藤村わかばは、中学2年生。3月の日曜日、曾祖母のつる子に呼び出されます。呼び出しって何事?とドキドキしながら、両親と一緒につる子の家を訪れたわかば。そんな中、つる子から出てきたのは「高校の学費を私が援助する」という話!戸惑うわかばと喜ぶ両親。ただ、それには1つ条件が。それは「今の実力よりもワンランク上の学校を目指すこと」!わかばは、奨学金ゲットに向けて、受験に向けて進学塾に入ることになりますが…
タイトルだけの印象では、「ひ孫思いのおばあちゃんの優しいお話?」と思っていましたが、作品の中で、「女であること」で女学校への進学を反対された、つる子おばあちゃんの悔しさがあふれていて、ちょっと切なくなりました。そして、このことをきっかけに、わかばたち家族は、ジェンダーについて深く考えさせられることになります。
また、中三の生活の中で、学校や塾の成績に一喜一憂する様子や、塾の友達との関係性、部活との両立など、受験生の揺れ動く気持ちがとてもリアルに描かれているな~と感じました。今後受験予定の中1・2年生や、その家族にもおすすめしたい1冊です。中学生の夏休みの読書感想文にもおすすめです!
さて、わかばの受験の結果はどうなるのでしょうか?ぜひ自分の目で確かめてみてください!