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(仮)アホを自覚し努力を続ける!

アウグスティヌスの格言「己の実力が不充分であることを知る事が己の実力を充実させる」

男子会で考える、若年層の恋愛離れと今後の動向?
(ニッセイ基礎研究所 生活研究部門 研究員 久我尚子)


 先日、家族でディズニーランドへ行った。あるアトラクションに並んでいると、後ろは男子大学生3人組だった。若い男性にとって、ディズニーランドはデートで行くところかと思っていたが、最近こういう若者が増えているそうだ。女子会ならぬ男子会として、カフェでスイーツを食べたり、旅行で岩盤浴を楽しんだりもするらしい。また、女性のような行動を取るからといって、ファッションやヘアスタイルに気を使いすぎていることもないようだ。ディズニーランドの3人組もチェックのシャツにチノパン、パーカにデニム、こざっぱりとしたヘアスタイルという男子大学生でよく見かけるごく普通の外見だった。

 彼らを見た瞬間、私の頭には日頃、仕事で使っているキーワードやデータがパっと浮かんだ。「異性との交際の消極化」「6割の未婚男性には交際相手がいない」「しかも、その半分は交際を望んでもいない」「男子会」「男女の趣味のボーダーレス化」「草食系男子」・・・。ディズニーランドの彼らはデータにあらわれる傾向を直に目にしたようで感慨深かった。

 ところで、草食系男子という言葉は、2006年にマスコミで使われ出したものだ。「恋愛に縁がないわけではないのに積極的ではない、肉欲に淡々とした男子」「異性と肩を並べて草を食むような新世代の優しい男子」などと定義されている。草食系男子は既に浸透した言葉だろうが、最近では「絶食系男子」なるものも存在するらしい。

 結婚相談所のオーネットでは独身男性を5つに分類している。


・肉食系男子:恋愛に興味旺盛で、女性に果敢に攻める(13.6%)

・優柔不断男子:恋愛に興味はあるが、積極的になれない(27.0%)

・迷走男子:恋愛に興味はあるが、交際経験も乏しくさまよい続ける(29.3%)

・草食系男子:恋愛にガツガツせず、心優しいが女性が苦手(15.7%)

・絶食系男子:恋愛に興味はなく、女性無しで人生を楽しめる(14.4%)


 草食系男子の定義は前述とやや異なるが、この草食系男子と絶食系男子が先の「交際を望んでもいない」に通じるのだろう。なお、同調査によると、恋愛に消極的な男性が多いものの、大半は結婚を望んでいる。しかし、独身でいる理由は、肉食系男子以外では首位は「出会いの機会がほとんどない」であり、次いで「経済・雇用の不安」(絶食系男子は同率首位)や「自分(の恋愛力)に自信がない」(迷走男子)が多い。なお、肉食系男子では「経済・雇用の不安」「自由さ気楽さを失いたくない」が多い。

 つまり、結婚できない男性の課題は、まずは「出会い」のようだ。これを解決するために同社のような結婚紹介サービスのほか、最近では婚活支援に乗り出す自治体も多い。今後も恋愛に消極的な若者は増え、このようなサービスは拡大していくのかもしれない。

 この先日本はどうなっていくのだろう、とやや不安になるが、ここで思うのは、何ごとにも揺り戻しがあるということだ。例えば、男女雇用機会均等法が整備され女性の社会進出が進んだ頃、結婚をしない選択、子どもを持たない選択は、新しい価値観として、もてはやされたところもあったように思う。しかし、その後(様々な背景はあるが)若年層では結婚をしたい、子どもを持ちたいという意識が高まっている。もしかしたら今は絶食系男子の登場などにより生じている若年層の恋愛離れも、時間とともに中庸に落ち着くのかもしれない。

 その時に重要なのは、若年層が恋愛や結婚をするために支障のない経済力を持っていることだ。また、経済力と草食系男子の数は反比例するようにも思う。

 いつの時代でも上の世代では若者の待遇改善より、新しい価値観の批判が先行する。しかし、将来の担い手は間違いなく若者であり、若者の経済的自立は優先されるべき課題だ。

特定労働者派遣事業に何が起きているのか?
(ニッセイ基礎研究所 生活研究部門 主任研究員 松浦民恵)



2――特定労働者派遣事業所増加の要因~「一般から特定へ」と「請負から特定へ」


2|もう一つの要因~「請負」から「特定」へ


 一方、特定労働者派遣事業の事業所数については、2008年以降だけでなく、2004年から2008年にかけても大きく増加している。2004年は製造業派遣が解禁された年であり、この後、いわゆる「偽装請負」に対する行政指導が強化された。


