セキスイハイムの40周年記念CM、春篇夏篇に続いて秋篇の音楽を担当させてもらいました。今日3日からオンエアされるようです。テレビだと「がっちりマンデー」「鉄腕ダッシュ」などの番組を見ていると遭遇するらしいですが、30秒サイズしかないのでそんなに露出も多くないようです。僕もテレビでは過去1回しか見たことないです。ウェブでは30秒サイズ以外に1分強のディレクターズカット版も見られるので、これね、是非とも見てみてください。ココです。今なら秋篇のページにしおりがはさんであります。

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そのディレクターでありますところの加藤久仁生監督でありますが、なんと先日の録音が音楽スタジオ初体験だったらしいです。そうだったのかー! まあ、それもそのはずというか、春篇も夏篇も、それに「つみきのいえ」や「R」や「或る旅人の日記」ですら、つまり僕が音楽を担当させてもらった作品は全て自宅完パケものだったのでした。

それが今回の秋篇にて、いきなり立派なスタジオ、しかも小編成でありながらオーケストラ仕立ての録音だったので、普段は温厚な加藤くんもテンション上がりめで、社会科見学にでも来た子供のようにカメラ片手にうろちょろしてました。でもいざオケの録音が始まるとシャッターを切らなくなったので「演奏してるとこ撮らないの?」と聞くと「ガラス越しでもカメラを向けると演奏している皆さんが気にされるかと思って。」と言うんですよ。うーん、こういう繊細な人でないとあのタッチの絵は描けないんだろうなあ、なんて思いました、ちょっと。

あ、肝心の音楽の中身ですが、秋篇は「旅愁」のアレンジ版です。今回はテレビ用とウェブ用でアレンジを替えて、とくに後者は一部やや劇伴仕立てな作りにしました。コンテを見てそうしたくなったのと、せっかくオケなのでというのと。

今になって気付いたのですが、数年前、栗コーダーでスターウォーズのカバーをウクレレ企画でやった時、僕が担当した曲がちょっと劇伴仕立ての曲だったのだけど、あの曲のジョン・ウィリアムスのテイストが若干だけどオブリのフレーズなんかに出ているかもしれないかなあ。あくまで雰囲気だけですけど。

なんだか音楽って、こうやって自分でも気付かないうちに昔聴いた曲の影響が、そして頭では完全に忘れてしまっているような旋律さえも、自然ににじみ出たりするから不思議なもんだなあ。無意識下でしか起きえない何かって、これ、音楽だけではないかもですが、ありますよねえ、確実に。だから普段から音楽を浴びるように聴いたり、映画をたくさん見たりしておくことは決して無駄にはならないなあと思うわけです。

以上、月の庭の宿から鈴虫(?)の鳴き声を聞きながらお届けしました。

近藤