量子物理学: プログラム可能な磁気格子としての量子プロセッサー | Just One of Those Things

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前回に引き続き、35号目のネイチャーのハイライトより。
 

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量子物理学: プログラム可能な磁気格子としての量子プロセッサー
Nature 560, 7719
2018年8月23日    

リチャード・ファインマンは、量子コンピューターで量子系をシミュレートする構想を抱いていた。汎用量子コンピューターは依然として長期的目標だが、この構想に向けた進展によって技術開発が急速に進み、今では量子アニーリングを利用したプロセッサーによって大規模量子シミュレーションを実施できるようになった。A Kingたちは今回、1800個の超伝導キュービットを用いて、トポロジカル二次元系における通常とは異なるタイプの相転移であるコスタリッツ–サウレス転移の量子シミュレーションを実証し、古典的シミュレーションと一致する結果を得ている。著者たちは、量子プロセッサーをプログラム可能な磁気格子として用いる今回の方法が、エキゾチック物質のシミュレーションや開発に広く用いられる可能性があると考えている。

Letter p.456
News & Views p.438
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リチャード・P・ファインマン - Wikipedia

リチャード・ファインマンとは

おまけ:ノーベル賞物理学者ファインマンさんの伝説 - NAVER

量子コンピュータ - Wikipedia

量子焼きなまし法 - Wikipedia(量子アニーリング)

量子アニーリング方式 – 量子コンピュータ情報サイト

物理のいらない量子アニーリング入門 - Platinum Data(対象者:エンジニア・分析官)

いま話題の量子アニーリングって何?量子アニーリングや周辺技術の研究開発の現状とか、今後の展開について聞いてきた!

「1億倍速いコンピュータ」に利用--量子アニーリング理論の可能性(1)

 

量子物理学より、プログラム可能な量子シミュレーションができるようになりました。


今回、プログラム可能な超伝導量子ビットアレイによって、量子系の相転移をシミュレートできるようになり、通常のコンピューターではモデル化が困難か非効率的なエキゾチック物理を調べる道が開かれました。
 

この論文は、ネイチャーのニュースにも取り上げられました。

 

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量子物理学:1800キュービットのプログラム可能な格子におけるトポロジカル現象の観測
Nature 560, 7719 |  Published: 2018年8月23日 | 

1970年代のベレジンスキー、コスタリッツ、サウレスの研究で、超流動薄膜や超伝導体薄膜などの低次元物質のトポロジカル特性によって支配されるエキゾチックな物質相が明らかになった。この現象の特徴は、古典的XY模型に代表される、熱ゆらぎに起因する角度自由度における渦と反渦の出現と相互作用である。二次元イジング模型においては、古典的ケースではこの角度自由度は存在しないが、横方向の場が加わるとフラストレーションと量子ゆらぎの相互作用によって角度自由度が現れる可能性がある。従って、理論とシミュレーションから、その量子系(二次元横方向場イジング模型)においてコスタリッツ–サウレス相転移が予測されている。今回我々は、完全にフラストレートした正方形–八角形格子に対ごとに結合させて配置した1800個のプログラム可能なin situ超伝導ニオブ磁束キュービットからなるネットワークおいて、この現象の大規模量子シミュレーションを実証する。我々は、臨界挙動に不可欠な、連続回転対称性を伴う複素秩序パラメーターの出現と、系が臨界温度に近づく際の準長距離秩序の発現を観測した。我々は、一連の逆量子アニーリングプロトコルにおいてモンテカルロサンプリングを行うアニーリングベースの量子プロセッサーによって統計的推定を行う単純な方法を記述し、用いた。観測結果は、さまざまなハミルトニアンパラメーターにわたって古典的シミュレーションと一致していた。我々は、量子プロセッサーをプログラム可能な磁気格子として用いる今回の方法が、エキゾチック物質のシミュレーションや開発に広く用いられるようになると予想する。
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とても面白く、凄い話ですが(笑)
 
参考文献を取り上げるのが困難(おそらく取り上げると、知らない人は混乱する)なので、上記の参考文献をご覧くださいませ。
 
ホントに溜まりに溜まった恒例のネイチャー。次回は、物性物理学より、パターンの記憶には2つの秩序が必要、を取り上げます。
 
 
※遅くなりましたが、今からまわります。
 

 

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