相変わらず、忙しくてリサーチできてないので古い記事より。
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くも膜下出血の後遺症、引き金物質特定 岡山大
2016/11/25 11:48日本経済新聞 電子版
■くも膜下出血の後遺症、引き金物質特定 くも膜下出血によって生じる、まひなどの後遺症の引き金となるタンパク質をラットの実験で特定したと、岡山大の西堀正洋教授(薬理学)らのチームが英科学誌電子版に24日発表した。
人でこのタンパク質が働かないようにできれば、重い後遺症を防ぐ新たな治療法が開発できる可能性があるという。
チームによると、くも膜下出血は主に、脳の血管がこぶのように膨らむ脳動脈瘤(りゅう)が破裂して起き、強い頭痛と意識障害などを来す。
破裂後、脳動脈が一定の範囲で継続して収縮する「遅発性脳血管攣縮(れんしゅく)」が発生し、その部位の血流が低下するため、まひや言語障害などの重い後遺症が生じる。
チームが、くも膜下出血を発症させたラットを調べたところ、遅発性脳血管攣縮が起きる際、血管の壁にある平滑筋細胞からタンパク質「HMGB1」が放出され、脳動脈を収縮させる引き金になっているとみられることが分かった。
HMGB1の放出や働きを抑える抗体をラットに投与すると、収縮が大幅に抑制され、運動機能や食欲の回復も早まった。
チームによると、くも膜下出血の発症者は年間約3万6千人との報告がある。西堀教授は「ミニブタやサルでも実験して治療法の開発につなげ、後遺症に苦しむ人を一人でも減らしたい」と話している。
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一日でも早く実験に成功し、治療法の解決につなげる日が来る日を祈っています。
さて、次に恒例のネイチャーを取り上げます。