脳死移植20年500人 低い水準 | Just One of Those Things

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<脳死移植>20年で500人 なお低水準
1/26(金) 7:20配信 毎日新聞


 ◇提供病院の態勢不備

 

  脳死による国内の臓器提供者は1997年の臓器移植法施行以降、今月までに500人となった。近年は増加傾向にある一方、海外に比べると低い水準で、重い心臓病や腎不全などで移植を待つ患者にとっては提供臓器の不足が続いている。提供が進まない中、死者から提供される臓器の代わりに、人工臓器や再生医療の研究が進展してきた。【渡辺諒】

 

  「脳死者の臓器提供は国民らが不信を抱く中で始まった。20年で500人に達したが、国際的にはまだ低い水準だ」。国内で唯一の移植あっせん機関である日本臓器移植ネットワークの門田(もんでん)守人理事長は指摘する。

 

 国内初の心臓移植が行われたのは1968年。後に執刀した教授が殺人容疑で告発(不起訴)され、国民に移植医療への不信感を植え付けた。脳死者からの提供を可能にする臓器移植法が97年に施行されるまで29年、1例目の脳死移植までさらに2年かかり、2009年まで脳死臓器提供は年3~13人で推移した。

 

  提供者本人の書面での意思表示がなくても、家族の承諾だけで提供できる改正法が10年に施行されるとようやく増え、10~16年は年32~64人に。昨年は76人と最多を記録した。内閣府が昨年8~9月に実施した世論調査でも、41・9%の人が「脳死か心停止後に臓器提供したい」と回答している。

 

 だが、海外と比べ提供数は低い水準にある。移植ネットによると、15年の脳死、心停止を合わせた臓器提供者数は、人口100万人当たりで日本は0.72人。米国は28.5人で、他の国も▽英国20.2人▽ドイツ10.8人▽韓国9.96人--などその差は大きい。

 

  その理由として、提供病院の態勢不備が指摘されている。厚生労働省の指針では、大学病院や救命救急センターなど全国896病院で脳死者から臓器提供できるが、脳死判定医をそろえるなど態勢が整っているのは392施設(44%)。提供した実績があるのは173施設と2割以下だ。さらに、病院側の都合で臓器を提供したいという患者や家族の意思が生かされなかったケースは13~16年に少なくとも12例あった。

 

  提供施設では書類の準備や家族対応など負担も大きい。移植医療が専門の吉田一成・北里大教授は「負担が病院の救急医に集中し、救命を最優先とする救急医の足かせとなって、移植医療が進まなくなる可能性もある。態勢整備には人件費など予算が必要で、病院だけに任せるのでなく、国を含めた議論が必要だ」と指摘する。

 

 改正法によって15歳未満の小児でも臓器提供できるようになったものの、提供者は15人で、心臓移植を希望して渡航するケースが相次いでいる。費用がかかるため家族らの負担は大きく、厚労省も負担金の一部補助を検討し始めた。世界保健機関(WHO)は、必要な臓器を各国内で確保する努力を求める指針を採択しており、患者支援団体「全国心臓病の子どもを守る会」の神永芳子会長は「海外移植には問題もあるが、やむを得ない状況が続いている。臓器移植の教育を充実し、国内の移植に理解を広めてほしい」と訴える。

 

  ◇人工臓器に活路模索

 

  脳死者の臓器提供が海外に比べて伸び悩む中、移植を受けられず亡くなる患者や、人工透析に頼ることで生活の質(QOL)が下がる患者を救おうと、人工臓器や再生医療の研究が進んでいる。

 

  予備軍を含め国内に2000万人とも言われる糖尿病は、膵臓(すいぞう)から分泌され、血糖値を下げるインスリンの作用が低下する病気だ。治療するには膵臓移植があるが、受けるための条件が厳しい上、脳死提供が少ない現状では、移植に至らないケースが多い。

 

  そこで、東京医科歯科大の松元亮准教授(生体材料工学)らのチームは、特殊なゲルと、微小な針を組み合わせた湿布状の人工膵臓の作成に向けた研究を進めている。この人工膵臓は、血糖値が高くなると特殊な湿布から自然にインスリンが出る仕組みで皮膚に貼る。数日に1回貼り替えればよく、患者負担も少ない上、電池など機械も使っていない。

 

 松元准教授は「既にマウスでの実験に成功しており、数年内に臨床研究を始めたい」と話す。人工臓器の世界市場は、14年に1兆2000億円を超え、19年には約1・5倍に増えることが予測される。

 

  再生医療の分野では、東京慈恵会医大などのチームが腎臓を再生させる臨床研究の手続きを年内にも海外で始める。ブタ胎児の腎臓の「芽」に、腎不全患者本人から作った腎臓の前駆細胞を注入して健全な腎臓を再生させる。

 

  文部科学省の工程表によると、ヒトを対象にした再生医療の臨床研究が始まる目安は▽肝臓19年▽心筋17年▽赤血球22年--など。世界の再生医療の市場予測では、20年以降に急拡大し、30年には12兆円に達するとの試算もある。

 

  臓器の再生研究に詳しい慈恵会医大の横尾隆教授は「臓器移植に代わる再生医療の実現に向けてさらに研究を進展させるには、金銭面など官民が協力した推進体制が欠かせない」と話す。

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この件については、上記で語りつくされているので、特に付け加えることはありません。

 

まぁ、iPS細胞の研究論文で不正の件での立て直しで失速するでしょうが、ES細胞で再生医療という手もあります。

 

一昨日、がんがんと行きますと書きましたが、昨日より癌についてのネタが続いているのは、決して親父ギャグではなく、至って真面目です。

 

次に挙げるネイチャーの記事も昨日に引き続き「がん」研究によるものですが、後ほど取り上げます。

 

 

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