昨日に引き続き、11号目のネイチャーのハイライトより。
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物性物理学: トポロジカルコーナー状態
Nature 555, 7696
2018年3月15日
トポロジカルバンド構造を持つ多くの物質の特性は、電気分極の量子化の観点から理解できる。最近、より高次の分極の量子化を考慮することによって、新たなクラスの高次トポロジカル絶縁体が予測された。今回C Petersonたちは、結合したマイクロ波共振器からなるメタマテリアルを用いて、そうした系、すなわちトポロジーによって保護されたコーナー状態を持つ量子化された四重極トポロジカル絶縁体を実験的に実証している。著者たちは、エッジの1つをトポロジカル領域から自明領域へと変形させることによって、こうしたコーナー状態が新たに生成された境界のコーナーへと内向きに移動することを示し、コーナー状態がバルクのトポロジーによって保護されていることを確認した。こうした実証から、独特な形態のロバストネスの証拠が得られるだけでなく、再構成可能なマイクロ波回路が、物質のエキゾチックなトポロジカル位相を研究する有望なプラットフォームであることも示された。
Letter p.346
News & Views p.318
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この論文は、ネイチャーのニュースにも取り上げられました。
トポロジカル絶縁体とは、物質の内部は絶縁体でありながら、表面は電気を通すという物質です。
引き合いに、超伝導を取り上げて、説明されることもあります。
トポロジカルバンド構造とは、すなわち、トポロジカル絶縁体の構造ででてきます。
さまざまな説明がなされているので、気になった方は、ググると良いかと思います。
参考に下記を取り上げておきます。
トポロジカル絶縁体・総論 - J-Stage - 科学技術振興機構
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsssj/32/4/32_4_174/_pdf
物理学は入りは簡単で理解に難しいのですのですが、生物学は入りは難しくて理解は簡単なものと言えるかもしれません^^;