初春の小道(令和4年3月)

 

週末、子①(小4男児)の提案で、子②(小2女児)及び子③(保育園年長女児)を交えて「人狼(じんろう)」というカードゲームをした。

 

しかし、当該カードゲームが想定している適正参加人員を遥かに下回る参加人数だったためか、今一つ盛り上がらなかった。

 

すると子②が「じゃあみんなでババ抜きしようよ。」と提案してきた。

 

 

 

実は、父の遺品が収納されている飾り棚にはトランプがひとつ残されている。

 

父が亡くなる前に遺していた唯一のトランプである。

 

私がまだ小さい頃、父はときどきどこかの会社の記念品のトランプをもらってきてくれた。

 

しかし、家族でトランプをするということがなくなって幾年月、何回かの引っ越しも重なり、父がもらってきてくれていたいくつかのトランプもいつの間にかどこかに行ってしまっていた。

 

そのような中でなお唯一遺されていたトランプが当該トランプなのであった。

 

子どもたちもトランプの存在自体は知っていたらしく、子②は「うち、トランプあるの知ってるよ。」と言って、件のトランプのことを口にした。

 

私は、「うん、あるある。あのトランプはおじいちゃんの形見なんだ。だから勝手に出したりしたらダメだよ。」と言って、飾り棚から恭しく取り出した。

 

 

母が生きていて湾岸地域の海の見えるマンションに住んでいた頃、まだうんと小さかった子①を連れて行くと、母は飾り棚からこのトランプを出して子①と遊んでくれた。

 

ただその際、カードを何枚か紛失してしまっていたらしい。

 

今回子どもたちとババ抜きをしてみて、3枚のカードがなくなっていることが改めて判った。

 

 

ババ抜きは単純だが結構深みがあって面白い。

 

特に、カードの残り枚数が少なくなって誰がババを持っているかが分かってからは、ババを引かせようとして画策する側と、ババを引くまいとする側の心理的駆け引きが面白くなる。

 

私はよく、「ほらほら、これババだから引きなさいよ。」と言ってわざと1枚だけ取りやすいように上に出し、「あんなこと言うくらいだからあれはババじゃないな。」と思わせておいて、実はその取りやすいように上に出しているカードこそがババで、子どもたちにこれを引かせる、ということをする。

 

子どもたちは読みが浅かったと悔しがるから愉快である。

 

子③にとっては生れて初めてのババ抜きだったが、一番嵌ったのは子③で、今朝など朝の一番忙しいときにババ抜きに付き合わされてしまった。

 

母が住んでいたマンションのこと

 

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