生化学: EPRSは脂肪症と老化に影響を及ぼす | Just One of Those Things

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引き続き、Natureの今週号のハイライトより。

 

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生化学: EPRSは脂肪症と老化に影響を及ぼす
Nature 542, 7641 
2017年2月16日   
   
mTORC1(mammalian target of rapamycin complex 1)およびS6K1(p70 ribosomal protein S6 kinase 1)は脂肪症と老化に寄与する経路を活性化する。しかし、mTORC1–S6K1の既知の標的では、観察される機能喪失表現型を説明することができないことから、下流のエフェクターがさらに存在すると考えられている。今回P Foxたちは、グルタミル-プロリルtRNA合成酵素(EPRS)が、脂肪症と老化に寄与するエフェクターであることを示している。EPRSはmTORC1–S6K1によってリン酸化される。リン酸化が起こらないEPRSのノックインマウスでは、低体重、脂肪組織量の減少、寿命の延長が見られ、これはS6K1欠損マウスやmTORC1複合体の構成因子raptorを脂肪細胞特異的に欠失させたマウスと同様の表現型であった。リン酸化模倣変異を持つEPRSは、S6K1欠損マウスの体重と低脂肪状態を救済したことから、EPRSのリン酸化がS6K1依存的な代謝応答を仲介することが示された。脂肪細胞では、EPRSのリン酸化はインスリンによって調節されるようである。リン酸化EPRSは脂肪酸輸送タンパク質1(FATP1)と相互作用し、FATP1の細胞膜への移行と長鎖脂肪酸の取り込みを引き起こすことから、これで少なくとも代謝表現型の一部が説明できる可能性がある。

Letter p.357
News & Views p.299
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この論文は、Natureのニュースにも取り上げられました。

 

更なる研究が楽しみですね。

 

 

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