エボラ出血熱、2015年は流行に終止符か? | Just One of Those Things

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エボラ熱死者、8千人超し、感染者は2万人超えましたが、どうなるでしょうか・・・。


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エボラ出血熱、2015年は流行に終止符か
AFP=時事 12月27日(土)12時16分配信


【AFP=時事】アフリカ中部で過去数十年間にわたり死者を伴う短期的な流行を繰り返してきたエボラ出血熱は2014年、突如、世界規模の緊急事態を引き起こした。だが、この危機を医学史上の些細な出来事に追いやってしまおうとする科学者たちの奮闘により、流行は下り坂になりつつある。


西アフリカの貧困地域で1人が感染したのを発端に、流行は瞬く間に都市部を飲みこみ、数千人の命を奪った。恐怖の波は遠く離れた欧州や米国へも押し寄せた。


 手をこまねいていた世界保健機構(WHO)は8月になって、ようやく未承認薬などを使った試験的な治療の実施を許可。ワクチン開発が急がれる中で、既に10種類を超えるエボラ治療薬の有力候補が生まれている。


「(2015年の)3月末にかけて、こうした治療法の幾つかについて初期の臨床結果が明らかになるだろうと多くの人が期待をかけている」と、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のマイケル・クリラ(Michael Kurilla)氏は述べた。「有効性が確認できれば、そのうち幾つかを承認することが可能になる。そうすれば、エボラ出血熱の治療薬や認可された治療法が確立される」



■無関心を止めた世界


 エボラ出血熱は1976年、旧ザイール(現在のコンゴ民主共和国)で初めて診断された。2012年までに24回の流行が起き、計1590人が死亡。症状はしばしば体の内外からの大量出血を伴い、最悪の流行時には感染者の90%が死亡した。


 しかし、後天性免疫不全症候群(エイズ、HIV/AIDS)やマラリアなどと比較すると死亡例が少なく、辺境の貧困地域でしか流行していなかったことから、治療薬の研究は限定的で、それも主に生物テロを恐れる米政府が行っていた程度だった。


 豪メルボルン大学(University of Melbourne)ドハティ感染免疫研究所(Doherty Institute for Infection and Immunity)のシャロン・ルウィン(Sharon Lewin)所長は、こう解説する。「民間セクターにとって、世界の最貧困地域でしか必要とされないだろう製品に投資し商品化する誘因は、これまでほとんどなかった」


 ところが今年、年明けにギニアで始まった流行は西アフリカ諸国へと拡大し、さらにアフリカ以外で初の国内感染者を米国で2人、スペインで1人出した。犠牲者は6500人を超えた。各国政府が国境を閉鎖し旅客機の乗客の検査を行う中、エボラ出血熱に対する無関心は消え、製薬各社はこぞって治療法やワクチン、携行可能な早期診断キットなどを開発し始めた。



■有望なワクチン試験


 ワクチンの中では「cAd3-ZEBOV」と呼ばれる試験薬が、米国で健康なボランティアを対象に行われた安全性試験の第1段階で良好な臨床結果を示したことが最近報じられた。開発した英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline、GSK)はAFPの取材に、「約2万回分の試験薬を追加製造している。現在進行中の第1相の臨床試験が成功したら、すぐに次の段階に進める」と述べ、第2相試験を「15年初め」にも開始できるのではないかとの見込みを明らかにした。


 治療の先頭に立っているのは未承認薬「ジーマップ(ZMapp)」で、患者対応中に感染した複数の医療関係者に既に投与された実績がある。しかし、治験で有効性が確認されたわけではなく、在庫も尽きている。


 さまざまな抗ウイルス剤の試験も現在行われており、エボラ出血熱から回復した元患者の血清や血しょうを使った治療の試験も間もなく始まる。

 


 科学者たちは、いずれにせよ1年以内にエボラ出血熱を抑制できるとみているが、エボラウイルスはフルーツバットと呼ばれるコウモリなど媒介動物の中で生き延び、接触した人間に感染する可能性は今後もあると警告する。


 治療薬の誕生への希望が高まる一方、専門家からは医療インフラの改善や、患者の隔離・感染経路の特定・病気に関する啓蒙(けいもう)といった感染対策が最善の答えだという声も上がっている。世界健康安全保障センター(Centre on Global Health Security)のデービッド・ヘイマン(David Heymann)所長(ウイルス学)は、「過去に起きた流行はワクチンのないままに終わっていた」と指摘している。【翻訳編集】 AFPBB News

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エボラウイルスを扱えるのはBSL4レベルの施設でなければあつかえませんし、ワクチンや新薬には副作用というものがあります。


