さて今は25日(夜が更けたから26)。
今日の最高12.1℃はまあいいとして、昨日は雨が冷たかったなあ。
最高7.2℃とは、参りますねー。

んさて、古いのをなんとかしないと。
もう読んでいただかなくとも、くらいの感じでね(?)。


◎3月11日はTV番組録音仕込み

予定より立ち上がりがやや遅れる。旅と演奏と鍋の疲れがまとめて出たー。
そして、作業の分量が思ったより多く、やってもやっても終わらず、結局徹夜になってしまった。


◎3月12日はTV番組録音本番の日

そんなんで前日から続いたまま、録音に出かけます。14時から西麻布のスタジオにて。
リズムセクションを3時間。この日は栗コーダーメンバープラスで。

しかーし!!!
楽しくやっていたら時間内に終わらず、30分~1時間ほど押してしまった(人によって違う)。
一番の原因は昨日からの準備と同様、全体の作業量の読み誤りである。

短めの曲を四曲録るのだが、それぞれに微妙に違う複数のタイプが必要な、イレギュラーなプログラムだったのだ。この場合、タイプ数も含めてカウントすべきで、つまり9曲分、という心づもりで最初から取りかかるべきであった。
(回りのみなさんに申し訳ないことをしてしまったが、このことを次の機会に活かすようにしたい。しかし、まるで同じアルゴリズムでこなせる仕事は殆どなく、応用力を身につけるしかないのだ。)

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あっちの土産を差し入れてみた。
奥、すごいパッケージののりせんべい(風)は、パリッ!としておらず眠めの味で、これは狙い通り。手前のは、こんな色なのに不思議とウマくて好評。意外であった。


その後ひきつづき夕方からブラスセクションのダビングあり。トランペット×3、トロンボーン×3で、厚みのあるリッチなオケになりました。大成功!

ところで自分がスタジオで録音する場合、用意する譜面は二種類に分かれる。

リズムセクション(ドラム、ベース、ピアノ、ギターなどのベーシックな楽器)の録音や、栗コーダーや周辺の親しいミュージシャンにお願いする場合は、全員で共通の譜面を使う事が多い。これは単純化したスコアのようなもので、曲の殆どの情報が書いてある。その場でパートの割り振りなどを臨機応変に変えたりするのに、全体を把握してもらった方が都合が良いからである。

逆に緻密な曲や、オーケストラっぽい曲、そして木管、金管楽器やストリングスのプレイヤーの方には、個別のパート譜がマストとなる。
プロの演奏家が短時間のセッションで求められたクオリティーの演奏をするためには、読みやすい自分の楽器専用の楽譜が必要不可欠なのである。

そのパート譜を作成するのが、通称「写譜屋さん」で、この仕事はあまり知られていないのではないかと思うのだが、アレンジャーのスコアから、各パートの情報を抜き出し、パートごとに見やすく正確に清書する。音符がきれいに書けるだけではダメで、ちゃんとした音楽的知識も必要なかなりの専門職である。

近藤君のように、早め早めに準備して数日前にスコアが完成していれば良いのだが、自分のような、ぎりぎりまでアレンジが出来上がらないタイプの作家も多いようなので、短時間で正確かつ美しい譜面を仕上げなければならない写譜屋さんは、とてつもなくハードで、かつ大変重要な仕事なのである。

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この日のある曲のブラス用のスコア。わりとキタナイ。
トランペット三本が一段、二段目とばして三段目にトロンボーン三本がまとめて。
赤いのは現場、セッション中に書き込んだ修正ポイント。

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写譜屋さんの書いたファーストトロンボーンのパート譜。
うわ、読みやすい!!!(曲名は見えないようにしたぞ。ふふ。)

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1ページ目を拡大してみる。たいしたアレンジじゃないし良いだろう。
うすいエンピツ書きは、プレイヤーによる現場修正部分の書き込み。
(ところでこういう画像、メロ譜だと問題が出るでしょうね。これ、伴奏なので問題ないと踏んでいるが、何かあったらまずいかなー。いかん!って場合、消すかも知れません~)

それにしても手書きの美しい譜面は眺めているだけで気持ちよいもの。
楽譜作成ソフトもずいぶんがんばっているけれど、読みやすさは上手な人の手書きにはまだまだかなわない。実用に耐える譜面にするには、時間をかけてレイアウトなど調整する必要があると思う。

楽譜出版などの浄書は別として、一般的なスタジオレコーディングの現場で譜面のDTPがどれくらい使われているか、実は良く知らない。自分の知る限りではほとんどないのだが、もしかすると自分は少数派で、ただ古いやり方をしているだけけも知れない。ま、何にしてもとにかく、今んとこ現場は手書きに限る。


ついでに。
いないと思うけどアレンジャー志望の方。くれぐれも、打ち込んだ音符をそのままプリントしたものをプレイヤーに渡す、なんてことはやめましょう。これは最悪。優れたプレイヤーの方は演奏も人格も一流なので、きっと何も言わずに演奏してくれると思いますが、プロフェッショナルに対して最低限の礼儀が必要では、と思うのです。
(少々キタなくても自分で書いたものの方が良いのです)

……しまった、オレは何をえらそうに書いてるのだ。オレが何さまだというのだ。書いているうちに録音時の譜面のことについて熱く語ってしまった~~。
当初はこのスタジオで出た自家製の晩ごはんのすばらしさについて書きたかったのだ。よって食べたものだけ記す。

鰆の味噌マヨネーズ焼き、わかめご飯、肉団子のお椀。それに大きめの小鉢がまた充実で、肉じゃが、ナムル風の野菜。食後にフルーツのヨーグルト。



写譜屋さんあってこそ、アレンジャーは仕事が出来るというもの。いつも本当に感謝しております。
(今回はアイ・ミュージックさん作成の楽譜を掲載させていただきました。ありがとうございました。)


栗原