前回はおめでたい話を書いたので、今回は悲しい話をば・・・。

私のフェイスブックに、友人がシェアした見知らぬ人の投稿が入っていた。

その投稿を書いた彼女はストックホルムに住む中年女性。
「盗まれた金のペンダントを探している、誰か知りませんか」という内容だった。それによると、11月のある夜、ストックホルム中央駅近くのコンビニから出たところ、若い男性の一群に襲われ、身につけていたペンダントを引きちぎられてしまった。
しかし、この金のペンダントはただのペンダントではない。彼女にとってはとても大事な物だったのだ ・・・ 今年3月に亡くなった一人息子が死んだとき身につけていたペンダントだったのである。

彼女の息子は、路上で何者かに撃たれ20歳の短い命を閉じた。
犯人はわかっていない。
これが白人の女の子が被害者なら、メディアなどで大々的に目撃者を募るのだが、「郊外に住む黒人の若者が殺されたなんて、ギャングの抗争だろうと思われて誰も気にしないのね」
と彼女は言う。残念ながら、当たっていると思う。

しかし彼は彼女にとってただ一人の子供。携帯にはまだ彼の電話番号が登録してある。彼は絶対電話をかけて来ないのに、そこにかけても誰も出て来ないのに。

・・・

これらはすべて、彼女のフェイスブックから知り得たことである。
読んでいて涙を禁じえない。

彼女からペンダントを奪った集団は、最近市内によくたむろしているといわれるモロッコ出身のストリートチルドレンらしい。それはコンビニ店員が彼女に教えてくれたそうだ。
モロッコのストリートチルドレンがどうやってこんな北国までやって来れたのか定かではないが、夜中に徘徊し女性を暴行したりなど、かなり恐ろしいニュースも目にする。
私ももう夜中に街には出ないようにしている。

星空

恐らく可能性はとても低いだろうけれど、彼女の元にペンダントが戻って来るといいなと思う。
私には何もできないけれど、せめて冬空の星に祈ろう、彼と、彼女のために。