果たして、そううまく行くでしょうか・・・。



集計が困難な地域があるため確実な統計とはいえませんが、年末の感染者と死者の統計を見てみましょう。


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エボラ出血熱、世界の死者7708人に WHO
AFP=時事 12月27日(土)9時46分配信


【AFP=時事】世界保健機関(WHO)は26日、シエラレオネ、リベリア、ギニアの西アフリカ3か国のエボラ出血熱の感染者は1万9695人に上り、うち7693人が死亡したと発表した。今月22日の前回の発表ではこの3か国の感染者は1万9340人、死者が7518人となっていた。


 世界全体では、マリで6人、米国で1人、ナイジェリアで8人が死亡するなど合わせて少なくとも7708人が死亡した。ただし、ナイジェリアは10月にエボラウイルスの流行の終息を宣言した。


 また、それぞれ感染者1人が報告されているスペインとセネガルも、流行は終息したと宣言している。両国の患者は、いずれも回復している。

 感染者の多くが集中している西アフリカ3か国の最新の死者・感染者数は、以下の通り。


■シエラレオネ(今月24日現在)

死者 2655人

感染者 9203人


■リベリア(今月20日現在)

死者 3384人

感染者 7862人


■ギニア(今月24日現在)

死者 1654人

感染者 2630人


【翻訳編集】 AFPBB News

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この背景にはアフリカを軽視していたからではないかとの話も出ています。


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背景にアフリカ軽視=エボラ感染、史上最悪―判断誤るWHO、製薬は利益次第
時事通信 12月27日(土)14時54分配信


 2014年のエボラ出血熱の感染拡大は史上最悪となり、世界保健機関(WHO)の統計に8000人規模の死者数を刻んで越年する。流行の中心はギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国。同じ西アフリカ(ガーナ)出身のアナン前国連事務総長は10月、英BBC放送に対し「もし世界の別の場所を(感染が)襲っていたなら(先進国の)対応は違っていたはずだ」と述べ、積年のアフリカ軽視が事態悪化の背景にあると批判した。


 ◇死者数の「相場観」


 3月22日、ギニア保健省が「2月以来59人が死亡している」と発表し感染拡大は世界に伝えられた。いち早く現地に医療団を送り込んでいた国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は3月末、各国に向け声明を出し「前例のない流行に直面している」と強く警告した。


 ところが、WHOは翌日、「(感染地域は)限られている」と警告に反論。これ以前の流行では、致死率の高さから患者は感染速度を上回るように死に絶え、死者が300人に達することはなかった。専門家らのこうした「相場観」が判断を誤らせた。


 ◇やっと目を覚ます


 しかし、ギニア南部の山間部から、数百キロ離れた首都コナクリまで感染が広がる事態をMSFが「これまでと違う」と感じたのは正しかった。WHOが状況の深刻さを認め「非常事態」を宣言したのは、死者が2000人に迫った8月だった。感染確認は10月になって海を越えスペインや米国でも相次いだ。


 事態が欧米に飛び火して「世界はやっと目を覚ました」(アナン氏)。富士フイルムグループのインフルエンザ治療薬「ファビピラビル」(商品名アビガン)をはじめ、エボラ治療薬の開発が活性化し始めた。米紙ニューヨーク・タイムズは「エボラ治療薬の開発に大半の製薬会社が熱心でなかったのは(アフリカが相手では)利益が見込めなかったからだ」と批判したが、先進国の病気になって初めて医療の進歩の恩恵が届く厳しい現実を世界は目の当たりした。


 対応の遅れを批判されたWHOのチャン事務局長は年末、BBCに対し「WHOを含め世界全体が遅かったと言うのが正しい」とようやく「反省」を口にした。アナン氏も「(感染を阻止できる)能力のある国家の責任を問いたい」とWHOだけの問題ではないと擁護した。こうした反省を次の年は生かせるだろうか。 

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まぁ、アナン氏のそういいたい気持ちもわからないわけでもないです。


数日もしないうちに感染者と死者は増え続けています。


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エボラ熱感染2万人超える=死者は7842人に―西アフリカ
時事通信 12月30日(火)5時43分配信


 【ベルリン時事】世界保健機関(WHO)の29日の最新統計によると、西アフリカ3カ国でのエボラ出血熱の感染者(疑い例含む)が2万81人となり、2万人を超えた。死者(同)は7842人に上っている。


 感染者はシエラレオネが9409人、リベリアが7977人、ギニアが2695人。前回26日の統計から3カ国で増えた感染者計386人のうち半数以上がシエラレオネで確認された。


 ここしばらくシエラレオネで感染の広がりが目立っていたが、国連や現地衛生当局の対応が強化されてきたため、シエラレオネを含めて感染の拡大ペースは全体として鈍化してきているという。ただ、地域や時期によって感染の勢いに波があり、エボラ熱の制圧に対して楽観はできない状況だ。 

