天文学: また1つ検証をパスした一般相対性理論 | Just One of Those Things

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本題に入る前に、今までに一般相対性理論が実証されたものを取り上げます。

 

Nature ハイライト:一般相対性理論でぴたりと予測

Nature ハイライト:一般相対性理論の検証

NASAの衛星、一般相対性理論を実証

ガンマ線バーストを使って「光速度不変原理」を検証 ―フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡による成果、英科学誌「ネイチャー」に掲載―

130 億光年彼方での一般相対性理論の検証 ~アインシュタインは間違っていなかった?~

 

NatureとNature ダイジェストのお祝い記事が当時あったのですが、流石に昔だからないですね・・・。さて、本題に入ります。

 

昨日に引き続き、27号目のネイチャーのハイライトより。
 

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天文学: また1つ検証をパスした一般相対性理論
Nature 559, 7712
2018年7月5日

一般相対性理論は、あらゆる物体が外部重力場中で同じように加速するという前提に基づいている。これは、自身が強力な重力場を有する中性子星のような天体にも当てはまる。これまで行われた検証では、強い重力場の領域を調べることができなかった。今回A Archibaldたちは、軌道周期が1.6日の中性子星と白色矮星の緊密な連星系をもう1つの白色矮星が327日の軌道周期で周回している系の運動を測定した。そして、中性子星と白色矮星の加速度の比の1との差が、わずか数ppmしかないことを見いだしている。

Letter p.73
News & Views p.40
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白色矮星 - Wikipedia

 

天文学より、また1つ検証をパスした一般相対性理論と報告された論文です。

 

アインシュタインの重力理論(一般相対性理論)は、あらゆる物体が外部重力場中で同じように加速するという原理に基づいています。今回、三重星系の観測によって、この原理が厳密に検証されました。

 

この論文をネイチャーのニュースにも取り上げられました。

 

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天文学:三重星系のパルサーの軌道運動から得られた自由落下の普遍性
Nature 559, 7712 |  Published: 2018年7月5日 |

アインシュタインの重力理論(一般相対性理論)は、全ての物体が外部重力場で等しく加速するとする自由落下の普遍性に基づいている。ほとんど全ての代替重力理論とは対照的に、一般相対性理論の強い等価原理は、自己重力の強い物体にも自由落下の普遍性が当てはまることを要求する。この原理の、太陽系の天体を用いた直接的な検証は天体の自己重力が弱いため制約されており、パルサーと白色矮星からなる連星系を用いた検証は銀河系の重力による引力が弱いため制約されてきた。PSR J0337+1715は、3つの星の階層的な系(三重星系)であり、ミリ秒電波パルサーと白色矮星からなる軌道周期が1.6日の連星が、もう1つの白色矮星と327日の周期で軌道運動している。この系によって、外側の白色矮星の重力による引力が、自己重力の強いパルサーと内側の白色矮星にどのような影響を及ぼすかを比較する検証が可能になる。本論文では、パルサーとその近傍の白色矮星伴星の加速度の比の1との差が、2.6 × 10−6未満であることを報告する。大まかに比較すると、自由落下の普遍性の破れを測る強い重力場のノルドベッドのパラメーターに関して今回得られた上限は、(弱い重力場の)太陽系での検証から得られるものの10分の1であり、他の強い重力場の検証から得られるものの約1000分の1である。
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多重星 - Wikipedia(三重星系)
恒星系 - Wikipedia(三重星系)
 
Windows95の時代は「相対論は間違っている!」系のものがうようよしていましたが、今はないようですね(笑)。本は出すことはできても、結局、ネイチャーには挙げられませんでしたね。
 
一般相対性理論が、またもや検証をクリアしたということで、おめでとうございます。さぞ、アインシュタインは天国で舌を出していることでしょう。お戯れはここまでとして・・・。
 
溜まりに溜まった恒例のネイチャー、次回は、化学より、二重触媒法によるsp^3 C–Nアルキル化、を取り上げます。薬剤に関連する論文です。
 
 

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