■初日( 2001/6/13)
朝5時、ドアをノックされて目覚める
ドアを開けるとアミーゴがコーヒーを渡してくれる
しばしそれを飲みながら、ボーっとする
幸いたいした時差ボケもないらしく、体は快調
クーラーが一晩中つけっぱなしだったので寝汗をかくこともなく、顔だけ洗って外へ出る
しかしまだ真っ暗
昨夜準備しておいたタックル一式をトレーラハウスの外に出して、レストランへ向かう
朝食はアメリカ式で、卵、パンケーキ、ベーコン、ソーセージ、トースト、シリアル、果物等を好きなだけ自分で取る
卵やパンケーキは頼んだその場で焼いてくれる
飲み物はオレンジジュースや牛乳
もちろんコーラやビールを頼んでも構わないが、さすがにメキシコだけあって、オレンジジュースがとても美味い
パラパラと全員が集まってきて、皆が食事を終えた6時頃空が白んできた
ガイドの準備も出来たとのことで、全員部屋に戻り身支度をする
既に気温も上がってきており、Tシャツ、短パン、そしてタックボックスと化している愛用のフィッシングベストという格好で行くことにした
更に出発前に調べた天気予報に「UV Index: 10+ Extreme」とあったので、普段はつけない日焼け止めローションもしっかり塗って準備完了
しかしここで重大なことを忘れており、これが後に悲劇をもたらすことになろうとは・・・
建物の敷地内からボートまでの約200mくらいの距離は、4輪バギーで牽引されたカーゴで送迎
ちなみに部屋の外へ出しておいたタックルは、食事中にカーゴまで運んでくれている
まったく至れり尽くせりの釣りだ
我々の為に用意された5艘のボートの組み合わせに関しては、事前に何の話し合いも行われていなかった
しかし取材ということがあり、Kota&TH氏が同船したボートを、Tさん&O氏&Ryoichiの取材艇が追いまわすことになっているので、残るは3艘に5人(Nさん、Sさん、Mさん、Wさん、自分)
つまり誰かが単独になるわけだが、Nさん&Sさん、そしてMさん&Wさんは同室の関係である
更にこの5人の中で英会話できるのは自分だけ・・(ガイドは片言の英語しか話せないのであまり関係無いのだが)
ということで、特に何の話し合いもせず、このままの組み合わせでボートに乗り込んだ
結局3日間、このままの組み合わせで釣りをすることになる
ボートは一応FRP製だかグラス製だかのVハルで、50馬力の船外機搭載
さらに後ろにハンドコンエレキがついているが、魚探は無い
まずは5分ほど走ったところで、小さなクリークに入る
ガイドはエンジンを止め、エレキに切り替える
周りは急斜面になっており、水面からは立ち木が何本も突き出ている
そして思っていたほど激しくは無いものの、時折ボイルも見られる場所だ
当然投げるのはトップウォーター
昨日は空ぶったチャグバグだが、2投目で早くもヒット
出た時にあまり大きくないのは見て取ったが、予想以上の引き
記念すべきメキシコ一匹目(昨日のオカッパリは除く)は、40Upだった
25Lbsラインなので、軽く引っこ抜ける
「う~む、最初はこんなもんか」と即リリース
そして2,3投したとき、再びヒット
今回は水が盛り上がっただけで、姿は見ていないが、引きからみても、先ほどのよりは明らかに大きさが違う
慎重に寄せ、ガイドにネットですくってもらう
デカイ!
フックを外して渡してくれたバスを計ってみると、57cm/6.7Lbsだった
たった4,5投で自己歴代第二位のウェイト記録
さすがメキシコ!来て良かった!
早速ガイドに使い捨てカメラを渡し記念撮影
一応英語で「大きく撮ってね」とは言ったが、立ち位置からして多分理解してくれてはいなかっただろう(未現像のため不明)
デジカメでも撮りたかったが、時間がもったいないのでリリースして、釣り続行
その後2,3本追加したが、40upばかりでサイズは伸びず、トップに出なくなってきたところで、ガイドから「ワーム」の指示が出る
ガイドはワーム袋を探り、昨晩作っておいたテキサスリグ(3/8ozシンカー&5/0フック)に10"パワーワームをつけてくれた
アメリカで何度も試したが一度も釣れなかった10"パワーワーム
「ホントに釣れるのかな~?」という心配をよそに、あっさりヒット
しかも40そこそこのバス
「うーむ、さすがだ」とまたまた感心する
しかし相変わらずサイズが伸びていかない
しかもこの間、蚊のような虫に腕とスネを刺されまくり
刺された場所からは出血し、非常に痒い
「もういいや」ということで、移動することにした
この虫刺され、3日半を通じてこの時しかやられなかった
しかもここまで刺されたのは自分だけで、時間とポイントの問題で運が悪かったと言えるが、出発前に虫除け対策を講じて来なかったのが大きな間違い
長袖を用意するなり、虫除けスプレーを塗りたくるなりするべきであった
南米をナメてはいけない
結局一週間以上も痒さで苦しんだあげく、痒さは消えても尚、痕が消えないため通院する羽目になった
余談だが、3,4年くらい前、ピラミッド・レイクで同じような虫にヒジのあたり刺されたことがある
その時は虫刺されの薬だけ塗って、当然病院などにはいかなかった
しかしその痕は未だに残っており、ウオノメのようになってしまったため、今度手術で切り取ることになっている
海外の釣り場は要注意!
