神経科学: 空間と時間の統合された記憶 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

37号目のネイチャーのハイライトより。

 

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神経科学: 空間と時間の統合された記憶
Nature 561, 7721
2018年9月6日     

ヒトではエピソード記憶と呼ばれる経験に関連した記憶の形成に、特定の事象に時間情報を統合することが不可欠である。そうした統合が海馬回路で起こることまでは分かっているが、この符号化がどのような機構で起こるかは未解明である。今回E Moserたちは、さまざまな時間スケールが、海馬ではなく外側嗅内皮質で表現されていることを明らかにしている。この表現は、内側嗅内皮質に保存されている空間情報と海馬で結び付けられ、時間と空間の統合された記憶となる。

Article p.57
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海馬 - 脳科学辞典

海馬の神経回路 - 東京大学医科学研究所

おまけ:脳の記憶回路の暴走を防ぐ | 理化学研究所

おまけ:RESEARCH -研究を通して-:柔軟に変わる海馬の回路

嗅内野 - 脳科学辞典

海馬体-嗅内皮質における空間認知システム : ライフサイエンス

 

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神経科学:外側嗅内皮質における経験からの時間の統合
Nature 561, 7721 |  Published: 2018年9月6日 |

時間と、時間の事象への結び付きの符号化は、エピソード記憶に重要だが、これらの過程が海馬–嗅内皮質回路の中で実行される仕組みは未解明である。今回我々は、自由採餌中のラットで、時間情報が外側嗅内皮質全体の集団状態の内部に、数秒から数時間のタイムスケールにわたって、ロバストに符号化されていることを示す。同様に顕著な時間の符号化は、内側嗅内皮質や海馬CA3–CA1領域には見られなかった。動物の経験に、試行の繰り返しを通して同じになるよう行動課題によって制約をかけると、試行全体の時間の流れの符号化は減弱する一方、試行開始時に比べて時間の符号化は改善した。こうした知見から、外側嗅内皮質ニューロンの集団は、生得的に経験の符号化を介して時間を表現していることが示唆される。このエピソード時間の表現は、内側嗅内皮質からの空間情報入力と海馬内で統合され、それによって何がどこでいつ起きたかの統一的表現が海馬に保存されるのかもしれない。
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解明まであともう少しですね。
 
究極に溜まりに溜まった恒例のネイチャー。次回は、心血管生物学より、グルタミンシンテターゼの新しい機能、を取り上げます。
 

 

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