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これには、隔離の仕方が悪く、感染者が増えていることもあるようです。


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<エボラ熱>「過剰隔離、子供が犠牲」現地治療の日本人医師
毎日新聞 12月30日(火)9時0分配信


 エボラ出血熱の流行が続く西アフリカのシエラレオネで、「国境なき医師団」の医師として日本人でただ一人、患者の治療に当たった加藤寛幸さん(49)が29日、毎日新聞のインタビューに応じた。加藤さんは「世界に感染を広げないという大義名分の下で過剰な隔離が行われ、子供たちが犠牲になっている」と指摘。「現地では何も終わっていないことを忘れないで」と訴えた。【清水健二、桐野耕一】


 小児救急が専門の加藤さんは11月7日から1カ月間、シエラレオネ東部のカイラフンにあるエボラ治療センターで、主に0~15歳児の治療に従事した。


 センターは最大120人を収容でき、多い時期には毎週60~80人の患者が搬送されてきた。救急車に10人近くが押し込まれて数時間かけて運ばれ、到着時には数人が死亡していることも珍しくなかったという。


 治療に当たる外国人医師は4~5人で、全身を完全に覆い、防水性の高い防護服を着用。体力を消耗するため1回の活動は1時間に限られた。患者の吐いた物が服に付いた場合は、シャワーのように頭から消毒液を浴びて次の患者を診た。


 エボラ熱感染の疑いがある住民は、治療施設に入るまで各地の待機施設に収容されたが、この中には、親をエボラ熱で亡くして行き場のない子供もいた。「症状がない子供たちまで隔離対象にされ、無駄に感染させられている」と加藤さんは憤る。救いだったのは、発症を免れた子供たちが入る孤児院が「予想以上にいい施設だった」ことだという。


 滞在中に日本でのエボラ熱報道は激減し「西アフリカの現状が忘れられた」ように感じた。「ヒトとカネと施設があれば、死亡率はもっと低くできる。現地の人の犠牲の上にある程度の封じ込めが成り立っているのが現状で、支援の手を緩めてはならない」と力を込める。



 【ことば】国境なき医師団


 非営利の国際医療・人道支援団体。本部はなく、世界28カ国に事務局がある。1999年にノーベル平和賞を受賞した。日本では約300人の医師や看護師、事務スタッフが登録し、毎年90人前後が世界各国に派遣されている。エボラ出血熱対応では今年3月から現地支援に入り、7カ所で治療センターを運営。日本からは延べ16人が派遣されている。

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「過剰隔離」という言葉は誤解を招くかもしれませんが、要は、感染していない子供まで一緒に隔離されて、そのせいで子供に感染してしまっているって話です。


西アフリカで活動する日本人職員によれば、「死者崇拝、葬儀で感染した死者は7割」だそうで・・・。
http://mainichi.jp/shimen/news/20141204ddm007030062000c.html



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エボラ熱死者、8千人超す 感染者は2万人超 WHO
朝日新聞デジタル 1月3日(土)1時33分配信


 世界保健機関(WHO)は2日、西アフリカで大流行中のエボラ出血熱の死者数と感染者数のデータを更新した。それをもとに集計すると、死者が8004人、感染者が2万416人に達した。


 今回の更新で、シエラレオネが感染者9633人で死者2827人、リベリアが感染者8018人で死者3423人、ギニアが感染者2730人、死者1739人となった。また、英国が感染者1人、マリは感染者8人、死者6人だった。


 一方、データが更新されなかった国の死者数は、米国が1人、ナイジェリアが8人。これらを足し合わせると、死者は8千人を超えた。(ジュネーブ)

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どう感染するか、ウイルスの違いをみてみましょうか。


【どう感染?】エボラと他のウイルスとの違い
http://mainichi.jp/graph/2014/11/13/20141113ddm013100014000c/002.html


日本国内では、現在はエボラウイルスを扱ってもよい施設がなく、検査や治療の態勢が十分でないとの指摘が出ています。


バイオセーフティーレベル4(BSL4)に相当する施設が整備されてはいますが、地元住民が施設の運用凍結と移転を求めており、国は一度も運用許可を出せない状態でした。

このため、国内でエボラ熱が発生しても、患者の血液にエボラウイルスが存在しているかを確かめる検査しか行えません。

ウイルスの性質や患者の体内でウイルスがどのような状態にあるのか、薬の効果などは調べることができません。


このため、医療関係者は下記のような状態だったようです。


ウイルス侵入阻止の水際対策が続くエボラ出血熱について、全国の医療機関が「いつ患者が受診に来るか分からない」と危機感を強めています。
http://mainichi.jp/shimen/news/20141114dde041040024000c.html



さて・・・どうなりますでしょうか・・・。


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