ヒトiPS成功10年 再生医療・創薬いよいよ本番 | Just One of Those Things

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ここまで来るまで、早かったと思います。

 

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ヒトiPS成功10年 再生医療・創薬いよいよ本番 
科学記者の目
コラム(テクノロジー) 科学&新技術
2018/1/3 6:30日本経済新聞 電子版


 京都大学の山中伸弥教授らのグループが、ヒトiPS細胞の開発に成功したと発表して10年が過ぎた。2018年はiPS細胞を利用した新しい治療法や創薬の開発が、相次ぎそうだ。もう一つの万能細胞であるヒトES細胞も、医療用の細胞が作製される見通しだ。再生医療の「本命」と期待されるヒトのiPS細胞やES細胞を利用した医療応用は、本格化する。

 

■パーキンソン病、心臓病、脊髄損傷の臨床や治験がスタート

 

 京都大学iPS細胞研究所の高橋淳教授らのグループはパーキンソン病、大阪大学の澤芳樹教授らのグループは重い心臓病、慶応義塾大学の岡野栄之教授と中村雅也教授らのグループは脊髄損傷の患者を対象に、備蓄している他人のiPS細胞を利用した臨床研究や医師主導治験を18年度にも始める。

 

 阪大の澤教授は7月、学内の「特定認定再生医療等委員会」に計画を申請。「さらに動物実験で安全性を検証している」という。京大の高橋教授は「医薬品医療機器総合機構(PMDA)と治験の実施に向け、話し合いを進めている」と話す。慶大の岡野教授も「学内の倫理委員会と特定認定再生医療等委員会で審査中」としている。いずれも安全性に関して慎重な議論が行われているもようだ。

 

 iPS細胞の臨床応用に当たっては安全性が最大の課題となる。

 

 iPS細胞は皮膚や血液中の細胞に外部から遺伝子を導入して作製する。ヒトの体内に移植するとがん化する可能性があるため、少なくともiPS細胞から作った治療用の細胞をサルなどの動物の体内に移植してもがん化や副作用がないことを、十分に検証しておく必要がある。ヒトの体内にiPS細胞から作製した治療用細胞を移植する際に、iPS細胞が可能な限り混じらないようにすることや、万が一、移植した細胞ががん化した場合の対処法なども検討しておく必要があるだろう。

 

■16年5月に安全基準を策定、機運が再び高まる

 

 iPS細胞を使った世界初の臨床応用は、14年9月に実施された。理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらがiPS細胞から網膜の一部の細胞を作り、失明の恐れがある「加齢黄斑変性」の患者への移植した。

 

 ところが、その後、加齢黄斑変性の2例目の患者に移植しようとして作ったiPS細胞の染色体の遺伝子に異常が見つかった。がん関連遺伝子に異常はなかったが、それ以外の染色体上の遺伝子に複数の異常が認められた。この時点で臨床に使うiPS細胞の安全基準がなかったため、理研は2例目の実施を取りやめ、厚生労働省の研究班に安全性を評価する基準の策定を求めた。研究班は16年5月、615種類のがん関連遺伝子や、染色体を調べ、可能な限り異常がないと判定されるiPS細胞を使うことが望ましいという安全基準を策定。これを機にiPS細胞を使った再生医療の臨床研究を実施する機運が再び高まった。

 

 14年にiPS細胞から作った治療用細胞の移植を受けた加齢黄斑変性の最初の患者は現在も、がん化や目立った副作用はみられないという。最初の臨床応用例は、患者本人の細胞からiPS細胞を作り、それを網膜の一部の細胞に変化させてシート状にしたものを移植した。安全性や生着率は他人のiPS細胞から作ったものより高いとみられるが、患者本人の細胞を使うと安全性の検査などに約1億円の費用がかかり、細胞を培養して増やすのに約10カ月の準備期間がかかる。

 

■他人の細胞から作ったiPS細胞を活用

 

 そこで理研などは3月、他人の細胞から作って備蓄しておいたiPS細胞を変化させた網膜の細胞の一部を移植する手術を2例目の加齢黄斑変性の患者に実施した。現在まで5人の患者に同様の移植手術を実施している。備蓄した細胞を使うことで費用は10分の1以下の数百万円、患者の同意を得て手術するまでの期間も1カ月半に短縮できたという。

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さあ、これからが本番です。

 

昨日の報道では、風当たりが強くなってきたことを取り上げましたが、今やめては、これまでのことが無となりますので、続行と参りましょう。

 

さて、本日も、この後ネイチャー関連を取り上げます。

 

 

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