我孫子市が若い世代の転入者を増やす取り組み | 栗原もとき オフィシャルブログ Powered by Ameba

我孫子市は新年度から、若い世代の定住化を促そうと、市内で新たに住宅を取得した49歳以下の夫婦や一人親世帯などを対象に最大30万円を補助する新制度を開始しました。制度取得者に子どもがいる場合などは項目ごとに補助額を加算し「我・孫・子、3世代で暮らせる街」のイメージ定着につなげるそうです。



制度では住宅を取得する49歳以下の夫婦か一人親世帯を対象に基本額10万円を補助。

(1)取得者に中学生以下の子どもがいる

(2)取得者や配偶者の親が市内に居住している

(3)市外からの転入

(4)湖北や新木、布佐など市東側での住宅取得

計4項目を設け、各条件に当てはまるごとに5万円を加算する。

 


49歳以下の単身者向けに、最大15万円を補助するプランも併せて始める。いずれも7月をめどに要綱をまとめて受け付けを開始し本年4月1日にさかのぼって補助を行う。



建築住宅課によると、市は定住化促進施策として所有住宅を改修工事した市民向けに「市住宅リフォーム補助」を行ってきたが高齢者の利用が多く、若い世代の転入にはつながらなかった。市内では震災以降人口が減少し、出生者数も2年連続で1000人を割り、市長は「制度が住む場所を選ぶ際の“プラスアルファ”になれば」と期待する。



我孫子市の取り組みでどれ位の転入者が見込めるのか見て行きたいと思いますが、私達の住む野田市でも他人事ではありません。人口の高齢化と共に地域の活力が衰退しています。さらには複合型ショッピングセンターの進出により商店街の顧客が奪われ、近隣市の大型ショッピングセンターなどにより、若者の購買など市外への外出が習慣になっています。日本の総人口の高齢化に伴い、この問題は地方の各自治体では増加を辿る一方です。



それに伴い我孫子市のように様々な対策を採る自治体も多くあり、野田市でも空き家を利用した条例を制定しましたが、転入者を呼び込む意味合いでは少なく、空き家等の管理の適正化を図ることにより、倒壊等の事故、火災、犯罪等を未然に防止し、もって良好な生活環境の保全及び安全で安心なまちづくりの推進に寄与することを目的として、野田市空き家等の適正管理に関する条例を平成25年10月1日から施行しています。



転入者の部分に対しては売却や賃貸を希望する空き家の所有者に、購入や賃借を希望する方を紹介する「空き家バンク」を創設し、購入や賃貸に空き家の改修が必要な場合は、25万円を限度に改修費用の2分の1を市で助成しています。



それだけでは空き家問題の解決は難しいと考えています。

市に確認したところ半年が経過した段階で、現在まで3軒の登録があり、1軒は市が介して借り手が見つかり、もう1件は市を介さないで業者で決まったそうで、現状としては1軒のみ登録となっています。問合せは多くあるようですがまだまだ実績には結びついて行かない様子です。市が実践した平成23年度の空き家調査では総世帯数約6万戸に対して空き家は約1000戸です。それから3年が経過していますので増加傾向が考えられますが、市では今のところ空き家数調査の実施予定は無いそうです。



空き家条例や空き家バンクは自治体では先進的な取り組みです。良好な生活環境の保全の観点からもとても素晴らしい取り組みですが、利用してもらわない事には意味がありません。それも踏まえて野田市への転入者を増加させることにも注力し様々な取り組みをする必要があります。それには野田市をブランド化し魅力ある自治体にしなければいけません。それは野田市に住む私達の将来にとってもとても重要な事です。



野田市の衰退に繋がる問題

◆人口の高齢化

◆市内の個人商店の衰退

◆若者の働き場所の不足

◆若者の働き場所を求めた転出

◆創業し雇用を生み出す人材の不足

◆転入者を呼び込む対策の不備

◆歴史、文化、イベント、特産品、農産物など一元化したブランド力の情報発信不備



ではどうやって転入者を増やしていくのか?

ただ、助成や補助を出したのでは増えて行く可能性は難しいのではないでしょうか。



例えばテーマに絞った人材を誘致したりする必要もあります。

徳島県神山町ではクリエイティブ人材を誘致する驚異の「創造的過疎」の地域づくりをブランドテーマに掲げた取り組みを実施し成果を上げています。行政の取組の成果ではなくNPO法人グリーンバレー の活動によるところが大きいと言われてそのミッションは、「日本の田舎をステキに変える」ことでした。



☆神山町の3つのビジョン

(1)「人」をコンテンツとしたクリエイティブな田舎づくり
(2)多様な人の知恵が融合する「せかいのかみやま」づくり
(3)「創造的過疎」による持続可能な地域づくり


「創造的過疎」とは、人口減少というマイナスの現実を与件として受け入れたうえで、クリエイティブな人材を積極的に誘致することにより人口構成を創造的なものに変化させることにより地域を根本的に変えていこうという考え方です。この考え方によれば、起業家、IT 技術者、アーティスト、クリエーター、職人といった広義のクリエイティブな人材の移住が優先されることになります。そして、このような取組により形成される神山という町のイメージが一層都会の移住希望者を惹きつけることに繋がると感じます。



私も神山町の取り組みのように移住希望者を惹きつける仕組みを考えていく必要があり、野田市が抱える衰退する各問題を別々に考えるのではなく、野田市のブランド化や何かテーマを絞り実践して行くことが望まれます。行政だけではなく、市民、市民団体、NPO、各種法人などが一体となって行わないと成し遂げられない問題でもあります。



私が野田市のお役に立てる時がきた際には、街が一体となる架け橋となるべく、この問題に関して真摯に取り組む事をお約束します。