がん: 抗がん剤がDNAに与える望ましくない作用 | Just One of Those Things

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引き続き、Natureの今週のハイライトより。

 

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がん: 抗がん剤がDNAに与える望ましくない作用
Nature 542, 7642 
2017年2月23日   
   
ホスファチジルイノシトール 3-キナーゼδ(PI3Kδ)経路は多くの種類のがんで、非常に活性が高い。いくつかのPI3Kδ阻害剤は、白血病やリンパ腫などのB細胞がんの治療薬として承認されている。PI3Kδは発がん促進作用の他に、DNA組換えを促進する酵素AID(activation-induced cytidine deaminase)の活性も制御している。今回、PI3Kδ阻害による過剰なAID活性が、白血病やリンパ腫の培養細胞株だけでなく、PI3Kδ阻害剤による治療を受けた慢性リンパ球性白血病患者でも、ゲノム不安定性を引き起こすことが示されている。著者たちは、このクラスの薬による長期的な治療を受けている患者では、こうしたゲノムへの有害な作用も考慮に入れることを推奨している。

 

Letter p.489
News & Views p.424
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悪い知らせですが、抗がん剤の使用がうまく行かないことを科学的に示した今回の論文は、Natureのニュースにも取り上げられました。

 

これに対し、日本国家が打ち出しているプロジェクトである、iPS細胞を用いての抗がん剤の作用を調べることは、極めて有用だと思われます。

 

日本の国家プロジェクトにより、ゲノムへの有用な作用も考慮に入れた結果が打ち出せると良いですね。

 

 

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