、標的遺伝子がわかっているのなら、わざわざゲノム編集してサルのクローンを作るまでのものではない。

 

ちなみに、日本国内では、中型動物から各機関の審査が必要で、この審査が通った研究が許されています。大手の科学誌は倫理や福祉に敏感なので、論文の際にはその規定に殉じている等の記載がありますし、大学でも倫理や福祉が考察されています。

 

現在の政権では中国では、人間でさえも、尊重しないので、動物などは尊重するに値するものではなく、物や道具そのものなのでしょうね。

 

で、サルの寿命ですが、

マンドリル: 20年
シシオザル: 20年
ニホンザル: 27年
ピグミーマーモセット: 12年
クロホエザル: 15 – 20年
ギニアヒヒ: 35 – 45年
クロクビタマリン: 15年
 
マウスにおいては。
 
遺伝子操作で体内時計の遺伝子が動かないようにしているので、12年~45年、死ぬまでこの状態に苦しむことになり、薬を投与されなければ症状が改善されません。
 
当然、科学会の大問題でしょう。
 
他社の報道を以下に示していきます。
 
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ゲノム編集サルから5匹のクローン誕生、世界初か 中国
2019年1月24日(木) 12:03配信 朝日新聞デジタル

 狙った遺伝子を改変できるゲノム編集を受精卵の段階で行って誕生させたサルの体細胞を使い、同じ遺伝情報を持つクローンのサルを5匹誕生させることに、中国科学院の研究チームが成功したと、23日付でウェブサイト上に発表した。ゲノム編集したサルをもとに、クローンを作製したのは世界初とみられる。昨年も中国科学院のチームがクローンのサルを誕生させており、議論を呼びそうだ。
 
 チームはまず、体外受精したサルの受精卵にゲノム編集技術を用いて体内時計に関わる遺伝子を働かないようにした。これが機能しないと、睡眠障害や糖尿病などになる可能性があるという。
 
 この受精卵をメスの子宮に移植し、サルを誕生させた。そしてこのサルの体細胞から遺伝情報が入った核を取り出し、あらかじめ核を抜いた卵細胞に移植。メスザルに移植したところ、クローンのサルが生まれたという。
 
 チームはこの手法で、「世界で医学研究に利用されるサルを減らせる」と主張している。病気のモデルとなるクローンサルを効率的に誕生させることができるためとみられる。
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どの世界の医学研究に利用されるサルでしょうか? 少なくとも、ネイチャーの医学研究でサルを用いられることは、現在ではほとんどありませんし、四肢の難病などで用いられること以外は、ショウジョウバエかマウスです。今は、分子か原子レベルのものの研究が主流です。
 
発表した研究班はヒトの精神衛生問題の研究に役立つとしています。
 
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遺伝子操作でサルに睡眠障害、そのクローン5匹誕生 中国
2019年1月24日(木) 21:53配信 AFP=時事

【AFP=時事】(写真追加)中国の研究班が24日、遺伝子を操作して睡眠障害のあるサルをつくり、さらにそのクローン5匹を誕生させたとする研究論文を発表した。同班は、ヒトの精神衛生問題の研究に役立つとしている。
 
 中国科学院(Chinese Academy of Sciences)の神経科学研究所(Institute of Neuroscience)の研究班は、マカク属のサルの遺伝子を操作して概日リズム障害を生じさせた。これにより、サルの体内時計の機能が狂い、正しいリズムでの入眠と覚醒が得られなくなった。
 
 続いて研究班は、このサルのクローンを半年の間に5匹誕生させた。すると5匹ともに、うつや不安、統合失調症が疑われる行動など、睡眠障害に関連する精神疾患の兆候が見られたという。
 
 24日付の英文総合科学誌「ナショナル・サイエンス・レビュー(National Science Review)」に掲載されたこの論文について、中国メディアは世界初とたたえた。
 
 同神経科学研究所の所長で論文共著者の蒲慕明(Poo Muming)氏は国営メディアに対し、今後も新薬開発や最新治療研究の実験用に、多様な脳障害があるクローンサルを誕生させたいと意欲を示した。
 
 また蒲氏は、クローンサルを用いれば健康なマカクサルが実験に使用されることが世界中で減り、動物福祉にも貢献できると話している。
 
 だが、このような技術革新は論争を引き起こすことが少なくない。
 
 昨年11月には、やはり中国の科学者である賀建奎(He Jiankui)氏が、エイズウイルス(HIV)に感染している父親の子が同ウイルスに感染しないよう、世界で初めて遺伝子編集を行って双子の女児を誕生させたと発表し、科学界に衝撃を与えた。賀氏は現在、警察の捜査対象となっている。【翻訳編集】 AFPBB News
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他に手法があるというのに、このような倫理も福祉も考慮されていない実験については、科学会でも物言いがつくものかと・・・。
 
人工的に作られた”iPS細胞”の論争とはわけが違うのですよ。
 
一般的な見方として、問題点は、新薬開発などの実験用サルをつくるのが目的で倫理上のルールは順守していると強調しているが、ヒトと同じ霊長類のクローンづくりは引き続き議論を呼びそうだ。・・・と考えられています。
 
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ゲノム編集サルでクローン 5匹誕生、世界初と中国
2019年1月24日(木) 18:25配信 共同通信

 【北京共同】24日の新華社電は、中国科学院神経科学研究所のチームがゲノム編集技術と体細胞クローン技術を使い、体内時計の機能を失わせた全く同じ遺伝情報を持つサル5匹を誕生させることに成功したと伝えた。ゲノム編集をしたサルの体細胞クローンは世界初といい、研究結果は中国の科学誌に掲載された。
 
 同研究所のチームは昨年、既に別のクローンサルの誕生を発表していた。研究所は新薬開発などの実験用サルをつくるのが目的で倫理上のルールは順守していると強調しているが、ヒトと同じ霊長類のクローンづくりは引き続き議論を呼びそうだ。
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新薬の効用をしらべるのなら、iPS細胞を用いることもできますよ。
 
私が大好きなハードSF小説の中に、医療目的で用いられるクローン問題を取り上げられたものがあります。クローンにも命の尊厳はありますし、倫理や福祉は必須です。
 
なぜ、マウスよりずいぶんと寿命が長いサルをゲノム編集してクローンを5匹も作る必要がどこにあるのでしょうか?
 
生き続けるまで、その症状で苦しんで生きろというのでしょうか?
 
実験が終われば、一般的にマウスで行われているように、倫理や福祉に則って、行われるのでしょうか?
 
本当に倫理に根差していると言えるのでしょうか?疑問です。

 

このような研究を「世界初」と取り上げる科学誌にも大きな疑問です。

 

 

で・・・。次に究極に溜まりに溜まったネイチャーを取り上げます。

 

 

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