天体物理学: プラズマレンズで見たパルサー | Just One of Those Things

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昨日に引き続き、21号目のネイチャーのハイライトより。

 

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天体物理学: プラズマレンズで見たパルサー
Nature 557, 7706 
2018年5月24日    

星間物質を通る電波源は、その放射がプラズマによってわずかに異なる経路を通ることになるため、またたいて見える。このことから、プラズマでできたスクリーンをレンズとして使用できる可能性が提起されるが、実現はこれまで困難だった。今回R Mainたちは、「ブラックウィドウ」パルサーを、伴星からこのパルサーに流れ込むガスによってもたらされたレンズを通して観測した。伴星によるパルサーの食の際、その電波フラックスは70〜80倍に増大していた。増幅されたパルスに見られる周波数構造が、高速電波バーストFRB 121102で見られる構造と類似していることから、この電波バーストがプラズマレンズを通して観測されていると示唆される。

Letter p.522
News & Views p.494
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天体物理学より、新しいレンズを通して見たパルサーについての論文です。
 
パルサーと呼ばれる宇宙の灯台が生み出す電波は、周囲の物質によってゆがみます。今回、観測によって、こうした物質がレンズの役割を果たして、電波を集束し、パルサーの光度を高めていることが示されました。
 
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天体物理学:食連星のプラズマレンズ効果によって増幅され解像されたパルサー放射
Nature 557, 7706 |  Published: 2018年5月23日 |

電波パルサーの放射は、電離した星間物質を複数の経路に沿って通過し、それらは互いに干渉するため、またたき(シンチレーション)を発する。このシンチレーションの原因となる領域を「星間レンズ」として用いて、その性質とは無関係にパルサーの放射領域の位置を特定できる可能性があることは、昔から分かっていた。しかし、そうしたレンズの大半では、放射成分がかろうじて解像されるだけで、得られる結果は、小さな位置ずれの統計的推測や検出に限定されている。レンズが放射源の近くにあると分解能が向上するため、超新星残骸や、パルサーの伴星に電離したアウトフローが存在する連星などの高密度環境では、パルサーの放射領域をより容易に解像できるはずである。本論文では、「ブラックウィドウ」と呼ばれるパルサーB1957+20の、公転周期9.2時間の軌道において、その放射が伴星のアウトフローに隠される段階近くでの、極端なプラズマレンズ効果の観測について報告する。レンズ効果事象が生じている間、観測される電波フラックスは特定の周波数で70~80倍まで増強されていた。最も強い事象では、放射領域が明瞭に解像され、狭い主要なパルスとより広いパルス間の部分に異なる影響が及んでいた。我々は、これらの事象がアウトフローの外側の領域における密度ゆらぎから自然に生じることを示し、またレンズの分解能はパルサーの半径、約10 kmと同程度であると推測する。さらに、レンズ効果によってもたらされる他とは異なる周波数構造は、反復電波バーストFRB 121102で観測される周波数構造とよく似ていることから、この放射源がプラズマレンズを通して観測され、そのためときどき強く拡大されるという考え方の観測的な裏付けとなる。
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この論文はネイチャーのニュースにも取り上げられました。
 
今回は考え方の観測的な裏付けです。今回は・・・参考を添付しなくてもよさそうですね。わからないことがありましたら、コメントかメッセージで、お気軽にお問い合わせください。
 
明日は、何故かしら、ネイチャーに経済学が取り上げていますので、これを・・・。確認すれば、パリ協定に関するものなのでこれを取り上げます。
 

 

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