 ここでいう「偽装請負」とは、本来派遣の形態とすべきところを、請負の形態をとっているケースを指す。つまり、請負の場合、発注企業は、請負会社が雇用する労働者に対して指揮命令を行えないかわりに、基本的には労働者の安全管理責任も負わない(ただし、労働災害防止のための場所的な安全管理責任は負う)。一方、派遣の場合、派遣先は派遣会社の雇用する労働者に対して指揮命令を行えるかわりに、労働者の安全管理責任についても主に派遣先が負うことになる(図表2)。すなわち、派遣契約の「派遣先」に比べて安全管理責任が限定的である請負契約の「発注企業」が、請負会社の労働者に対して、請負契約では行えないはずの指揮命令等を行っている場合は、「偽装請負」とみなされ、本来あるべき姿である派遣契約に切り替えるよう、行政指導がなされたわけである。



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 「偽装請負」に対する行政指導は、製造業だけでなく、情報サービス業や運輸業等の他の業種にも及んだ。既存データで実態を把握するのは難しいが、この過程で、これらの業種の多くの請負会社が、労働者派遣事業の認可を受けた可能性が高い。


 つまり、特定労働者派遣事業拡大については、規制の厳しい「一般」から届出だけの「特定」へ流入しているという要因だけでなく、他業種の請負会社が、請負の適正化によって派遣事業に参入してくるという、もう一つの要因がある。むしろ「一般」から「特定」へという流れに先んじて、「請負」から「特定」へという流れがあったと考えられる。



3|「特定」と「一般」における派遣労働者数の変化


 図表2は、政令で定められている26業務(派遣受入期間の制限なし)と、2004年に派遣が解禁された製造業務(派遣受入期間は3年まで)の派遣労働者数を、2005年と2011年で比較したものである。この間の伸び率をみると、製造業務を含む計27業務のうち11業務で、一般労働者派遣事業の派遣労働者数が減少し、特定労働者派遣事業の派遣労働者数が増加している。すなわち、ここでも前述の「一般」から「特定」へという流れが顕著に読み取れる。


 一方、「請負」から「特定」へという流れに関して注目すべきは、特定労働者派遣事業の派遣労働者の業務構成の変化である。これらの業務のなかで、2005年は「機械・設計」(16.8%)、「ソフトウェア開発」(16.5%)が上位2位だったが、2011年には「ソフトウェア開発」(19.3%)、「製造業」(16.8%)が上位2位となっている。つまり、特定労働者派遣事業において「ソフトウェア開発」の存在感が顕著に高まっていることがわかる。この背景としては、情報サービス業の多くの企業が、本業を遂行するために、「請負」から「特定」へと移行してきている可能性が考えられる。

特定労働者派遣事業に何が起きているのか?
(ニッセイ基礎研究所 生活研究部門 主任研究員 松浦民恵)



1――増加する特定労働者派遣事業所と行政指導


 アドバンスニュースによると、東京労働局や大阪労働局など14都府県の労働局が2013年に入って報道発表した、派遣法の違反行為による事業停止命令などの総計は、3月28日までの約3カ月間で298社にのぼり、このうち274社は特定労働者派遣事業の派遣会社だという。


 周知のとおり、派遣事業には一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の2種類がある。一般労働者派遣事業には登録型派遣や日雇い派遣が含まれ、派遣先が決まったところで派遣会社との雇用契約が発生することから、事業認可に対してより厳しい規制が適用され、許可制となっている。一方、特定労働者派遣事業は派遣会社に常時雇用される労働者を対象とする派遣であることから、規制が比較的緩やかで、事業認可は届出制となっている。


 近年、この特定労働者派遣事業が顕著に拡大してきている。特定労働者派遣事業の事業所数の推移をみると、2000年から2008年までは「一般」「特定」ともに事業所数が増加しているものの、その後は「一般」が減少し「特定」が増加している。2011年時点では、特定労働者派遣事業の事業所数は53,039ヶ所と、「一般」の19,832ヶ所の2.7倍にのぼっている(図表1)。



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2――特定労働者派遣事業所増加の要因~「一般から特定へ」と「請負から特定へ」


1|一つ目の要因~「一般」から「特定」へ


 派遣・請負に関する有名な論客であるヒューコムエンジニアリング株式会社代表取締役の出井智将氏は、この現象を「ワニの口」化と呼び、「建前上、常用雇用の派遣労働者だけを派遣できる事業」であるはずが「有期雇用の反復継続(の予定)は常用と認め、届出だけで特定労働者派遣事業を許している実態」のもと、2008年のリーマンショック後の一般労働者派遣事業への規制強化ivの動きによって、要件が厳しく審査もある「一般」から、届出だけの「特定」へと流れる「安易な傾向」があると警鐘を鳴らしている。思い起こせば 2009年は、登録型派遣の禁止を含む改正派遣法案を提出した民主党・社民党・国民新党による政権が樹立され、登録型派遣の禁止が現実味を帯びてきた年である。


 昨今の特定労働者派遣事業に対する行政指導増加の背景にも、出井氏が指摘したような課題意識があるのではないかと推測される。