暇なので、栗原先輩に電話してみた。

 

先輩は今、自宅と都内職場を隔日で行き来しているのだとか。

「自宅で一人で仕事していると、なんだか鬱々しちゃうよ」

と言っていた。

 

不思議だなあ。女性でそんなこと言う人はほとんどいないのに、男性はそう感じる人が多いようだ。

女性のほうが、自分で楽しみを見つけられるのかな。家事とかでも、きちんとやってみれば、あっという間に時間が過ぎるよ。

 

人間暇になると、余計なことを考え始めるのか、私達は卒業後ついぞ話題に上げることもなかった高校時代の同級生の話をした。

 

「M、どうしているかなあ。同窓会でも、あいつのことを知っている人は全然いなかったんだ。もう地元に住んでいないのかもな。」

 

Mさんは、栗原先輩と高校時代とても仲が良かった人だ。先輩は当時から? 特異ないじられキャラで人気があったが、Mさんは活発で発言力があり、生徒会長も務めるような、先輩とは違ったタイプの人気者だった。

私が感じるに、Mさんは先輩のことが大好きだった。変な意味じゃなく、男同士の熱い友情というか、そういう感じだった。

 

そんなMさんだったから、大学卒業後地元に戻っているなら、いろんな人の目につく所で活躍していそうだった。でも同窓生たちが彼の噂を全く聞くことがないということは、地元には住んでいないのかもしれないね、と話した。

 

私はMさんの名字しか覚えていなかったが、先輩は名前も漢字もよく覚えていた。なあんだ、それならネットで検索して見ればいいじゃないか。ということでさっそくググってみると、Mさんの消息はすぐに出てきた。

 

彼はちゃんと地元にいて、M学習塾を経営していた。

生徒たちとの写真などもちゃんと載っていて、息子さんもその塾の指導者として後を継いでいるような様子だった。

へえー、ならなんであの田舎で人の口の端にのらないのかな。なんだか意外だった。

 

ついでに、と言っては何だが、私達と共通の知り合いの、他の元同級生の名前もググってみた。こういうとき、あまり特徴的でない名字や名前だと、日本中に同姓同名がたくさんいて、なかなか見つかりにくい。最近のキラキラネームを持つ子どもたちは、成人後知り合いからネットですぐに特定されるという危険も持つことを忘れてはならない。

 

私達の共通の知り合いでちょっと珍しい名字の男子がいた。その人をググってみると、彼もすぐに出てきた。

 

先輩の同級生で、私の先輩でもある彼は、日本国が存続する限り潰れる心配がなさそうな某大手企業に勤めており、現在は某県の局長をしていた。

彼が地元ロータリークラブで講演をしているところの写真もあった。撮影当時は既に50歳を超えていたはずの彼は、ハゲでも太ってもいない、なかなかかっこいいナイスなオジサマといった風情を醸していた。この人なら、たとえ若い愛人がいたとしても、それほど不思議はないとさえ思えた。

 

ほっほう〜ラブラブ と思った私はさっそくこの写真が載っている記事をリンクして、栗原先輩に送った。

ところが、返信には、他のことは書いても彼については何の言及もされていなかった。

 

「XXさんのことは軽く無視ですか。嫉妬しているんだなニヤニヤ

 

と返信してやると、

 

「いちいちウルセー、そんなことに構ってられないんだよムキー

 

という返事が来た。あれまあ。

先輩は、私がケメ子の話をするたびに、

「おまえは嫉妬しているんだろうグラサンと能天気かつ的はずれな対応をしていたくせにさ。

 

まあ、いいわ。

先輩には、あれからケメ子からの連絡はない。私には当たり前に思えるが、先輩はもう4ヶ月以上も経ったことだし、自分から連絡をしてみてもいいんじゃないかと思っているそうだ。

 

これまでの経緯はこちら ⇨ パパ活を真実の愛と勘違いした男の末路

 

やめなよ・・・ ショボーン

第一、彼女の携帯はもう先輩をブロックしているのだから、連絡の取りようはない。

 

「こんなに一方的は終わり方は、自分としては受け入れられないんだ」

 

と先輩は言うけれど、彼女はよくよく考えて決断したのだ。最後のイザコザを起こすことなく、きれいに終わらせたかったのだろう。

それに、こうなるまでに彼女は何らかの兆候を見せていたはずで、それに気づかずにいた先輩は、やはり超絶鈍感なオヤジだったのだと言える。

 

ああ、先輩! 

 

私には自分からは言い出さないけれど、ケメ子のことを考えると心中は今も穏やかではないはず。

ま、それに自分より出世してて見た目も良いかつての同級生を見て、それほどうれしくはないかもね。男性の方が女性よりある意味嫉妬深いものだから。

 

人生逆転! って、私達の年齢になったらもうよほどのミラクルがない限りあんまりありえない。

先輩! 元気出してや。ひょっとしたらもうすぐ第二のケメ子に出会えるかも。

 

なんちて。

 

 

 

 

(今日のスウェーデン写真)

 

不要不急の外出を避ける中、楽しみなのは大きなゴミを近隣の集積所に捨てに行くこと。

先日行ってみたら、収集車が来てました。

ここには、新聞紙、ダンボール、プラスチック、瓶、メタルを捨てることができます。