劇団員の奈綱です。
ブログの順番がまわってきました。
最近、読んでいた本があります。
朝井リョウさんの『死にがいを求めて生きているの』という本です。
朝井リョウさんの本を読むのは『正欲』を含めて2作目です。
『正欲』は、本屋さんに行った時に、インパクトのあるタイトルと表紙が目に止まって、気になって買いました。
今回も朝井リョウさんの本を読もうと思って探していたわけではなく、たまたまスマホの画面から、この本のタイトルの『死にがい』っていう言葉が目に止まって、気になって読んでみることにしました。
ストーリーの内容はあまり書かずに、作中の言葉を少しだけ拝借しながら、思ったこと感じたことだけ、ちょこっとだけ、書こうと思います。
あらすじ↓
俺は、死ぬまでの時間に役割が欲しいだけなんだよ──日常に倦んだ看護師、承認欲求に囚われた大学生、時代に取り残されたTVディレクター。交わるはずのない彼らの痛みが、植物状態の青年・智也と、彼を見守る友人・雄介に重なるとき、歪な真実が露わになる。自滅へとひた走る若者たちが抱えた、見えない傷と祈りに触れる物語。
『平成』が舞台のお話です。
ゆとり教育。
運動会で勝ち負けを決めない。
テストの順位発表をしない。
ナンバーワンよりオンリーワン。
あなたはあなたらしく。
でも、対立をすることでやる気がみなぎる人がいる。
対立による摩擦でしか体温を感じられない、そうしないと、生きがいや生きている意味を見出すことができない人もいる。
この本の登場人物も。
わたしは競ったりすることはあまり好きじゃないと思っていたけど、思い返してみたら合唱コンクールとかは金賞をとりたくて一生懸命になってたなぁと思う。
ライバルがいることで、自分が成長することもあるんだろうしなぁとも思う。
誰かと比べる必要はない。
ありのままのあなたでいい。
その言葉に助けられることも、きっとたくさんあるんだけれど、その言葉をそのまま受け入れて生きられる人はどのくらいいるんだろう。
ありのままで、あなたはあなたらしくって言われても、わたしはやっぱりよく他人と自分を比べてしまう。
どうしても比べて、自分が劣っていることに落ち込んでしまったり、焦ってしまったりする。
生きているだけでいい。
でも、やりたいことはあった方がいいって、わたしは思っちゃう。
なんにもなく生きるのは怖いって思う自分がいる。
でも、なくたっていいって他者に関しては思う。
「死ぬまでの時間に役割が欲しいだけなんだよ」
役割、なんとなく、それ、わかる気がする。
そんなのなくたって、生きてていい。
それでも、わたしは少しわかる気がする。
ここには書ききれない、色んなことをぐるぐる考えながら読んで、読み終わってからもぐるぐるしてる。
あとがきや解説も読んだけど、そこにも思うことや気付かされること、ゾワっとしたことはたくさんあった。
朝井リョウさんの本って、前もそうだった。
読んでて、居心地が悪くなるというか、ニガくなるというか、苦しくなるというか。
多分きっと、良い意味で。
それともうひとつ、この本の最初の章に出てくる『絶対』っていう言葉に対すること。
この本を読んでから、その言葉に敏感になった。
子供の頃は躊躇なく使っていた『絶対』って言葉、わたしはいつからか使う頻度が減ったと思う。
絶対なんてないんだって気が付いて、それで減ったのかなぁ。
絶対なんてないって分かってても、それでも『絶対』って言いたくなるような熱い気持ちに気付いて、大事にしたいなって思った。
なんか…大丈夫かな。
病んでませんよ。
いや、病んでるかな…?でも、それも通常運転です。割といつも病んでます!
本を読んで、思考がぐるぐるするのは嫌いじゃないです。
色々考えて、でもきっと答えが出なくて、答えが出なくても、考えたいなと思います。
頭悪いんですけど、悪いなりに、色々、たくさん。
劇団員の奈綱でした。
劇団くりびつてんぎょうでは、劇団員を募集しております!
性別・年齢不問。
心身共に健康な方。
演技経験のない方でも大丈夫です。
ご興味のある方はご連絡ください!
一度稽古に参加して頂いて、くりびつてんぎょうの雰囲気を感じてみていただいてからで大丈夫です!
お問い合わせは、コチラの問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。