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2013年製作のイタリア映画。

監督は『海の上のピアニスト』などの名匠ジュゼッぺ・トルナトーレ。

 

ベタな言い方ですが、上質なミステリーとでも言いましょうか。

一度、いや二度観ても、よく分からない所あるかも。私の理解力の無さよ😅

そのくらい、あちこちにヒントがちりばめられている。

そのヒントに気がつかなかったりして 無気力

 

 

登場人物は、主人公のヴァージル・オドマン(ジェフリー・ラッシュ)。

人に興味を持たない、神経質で気難しいが、才能のある有名な鑑定士。

 

絵画や調度品などの鑑定を依頼する、資産家の娘クレア (シルヴィア・フークス)。

 

機械職人のロバート(ジム・スタージェス)。

 

ヴァージルの古くからの友人で相棒のビリー(ドナルド・サザーランド)。

 

 

 ほとんど、この4人で話は進行していく。

 

ひとことで言えば、長い間の恨みを持ったビリーの、大掛かりな復讐物語。

 

ヒントになる、オートマタ(機械人形)の部品。

話が進行していくにつれて、出来上がっていくオートマタ。

 

クレアの住む屋敷の近所のバーにいる、小人症の女性が発する数字や言葉。

等々、見逃したり聞き逃したりしないように。

 

ある程度の年齢になってから初めて知る、人を愛し愛される喜び。

知ったがために訪れる悲しみ。

 

初めて観た時は、「年寄りに対して、いくら何でも酷すぎるえー

などと少々可哀想に思ったけれど。

 

でも今は、人を一度も愛する経験もなく人生を閉じるより、

たとえクレアからの愛が偽りだったとしても、

自分のクレアへの愛は本物だったということが、

時が経つほどに掛け替えのない宝物として、心に残るのかも知れないと思った。

そしてそれは、ほんの少しの希望にも繋がる。

たとえ、叶わぬ夢だと分かっていても。

 

ラストシーンのプラハのレストランの、インテリアの沢山の時計が、

これまでの長い時の流れと共に、これからの残り少ない時を刻む。

 

まだ若さのある時に観るのと、還暦過ぎてから観るのでは、

観る側の受け取り方が、全く違ってくるのではないかとも思った。

 

沢山の美術品や調度品、部屋の内装など、魅せられる物が多い。

 

謎解きの部分と、人としての生き方、老人の悲哀など色々考えさせられる。

重いけれども決してイヤミスではない、心に刺さる作品だ。

 

 

※ 画像はYouTubeよりお借りしました。