引用元∶朝まで生テレビ!公式サイト


先週のテレビ朝日の『朝まで生テレビ』を久しぶりに観ようと思ったけれど、結局寝てしまって観られなかった。
その後ネットで知ったが、パネリストの音喜多議員(日本維新の会)の発言が、注目を集めているという。
どんな発言だったかというと、

「若者はなぜ政治に興味を持たないか」という話題になった時、司会の田原総一朗氏に振られた音喜多議員が、
「それは、政治の話が面白くないからですよ」
と話し始め、続けて
「たとえば、この番組は面白くないんですよ。10代20代が観て面白いと思うか。それは、みんな話を遮るからですよ。みんな人の話を聞かないで、怒鳴り合って、ワーワーやってる」
と、持論を展開。
続けて音喜多議員が言うには、ワーワーやって、机をばーんとやるのが怖い。
人の話を最後まで聞くとか、丁寧に対応するとか、政治の世界にもこの番組にもないと発言したそうだ。(Yahoo!ニュースより)

それに対してSNSでは、音喜多議員よく言った、という意見が多かったらしい。

これを読み私は、なるほどねぇ、時代が変わると共に人々の感覚も変わる、と思ったわ。

『朝まで生テレビ』が始まったのは1987年。
司会は、ずーっと田原総一朗さん。
最初の頃のパネリストは映画監督の大島渚さん、作家の野坂昭如さん、学者の西部邁さん、ベ平連の小田実さんや、まだ若手だった政治評論家の舛添要一さんなど、学者、政治家、作家、評論家、ジャーナリストなど、多分野に渡っての錚錚たるメンバーが、月に一度深夜に激論を戦わせていた。

討論番組の走りね、若い頃はよく観ていたし結構好きだったわ。
大の大人による口角泡を飛ばしながらの激論合戦が珍しかったし、ヤラセだったかどうかは知らないけれど、大島渚監督と野坂昭如さんがよく言い争いになっていたわね。
とにかく、皆さん血の気が多くて、あれはひとつのショーのようで面白かった。
そんな中、どんなに周りが熱くなっていても、理路整然とした政治学者の姜尚中さんの落ち着いた声と話し方に、ファンになったものだわ。

この36年間に起きた事件や話題が詰まっている。
中森明菜とマッチの仲直り会見?は、何故か『朝まで生テレビ』の放映中に割り込んできた。
妙だったわね。

湾岸戦争当時、パネリストだったAERAの田岡俊次さんに田原さんが
「田岡さん、本番中に原稿書かないでね」
と言っていたのを覚えている。
田岡さん忙しかったんでしょうね、当時の世界情勢を物語っているわね。

オウム真理教の麻原彰晃が、お付き二人と登場しパネリスト達と討論した時は、教団側の主張を信じてしまいそうになったわ。

それまでタブーのような扱いだった同和問題を取り上げた時は、時代は進んだと思った。

あの番組を面白がって観ていたのは昭和世代よね。

人の話を最後まできちんと聞く、という事は基本中の基本のはずだけれど。
中立の立場であるはずの司会者が、人が話しているのを遮って持論をまくし立てるのが当たり前の、それが確立されたスタイルで、それがまた受けていた時代が確かにあった。

今や平成を通り越し令和の時代。
時代の変化と共に、人々の心の有り様も変化した。
大いなるマンネリを批判されても仕方ないわね。

今の若者は電話が苦手だという。
仕事もラインやメールのやり取りが中心になっているような若者にとって、確かに怒鳴って机をバーンびっくりマークなんて怖いだけだわね。
お笑いの世界も、以前は笑えた事も今は笑えない、という事が多くなっているしね。
時代の変化は致し方ない。

音喜多議員の発言を知り、若者に迎合する必要も無いけれど、変わる事も受け入れる柔軟性は持ち合わせていたい、と思いました。