あーやっちゃったな。
沈墨は、自分に乱暴を働いた盧文仲を手に掛ける事によって、タガが外れた。
弟の傅衛軍と王陽は、まさかそこまでの事は考えていなかったと思う。

殷紅もなんでウロウロするんだか、サッサと帰ればいいものを。
沈墨は、自分の指を切断して殷紅のバラバラ死体に加える。
だから以前、川岸での王陽と沈墨の会話に、伏線として指の話が出てきたのね。
(沈墨と殷紅の血液型が偶然一致したの?などと余分な事は考えない)

どうして沈墨は、王陽を引きずり込んでしまったのか。
家に帰ってゆっくり寝て、いつもの生活に戻ってと言われてもねえ。

殷紅のバラバラ死体の入ったいくつものゴミ袋が映ったシーンから、死体の始末やラスト字幕までのBGMが『美しく青きドナウ』よ。
(エンディング曲は毎回違う)
この曲は、どうしてもスタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』の印象が強い。
どうにも引き返せない所まで来てしまったこの場面で、何故に『美しく青きドナウ』なのかしら?
あまりにも絶望しかない状況に、全く合わない『美しく青きドナウ』の軽快で華麗なリズムが、却って虚しさを引き立たせる。

この『美しく青きドナウ』、貴婦人たちが長いドレスの裾をつまみながら踊る、優雅な姿を連想するワルツのリズムだけれど、曲の解説を読むと不穏な時代の二面性を秘めた曲らしい。
コレラが流行し戦争もあった時代に作られ、その時代の政治を批判するような歌詞が付いているという。

なあるほど、奥深いのね。

ウチの夫は、「こんな暗いドラマなんか見てられるかびっくりマーク
と言い残してお風呂に行った。
今晩も静かにじっくりと、ドラマを味わう事ができて良かったです。ニヤニヤ