閑話休題
次に移動してきた(連れて来られた)場所は、シャローフラットで、岸から100mくらい離れた場所
ガイドは「ワーム」の一言指示の後、腕でビシッとキャストする方向を示す
「ブレイクでも入ってるのかな?」と考え、とりあえず遠投して探ってみたが、何も感じない
「普段PEラインに慣れきっているのに、今回は25Lbsのナイロンなので、何も感じないのか?」と不安になる
後に判明したことだが、このガイド、一ヶ月ほど前、まだウィードがバリバリに生えていたスポーン真っ最中にあたっていたポイントを指示していたようだ
2,3投したが特にストラクチャーも無し、アタリも無いので、勝手にクランク(Fat Free Shad)に変更
それでもクランクを始めれば、ガイドはちゃんとエレキで流す操船をしてくれる
右手の方に立ち木群があったため、そちらに向かうように指示を出し、キャストを続ける
ボートが立ち木の中に入りそうになった時、ボート側でヒット!
これまたグイグイ良く引っ張る
ボートの下に何度も潜られ、$29で買ったIvinoロッドじゃ折れそうだ
とは言え、立ち木も近いし、ドラグを緩める訳にも行かず、ようやく引き寄せてネットですくってもらうと、先ほどの6パウンダーよりデカく、ディープクランクを丸呑みしていた
「これは10パウンドいったろう?」と興奮気味にまず長さを計ってみると65cm
「おお、自己記録長さ部門1位だ!間違いなく10だな」と喜び勇んで重さを量ると、9.0Lbs
「10Lbs届いてないのか・・・」と若干の寂しさはあったが、やはり嬉しいので、とりあえず記念撮影
今回はデジカメも投入してガイドに撮ってもらう
その後は大して釣果も伸びなかったので移動することに
移動中、撮って貰ったデジカメ映像を確認
「小せぇ・・・」
やはり日本人同乗者が居てくれないことが悔やまれる一枚
9パウンダー釣っても、ガイドは慣れっこだから「凄い!」とか言ってくれないし・・
とにかくデジカメの写真はリリース前に確認することを決意する
その後行ったポイントでもまた「ワーム」の指示
「今回は崖の横だし、まぁやってみるか」とキャストするも反応無し
深さもあるため、クランクも反応しない
するとガイドがまたワーム袋をまさぐり、パワーワームを外して、「Reaction Lures Gator Dog 5"」を付け、「これでやれ」と差し出してきた
実はこのワーム、今回Shinozakiが「El Saltoに良く行っているショップの店員に薦められた」と買っておいてくれたもので、自分がアメリカにいる時は見たことがなかった
今回使ったルアーの中で唯一馴染みの無いものであり、やはりLA近郊でもまだ置いてる店は限られるらしい
ホグ系の形で、ガーリックの匂いがプンプンする
「ふーん、やっぱり匂い系がお薦めなのかね。そしてルアーサイズダウンで固く来たな」と思ったりしたが、これが見事にハマって6パウンダーをキャッチ
だが既に感覚が狂い始めており、重さは量ったが、写真も撮らずにリリース
その後も、ガイドはシャローフラットに連れて行きたがる傾向があったが、とりあえずハードボトムの崖横や岬を回って数を延ばしていった
ワームーもいろいろ試し、ゲーリーの10"グラブでも全然問題無く釣れることを確認
11時になったところで午前の部は終了
ボートドッグへ引き上げる
ボートにタックルを残したまま(釣り場の治安問題無し)、デジカメだけ持って、送迎バギーで建物の方へ
テラスの脇にクーラーボックスが置いてあり、アミーゴが「何飲む?」と聞いてくる
マルガリータを頼んで揺り椅子で戻って来た人達と歓談
10ポンドを釣った人あり、ロッドを折られた人あり、皆それぞれ良い思いをした様子(ロッドを折られたことも嬉しそうだった)
全員集まったところで昼食
午前中の内容を総括してみると、どうやら良い思いをしたのは、一般人のボート。撮影隊はほとんど釣りをしておらず、Kota&TH氏のボートはガイドに問題があったようだ
TH氏は「明日はガイドを変えてもらう」というと憤っていた
昼食後は午後2時まで、シェスタ(昼寝)の時間になる
