がん遺伝子異常、加齢で増加~加齢によるがん化の仕組み解明 | Just One of Those Things

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科学オタクの主婦が科学物のデータを集めて取り上げております、科学もの報道データ編。昨年は災害が続いたことから、取り上げられないまま、たまりまくっております。
 

今回は、新しいもので・・・。

 

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がん遺伝子異常、加齢で増加
1/3(木) 3:00配信 共同通信社

 食道がんを引き起こす恐れがある遺伝子の異常は年を取るとともに増加し、過度の飲酒や喫煙で促進されることが食道上皮の遺伝子解析で分かったと、京都大の小川誠司教授(分子腫瘍学)らのチームが2日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 
 小川教授は「加齢とともにがんになる人がなぜ多くなり、飲酒や喫煙がそのリスクをどう高めるのかを解明する重要な手掛かりとなる成果だ」としており、早期診断や予防につなげたいという。
 
 チームによると、がんは、細胞の特定の遺伝子に異常が生じ、増殖することで発症する。加齢に加え、生活習慣によってリスクが高まるとされるが、詳細メカニズムは不明。
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日本経済新聞の方が、詳細がかかれているようですねぇ・・・。
 
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がん遺伝子異常、加齢で増 飲酒や喫煙が促進
科学&新技術 社会
2019/1/3 16:18 日本経済新聞

食道がんを引き起こす恐れがある遺伝子の異常は年を取るとともに増加し、過度の飲酒や喫煙で促進されることが食道上皮の遺伝子解析で分かったと、京都大の小川誠司教授(分子腫瘍学)らのチームが2日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 
小川教授は「加齢とともにがんになる人がなぜ多くなり、飲酒や喫煙がそのリスクをどう高めるのかを解明する重要な手掛かりとなる成果だ」としており、早期診断や予防につなげたいという。
 
チームによると、がんは、細胞の特定の遺伝子に異常が生じ、増殖することで発症する。加齢に加え、生活習慣によってリスクが高まるとされるが、詳細なメカニズムは分かっていない。
 
チームは、発がんに先立って起きる遺伝子の異常を調べようと、20~80代のがん患者や健康な人計約130人の正常な食道上皮を採取し、解析した。
 
その結果、患者、健康な人を問わず、正常な細胞であっても、食道がんで頻繁に見られる遺伝子異常が加齢に伴って増え、過度の飲酒や喫煙歴があるとさらに増加する傾向にあった。
 
こうした異常を持った細胞は、70歳以上の高齢者では飲酒や喫煙の有無にかかわらず、食道全体の面積の40~80%に拡大していることも判明。異常は生後間もない時期に生じていた場合があることも分かった。〔共同〕
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なぜ高齢者ががんになりやすいかはよく分かっていませんでした。
 
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加齢によるがん化の仕組み解明=酒・たばこも促進―京大など
1/3(木) 4:46配信 時事通信

 がんが高齢者に発症しやすい仕組みの一端が解明できたと、京都大や東京大などの研究チームが発表した。多くの正常な組織でがんに関連した遺伝子の変異が起きており、こうした変異は年齢とともに増え、酒やたばこの影響も受けていた。論文は3日、英科学誌ネイチャーに掲載された。
 
 がんは日本人の死因のトップでその割合は急増し、がん発症者の7割を65歳以上が占める。だが、なぜ高齢者ががんになりやすいかはよく分かっていない。
 
 研究チームは、食道がん患者92人と健康な人42人の食道上皮の正常な組織から試料を採取し、最新の技術で遺伝子を解析。がん患者は大半、健常者では半分以上の試料からがんに関連した遺伝子変異が確認できた。
 
 この遺伝子変異の個数は、年齢に比例して増加し、高齢者は全員、食道上皮の面積の40~80%が変異を持った細胞に置き換わっていた。最初の変異は小児期までに起きて蓄積しており、飲酒と喫煙を繰り返す人も多かったという。
 
 がんは遺伝子変異を起こした細胞が異常に増殖して発症する。京大の小川誠司教授は「われわれの体の中では当たり前のように遺伝子変異が起きている。酒とたばこは過度に摂取しなければ心配ない」と話した。 
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京都大学のプレスリリースを探していますが、なかなか見つかりません・・・。
 
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がんリスク、加齢で高まる仕組み一端解明 京都大グループ 
2019年01月03日 10時36分 京都新聞

 加齢に伴いがんのリスクが高まる仕組みの一端を解明したと、京都大のグループが発表した。がんの原因とされる遺伝子(がん遺伝子)の変化が高齢者の食道の細胞で多く起こっている一方、それだけではがんを引き起こすとは限らないと分かったという。がんの病態像を刷新する成果となる。英科学誌ネイチャーに3日、掲載する。
 
 
 厚生労働省の統計によると、がんは2017年の日本人の死因として第1位で、高齢者に多く発症する。がんには、がん遺伝子の変化が関わると分かっているが、詳細は明らかになっていない。
 
 医学研究科の小川誠司教授や武藤学教授、横山顕礼助教らは23~85歳の男女の正常な食道上皮における遺伝子の変化を調べた。すると、若い世代でもがん遺伝子を含めた多様な遺伝子の変化が起こっていた。一方高齢者では、がん遺伝子が変化した細胞が食道全体の4~8割を占めた。特に飲酒・喫煙歴のある人は、がん遺伝子の変化の数が多かった。
 
 またがん遺伝子24個について、食道がんと正常組織では変化の傾向には大きな差があることが判明。加齢などに伴うがん遺伝子の変化とがん化の間には、別のメカニズムが介在している可能性を示唆した。
 
 小川教授は「加齢に伴って、食道はがん遺伝子に変化が生じた細胞で覆われるようになる。しかしがんになる場合は、さらに別の異常が加わるのだろう」と話す。
 
 がんは私たちの体の中から生じる「異物」だ。生体内では細胞が絶えず分裂しているが、時に遺伝子の複製にエラーが生じる。多くはがんと関係ない遺伝子変化だが、エラーが繰り返される中で複数のがん遺伝子に変化が生じ、がん化すると考えられている。
 
 今回の研究は、食道における各細胞の遺伝子の変化を、生物の進化と同じように捉えて解析した。その結果、年齢を重ねるにつれて、がん遺伝子に変化が生じた細胞が生き残りやすく、食道組織の大半を占めるようになることを示した。がんという病気が、高齢化と密接に関わっていることを象徴すると言える。
 
 一方で、がん遺伝子に変化が蓄積した細胞で覆われていても、必ずしもがんを生じる訳ではないことも示唆された。研究グループの京都大医学研究科の小川誠司教授は「遺伝子がたくさん集まって形成する染色体の変化が関係し、がん化を引き起こすのでは」と推測する。
 
 2018年のノーベル医学生理学賞の対象となったがん免疫療法の進展などで、制圧に向けた期待は高まっている。しかしがんにはまだ分からないことが多い。高齢者だけの問題ではなく、白血病など小児で発症するがんもある。今回の研究成果を踏まえ、さらにがんの病態に関する知見を広げることが必要となる。
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探しましたが、大学側や機関からのプレスリリースは出てないです。
 
メカニズムが一日も早く解明されることを祈ります。
 
 
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