天文学: ビッグバンの2億5000万年後に始まった星形成 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

昨日に引き続き、20号目のネイチャーのハイライトより。

 

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天文学: ビッグバンの2億5000万年後に始まった星形成
Nature 557, 7705
2018年5月17日   

現代天文学の大きな問題の1つは、第一世代の星がいつ形成されたかということである。橋本拓也(大阪産業大学ほか)たちは今回、赤方偏移9.1096に、重力レンズ効果を受けた銀河からの2階電離酸素の輝線を観測したことを報告している。精密な赤方偏移測定によって、「静止系」では可視光波長範囲に見られる赤色光が赤外領域に観測され、それがビッグバンの約2億5000万年後の時代の星の成分から生じていることが分かった。これは、赤方偏移が約15の時期に星形成が始まったことを意味している。

Letter p.392
News & Views p.312
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天文学より、初期の星形成が見つかりました。
 
最初期の銀河の星形成活動についてはほとんど分かっていません。今回、非常に遠い銀河の観測から、宇宙が現在の年齢のたった2%だった頃のそうした活動を示す証拠が得られました。
 
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天文学:ビッグバンから2億5000万年後の星形成の始まり
Nature 557, 7705 |  Published: 2018年5月17日 |

現代天文学の根本的な探求は、最も初期の銀河を発見し、それらがビッグバンの数億年後に、銀河間物質にどのように影響を及ぼしたかを研究することである。赤方偏移が約6~10で星形成銀河の存在量が減少することが知られているが、重要な問題は、最初の銀河が出現したと考えられる頃に対応する、さらに初期の時代における星形成の規模である。本論文では、宇宙が現在の年齢の4%未満だった頃の、重力レンズ効果を受けて観測された銀河である、MACS1149-JD1の分光学的観測について報告する。我々は、赤方偏移9.1096 ± 0.0006の所に、2階電離した酸素の輝線を1標準偏差の不確かさで発見した。正確に決定されたこの赤方偏移から、静止座標系における赤い可視光色が、赤方偏移約15に相当するビッグバンの約2億5000万年後に形成された支配的な恒星成分に起因することが示唆される。今回の結果は、将来の望遠鏡を用いて、同様な銀河における星形成のそのような初期エピソードの検出が可能であることを示している。
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この論文はネイチャーのニュースにも取り上げられました。
 
この論文によると、同様な銀河における星形成のそのような初期エピソードの検出が可能なようなですね、これから先の研究報告が楽しみになってきました。ホーキング博士がまだご存命なら、さぞかし喜ばれたことだろうと思います。
 
私はというと、「ブラックペアン」が意外に面白かったことに、現在ホクホクしております。佐伯教授、いいですねぇ。
 
さて、明日は物証物理学からのものを取り上げます。
 

 

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