申し訳ないです。完全な寝落ちです。なので、定時にフィード・バックです。
昨日に引き続き、18号目のネイチャーのハイライトより。
----------------------------------------------------------
天文学: 親星の風に吹き飛ばされる大気
Nature 557, 7703
2018年5月3日
ヘリウムは、宇宙で2番目に多い元素であり、系外惑星の大気に含まれていると予測されているが、スペクトルにその証拠を見つけることはまだ成功していない。今回J Spakeたちは、親星をトランジットしている惑星WASP-107bの観測において、波長1万833 Åに励起ヘリウムの狭い吸収の特徴を発見したことを報告している。吸収の深さから、この惑星には広がった大気があって徐々に失われていることが示唆される。この惑星には、親星の輻射圧によって成形された彗星状のガスの尾が、親星とは反対の側に存在している可能性がある。
Letter p.68
News & Views p.35
----------------------------------------------------------
天文学より、系外惑星の尾に見つかったヘリウムの論文です。
系外惑星WASP-107bが親星の軌道を回るにつれて、大気が流出し彗星に似た尾が形成されます。今回、こうして流出したガスにヘリウム原子が検出され、系外惑星の大気を調べる強力な手段が得られました。
----------------------------------------------------------
天文学:系外惑星から失われていく大気中のヘリウム
Nature 557, 7703 | Published: 2018年5月3日 |
ヘリウムは宇宙で水素に次いで2番目に豊富に存在する元素で、太陽系内の巨大ガス惑星の主要構成要素の1つである。初期の理論モデルでは、ヘリウムは系外惑星の大気、特に、広がった流出している大気に最も容易に検出される元素種の1つであると予測されているが、ヘリウムの検出はこれまで成功していなかった。本論文では、系外惑星上に4.5標準偏差の信頼水準でヘリウムを観測したことを報告する。我々は、温かい巨大ガス惑星WASP-107bの近赤外透過スペクトルを計測し、励起した準安定ヘリウムの狭い吸収の特徴を1万833 Åに見いだした。吸収の大きさは、トランジット深度において、98 Åの帯域通過で0.049 ± 0.011%であり、通常の恒星の彩層活動によって生じると思われるものより5倍以上大きい。この大きな吸収シグナルは、WASP-107bには広がった大気があり、その流出速度は10^10~3 × 10^11 g s^−1(10億年で全質量の0.1~4%)であることを示している。また、輻射圧によって形成される彗星に似たガスの尾がある可能性も示唆された。
----------------------------------------------------------
この論文はネイチャーのニュースにも取り上げられました。
ISSでの活動も興味深いものですが、観測から得られるものというのも大変興味深いものとなっています。まぁ、たまにはこんな論文も良いではないでしょう。
明日は、素粒子物理学からです。