仏を表現する | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

仏の姿を表したものをふつう「仏像」とよんでいます。


「仏」は、本来はブッダを意味するものであるから、仏像といえば正確には如来の像をさすべきでありますが、一般的には菩薩や明王、天、さらには羅漢(らかん)や祖師像なども含められることもあります。


つまり、寺院で広く礼拝の対象とされている諸像全般をさして、「仏像」とよぶことが多いです。



また、仏像の「像」には、大別して彫像と画像があり、彫像には材質や素材の違いによって、次の像があります。



【金属像】

青銅を用いた銅像のほか、鉄や金・銀などで作られたものがあります。青銅製の像の表面に「鍍金(ときん)」(金メッキ)を施したものは、とくに「金銅仏(こんどうぶつ)」ともよびます。


【木像(木彫像)】

飛鳥時代には主としてクスノキが用いられましたが。平安時代から木彫像が全盛になると。ヒノキが主流となりました。そのほか、ビャクダン・カヤ・サクラ。ケヤキなども用いられました。1材から頭・体の幹部を彫出(ちょうしゅつ)する造像法を「一木造(いちぼくづくり)」、数材を規則的に組み合わせる造像法を「寄木造(よせぎづくり」といいます。


【乾漆(かんしつ)像】

土で像の大要をつくり、この表面に麻布(あさぬの)を幾重(いくえ)にも漆(うるし)で貼り重ね、乾燥後に型の土を除いて内部に木枠(きわく)を入れて支え、表面を「木屎(こくそ)漆」(樹皮や朽木の粉末を漆に混ぜてペースト状にしたもの)で細部を肉付けし、成型します。


【塑像(そぞう)】

塑土(粘土)でモデリングした像のことをいいます。藁(わら)すさを混ぜた粗い土からきめの細かな土へと順に数層を盛り上げて仕上げます。なお、木像・乾漆像・塑像では、表面に漆を塗って金箔(きんぱく)を押したり(漆箔)、彩色を施したりして仕上げるのが一般的であります。


【石像】

石材を用いた像をいいます。丸彫りの像のほか、丘陵の岩盤に反面(前面)を掘り出した「磨崖仏(まがいぶつ)」があります。



一方、画像には、紙のほか絹・麻などに描いたものがあり、諸色を用いて彩色を施したものや、墨一色で描いた水墨画に属するものまでさまざまであります。


わが国・日本の仏画でもっとも多いのは、絹に彩色(絹本着色)したものであります。



さらに、仏像はその姿勢によって、「立像(りゅうぞう)」・「坐(ざ)像」・「半跏(はんか)像」(片足を踏み下げて坐る)・「倚(い)像」(椅子に坐る)・「跪(き)像」(跪いた姿)・「臥(が)像」(横たわった像。涅槃像)などとよびます。


また、表現された場面によって、「誕生像」・「降魔(ごうま)像」・「説法像」・「涅槃像」とよぶこともあります。