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今日11月18日は創価学会の創立記念日です。

初代会長 牧口恒三郎先生ゆかりの新渡戸記念館館長のメッセージを紹介します。


(今日の聖教新聞から転載)


「11・18」慶祝の声 十和田市立新渡戸記念館 新渡戸常憲館長


 創価学会創立記念日を心よりお祝い申し上げます。
 創価学会と新渡戸家のつながりは古く、牧口常三郎初代会長が、著書である『人生地理学』を、1903年、台湾総督府に勤めていた新渡戸稲造に贈ってくださり、それを読んだ稲造が返信の便りを送ったことから始まります。
 その後、2人は、民俗学者の柳田国男らが発足した「郷土会」で交流を深め、稲造は、牧口会長の『創価教育学体系』の序文を書きました。
 その中で稲造は、当時の社会の行き詰まりを打破するには、迂遠のようでも「余は只教育の一途あるのみと断言して憚らない」と力説し、「独立独創、自己の力で自己の進路を開拓する教育が必要だ」と訴えています。
 そして、そのための教育哲学として創価教育学を高く評価し、「君(=牧口会長)の創価教育学は、余の久しく期待したる我が日本人が生んだ日本人の教育学説であり、而も現代人が其の誕生を久しく待望せし名著である」とたたえました。
 稲造は、このような賛辞を軽々しく言う人ではありません。
 牧口会長の思想と人物を本物だと見抜き、称賛に値すると判断したからこそ、このような序文を寄せたのだと思います。
 新渡戸家には「学問より実行 知識より常識」という稲造の言葉がありますが、牧口会長とは互いに「理論家」ではなく、「実践者」として深く共鳴し合ったのでしょう。
 なお、牧口会長直筆サイン入りの『創価教育学体系』第2巻が、当記念館に大切に保管されています。
 青森・十和田に基盤を置く新渡戸家は、稲造の祖父の新渡戸傳翁が、未開の十和田地域に人工河川・稲生川を上水し、開墾して豊かな水田を造成。その息子の十次郎が、京都にならって碁盤の目のように整備された街を建設しました。
 こうした“開拓者魂”が私たちの誇りであり、その本質は、自らの命を懸けて、社会のため、後世のために尽くしていく、というものです。その精神は、稲造の心にも脈々と受け継がれました。
 牧口会長が殉教されて、本年が70年と伺いました。どんな組織や団体も、先人の苦労に学び、その魂を忘れなければ栄え続けていけるものと確信します。
 これからも、不思議な縁のある創価学会の皆さまには、牧口会長の精神を大切にし、池田名誉会長のもと、平和社会の建設に貢献していただきたいと思います。(音楽学博士・音楽評論家)