今日の一冊: 火の鳥7,8 乱世編 | サラリーマンの趣味ブログ

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今日は、一冊の本を紹介する「今日の一冊」シリーズです

今日、紹介する一冊はこちら下差し
 
『火の鳥7,8 乱世編』
 
『火の鳥』は、火の鳥(不死鳥)を物語の中心にした手塚治虫による連作シリーズ漫画です。
シリーズは、「黎明編」「未来編」「ヤマト編」「異形編」「鳳凰編」「復活編」「羽衣編」「望郷編」「乱世編」「宇宙編」「生命編」「太陽編」「ギリシャ編」「ローマ編」と14編が文庫化されています。
各エピソードは1つの物語として完結していますが、その生き血を飲めば永遠の命を得られるという「火の鳥」は全編に登場し、時代を超えて「生と死」について描かれた壮大なドラマです。
手塚治虫の代表作にしてライフワークとなった作品で、過去、未来、過去、未来、と交互に「現代」に近付いて描かれていき、「自分の死亡時刻」を現代として「現代編」を死ぬ瞬間に1コマ程度描くという構想だったそうですが、残念ながらそれは叶わないませんでした。

「乱世編」は、平安時代の終わりごろ(12世紀末)が舞台となっています。
平家が滅び、鎌倉時代へと移行していく、正に乱世の時代です。

主人公はマタギ(猟師)の弁太。
山には結婚を約束したおぶうがいました。
しかし、弁太が京の都で拾いプレゼントしたクシがきっかけで、おぶうはさらわれてしまいます。
そして、さらわれたおぶうを追って、弁太は京の都に出てきました。
弁太は、そこで牛若という少年に出会い、家来になります。
一方、おぶうは時の権力者・平清盛に仕えることになります。
おぶうは清盛に気に入られ、そして、おぶうも清盛を心から慕うようになっていきます。
弁太は牛若と出会ったことで、源氏側として平氏と戦うことになります。
こうしてすれ違う2人の運命は…

また、清盛は、平氏の衰退を感じ、このままでは滅亡するのではという不安に駆られます。
そこで、自分が生き残って平氏を守るために、永遠の命を求めて伝説の鳥・火焔鳥を探します。
平清盛、木曽義仲、源頼朝らの火焔鳥を巡る権力者の欲望がそれぞれの運命を翻弄します。

平家物語、弁慶伝説、鳥獣戯画などの歴史上の物語と手塚治虫の創作を交えて描かれた、深みのある作品です。

時代的には「鳳凰編」に続く時代の物語ということになり、「鳳凰編」のラストで山奥へと消えた我王が最初に登場します。
「鳳凰編」が好きな私は、我王の登場に興奮しました!

そして、冒頭は猿の赤兵衛(あかべえ)と犬の白兵衛(しろべえ)の一生が描かれた短い物語から始まります。
一緒に育ち仲良しだった赤兵衛と白兵衛ですが、やがてそれぞれが猿のリーダーと犬のリーダーになります。
その後、再開を果たした赤兵衛と白兵衛の運命は!?

ネタバレになるのでここでは結末は書きませんが、いたたまれない気持ちになりつつも、運命には勝てない命の儚さを感じずにはいられませんでした。


永遠の命を求める権力者たちと「死」を通して、「生きるとは何か?」を考えさせられる作品ですキラキラ