猫猫は、壬氏に身請けされる形で宮廷に戻る、と思ったが以前いた後宮ではなく、勤め先は壬氏の屋敷だった。

官女試験を受けろと言われるが、興味の無い事に関しての記憶力は並以下の猫猫。
当然落ちて、壬氏の部屋付きの下女となる。

倉庫のボヤ騒ぎと同時に窃盗事件が起きたり、官僚が海藻を食べて昏睡状態に陥ったり、高官が塩の過剰摂取で亡くなったり、宮廷御用達彫金細工師が残した不思議な遺言を解決したり等、一見バラバラに起きた事が、ひとつの事に集約されてゆく。

祭場の天井から吊り下がる柱に付ける金具に工作ありと気が付いた猫猫は、殴られ怪我をしながらも祭場に突入。
祭事を執り行なっていた人物を、真上から落下する柱から既の所で助けた。
祭事を行っていたのは、まさかの壬氏だった。
猫猫、壬氏の腕の中で気を失う。

猫猫の事を聞き及び、やたら壬氏に絡んできていた軍師羅漢と猫猫の養父の羅門、そして猫猫との関係が明るみに。
羅漢は、人の顔を識別できないという。
子供の頃、優秀な医官であった叔父の羅門から、人を声や体格、素振りで見分ける事、シャンチー(中国将棋)の駒に例える事を教えられた。         
でも、シャンチーの名手であった妓女の鳳仙と、猫猫の顔だけは識別できた。
鳳仙が、猫猫の母親というわけね。  
羅門の失脚に伴う羅漢への影響が、鳳仙に悲劇をもたらすわけだけれど、梅毒による鳳仙の容貌の変化が分からない羅漢は、ある意味幸せね。

人の顔を覚えられない、分からない症状を失顔症(相貌失認)といい、高次脳機能をつかさどる部位の脳障害によって起こるそうだ。
アメリカの俳優ブラッド・ピットは、自分が失顔症であるかもしれないと告白しているわね。


猫猫が大怪我をしても欲しがった牛黄とは❓


牛黄(ごおう)とは、牛の胆のう中に生じた結石、つまり胆石のこと。
千頭に一頭の割合で発見されるそうで、紀元前からその効用は知れ渡っていたそうだ。
血圧降下作用、解熱作用、鎮痛作用、強心作用など様々な症状に効くって凄いわね❗
救心や宇津救命丸や滋養強壮剤や風邪薬や胃腸薬などに、ひろく配合されているそうだ。(救心HPより)


出典∶成光薬品HP


知らなかったわびっくり日頃からお世話になっているのね。
猫猫が喉から手が出るほど欲しがるわけだわ。

冬虫夏草はふるさと納税の返礼品になっている、というお話をブロ友さんからお聞きして、びっくりしたけれど。

牛黄の場合は、衛生環境向上のせいか胆石持ちの牛が最近は少ないそうで、輸入に頼っているそうだ。

熊の胆嚢なら知っているわ、熊胆(ゆうたん)漢方薬の原料になっている。

生活の知恵とはいうけれど、滅多に見ない珍しい物を食してみて、それがまた病に役立つとわかるまで、どの位の歳月を要するんだか?
冬虫夏草にしても動物の胆嚢や胆石にしても、他の生薬に成りうる素材にしても、人間が一番何でも食べてしまう恐ろしい生き物だわ。

人間の胆石はどうなの? 毒にも薬にもならない?
いや、毒かも、人間の胆石の組成分はコレステロールだというから。


まだまだ話は続く、第2期は来年になるそうだ、たのしみ~ひらめき