既にベッドメークは終わっており、クーラーの効いた部屋で休めば良いのだが、別に眠くもなかったため、RyoichiやO氏と木陰で話をしながら時間を過ごす
途中、アメリカ人のカメラマンも入ってきて、アメリカのカメラマン事情などを聞いたりした
彼は仕事で来てはいるが、従来のバス釣りにはあまり興味が無いのか、今日も好きなフライロッドでバスを釣っていたようだ
シェスタも終わって午後の部開始
2時スタートで、終了時間は7時くらいになる
まだ暑いので、出来るだけ日陰に行きたかったが、またまたシャローフラット沖の、立ち木群にボートを結ばれてしまう
メキシコだろうがアメリカだろうが日本だろうが、湖は午後になると風が強くなるという点では同じらしい
あまり逆ってばかりなのも悪いし、まだ初日のうえ、既に9Lbs釣ってそれなりに満足していたので、「まぁ、いいか」とビールを飲みながらボートの真下でシャクるだけの怠慢釣り
それでもさすがに結びつけてしまったようなポイントだけあって、小さいのから6Lbsくらいまではバコバコ釣れる
感覚が狂ってしまったのと怠慢なのが手伝って、55cmくらいあろうが6Lbsくらいあろうが、計りもしなけりゃ写真も撮らずにポイポイリリース
それでも残り2時間くらいになったところで、若干気合も入ってきて、午前中にも行った崖側に動くよう指示を出し(日陰だったし)、岩の壁に沿ってボートを流させ、壁沿いにキャストしていると(これが出来るのは単独乗船の特権)、8.5Lbs(長さ不明)がヒット
とりあえず使い捨てカメラでのみ撮影。デジカメはメモリーが8MBしかないので、初日は温存モード
風が弱まってきたラスト一時間はボートドックに近いシャローフラットで釣り
相変わらず沖に停泊しようとするが、風に流され岸沿いまでキャスト出来る位置に来たときだけ釣れる
出来るだけ岸沿いにキャスト出来る位置をキープしてもらい、数釣りを続けていると、撮影隊も近くにやって来た
とちょうどその時、ビッグワンがヒット
少しくらいは釣ってるところをガイド以外にも見てもらいたかったので、ちょっと嬉しい
計測してみると7パウンダー(57cmだったかな?)だった
撮影隊はまたどこかに行ってしまったが、もう時間もないし、一応大きいのも出たので、そのまま数を延ばして一日目は終了
本日の釣果は9.0Lbs、8.5Lbs、7パウンダー1匹、6パウンダー2匹(計測したのが)、他多数(多分6Lbs含む)
長さ的には60Up1で、50Up多数(50後半だけでも5,6本)
30upや40upも含めて全体数は4~50本釣ったのではないだろうか
GatorDog5"以外、8"以下のワームは使わずにこれだけの釣果で、数年分をまとめて釣ってしまった気分
夕飯時にそれぞれの釣果を確認
最大はMさんの上げた11Lbs
凄かったのは、Sさんの10Lbs-2、9Llbs-2、8Lbs-1、以下7Lbs~
10Lbsオーバーを上げたのはこの2人だけだったが、撮影隊を除けば、全員7Lbs以上は手にしたようだ
まったく凄いところだ
やはりガイドによって差は出るらしく、ポイント等も様々
ルアーもクランクメインとワームメインのガイドがいたようだ
ワームメインの方がサイズを伸ばしており、この点、自分のガイドは正しかった
ただ皆が「ダムサイトの橋脚はデカイのが釣れた。その周りの岩壁もどーのこーの」という話をしているのに、自分は知らないところを見ると、そこに連れて行ってもらってないことと、彼がシャローフラットにこだわっていたことが不満だった
ただ指示を出せばちゃんとそのようにしてくれるので、全てを彼のせいにすることは出来ないが・・・
初めての湖で様子を知ってるわけじゃないしねぇ・・・
夕食後はさっさと部屋に戻る
さすがに今日は早起きし、昼寝もしてないので、疲れも出てきた
今回の狙いはあくまでも10Lbs
9Lbsまでは獲れているが、それでは目標達成とは言えない
それに既に2人が10Lbs釣っていることに対して、焦りも出てきている
まだ全行程の2/7しか終了していないが、10Lbsが出る保証も無し、明日はもっと頑張ろうと誓って就寝した
~爆釣の2日目に続く